この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

至言。

2014-07-17 22:22:00 | 折り紙・ペーパークラフト
 昨日「川崎ローズ」で有名な川崎敏和教授から拙ブログにコメントを頂きました。
 折り紙作品について言及しているのですが、書かれてある内容は単に折り紙にとどまらず、すべての芸術、創作活動に通ずるものではないか、と思いました。
 ブログの記事のコメント欄にとどめておくのは勿体ないと思ったので、ここに全文を転載します。


 1分ローズは普通の紙で折れる。みんなが折れないのは、「紙を無理やり折ろうとする」と「折り目がきちんと折れてない」から。「折りたい線で紙が折れるように紙に力を加える」と「折り目を強く折る」が折り紙の極意。極意をつかめば、紙は勝手に折れていくもの。
【あとは折り紙のバラの中で一番簡便な「一分ローズ」。】は黄色信号。「折るのに時間がかかる、つまり工程数の多い折り紙=難しい折り紙、1分だから簡単。」は短絡的ですね。時間がかかるのを難しいと感じるのは集中力がないから。机の上に置いてペタンペタンと折る作業をくり返すだけだから、難しいわけではない。広い紙で折れば済むこと。
それでも折れないには原因が2つ。1つは折りの精度の低さ。完成を急がず丁寧に折れば解決する。もうひとつは作品の完成度の低さ。「私は丁寧に折っているのに仕上がらない!」場合がこれ。対策は簡単。「折る必要のない折り紙」は折らないこと。たいていの折り紙作家は作家のクオリティーに応じた作品を発表する。同一作家の作品を2,3個折ってみて、「折るべき作家」と「折る必要のない作家」に分類しよう。時間と労力の節約になる。「コンプレックス折り紙」という錦の御旗を掲げた「折る必要のなり折り紙」が巷にあふれている。困ったものだ。そういう作家連中は「吉澤章」作品や「笠原邦彦」作品の良さが理解できないというか折ろうともしない。たぶん、審美眼がないのだろう。
コンプレックス折り紙の元祖が天才前川だが、彼の折り紙は折り線が整理されている。ホイルの裏内も必要としない。前川折り紙と巷の「コンプレックス折り紙」は別物だ。小松英夫さんはその違いが一番わかっている折り紙作家だろうね。
優れた料理人の料理は「引き算」。B級グルメは「足し算」。B級グルメはトッピングを足したりして客の目先を変えるだろう。季節ごとにパンを米やベーグルにし、激辛とかブラジル風、スペイン風に変えるハンバーガーチェーンがあるだろう。それじゃ駄目なのだ。折り紙も同じ。折り線の整理が折り紙の命なの。「玉手箱」で渦巻模様を隠すだろう。フタの中央が盛り上がると同時に簡潔になる。これが「玉手箱」の命。それが分らず、渦巻模様を出したがる折り紙者の何と多いことか。フタの裏側のきれいな構造も見逃しているに違いない。折り紙以外の普通の芸術に触れて審美眼を身につけてもらいたいものだ。折り紙の世界でしか生き残れない折り紙に何の価値があろうか。



 つい最近折り紙から距離を置こうかと思うようなことがあったばかりなのですが、その矢先に川崎教授からこのようなコメントをもらえるとは、何て言うか、奇妙な皮肉を感じてしまいます(皮肉って言う表現は正しくないかな。上手く言えないけど、ともかく7/6以前にコメントをもらえていたら、また別の意味を持ったであろうということ)。

 まぁ別に折り紙が嫌いになったわけではないので、これからも自然体で臨めばいいと思うんですけどね(それがまた一番難しい。笑。)。
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