片渕須直監督、のん主演、『この世界の片隅に』、11/12、ユナイテッドシネマキャナルシティ13にて鑑賞。2016年39本目。
女の子ってジブリ(のアニメ)が好きですよね。
好きですよね、って決めつけるのもどうかとは思いますが、ジブリが好きという女の子の方が多いのは間違いないでしょう。
ジブリが好きでも嫌いでも、それは個人の自由で勝手だと思うのですが、個人的に許せないのはジブリは好きだけど、『未来少年コナン』は見たことがないというという女の子ですね(ときどきその存在すら知らない子もいる)。
見ろよ!と強く言いたくなります。『未来少年コナン』こそが宮崎駿の、というか日本のテレビアニメの最高傑作なのですから。
さて、そんな『未来少年コナン』偏愛主義の自分の、ジブリに対する評価は必然的に低いものになってしまいます。
『ハウルの動く城』にしろ、『崖の上のポニョ」にしろ、『借りぐらしのアリエッティ』にしろ、脚本が褒めらる出来ではない、そう思っています。
宮崎駿御大が書いたからまだ世間的に認められていますが、無名の脚本家が同じものを書いていたら、間違いなくボツを喰らっていたでしょう。それぐらいひどい。
そんな具合でジブリに対する評価が恐ろしく低い自分は未鑑賞のジブリ作品も多いです。
例えば、『ゲド戦記』を始めとして、『思い出のマーニー』、『おもひでぽろぽろ』、『耳をすませば』などが未鑑賞です。
どれも別に「絶対に見ない!」と決めているわけではないので、暇であれば『ゲド戦記』だって見てもいいのですが、唯一『火垂るの墓』だけは絶対に見るまいと思っています。
未鑑賞ではあってもネタバレサイトなどは既読なので、あらすじはほぼ知っているのですが、『火垂るの墓』、見たら間違いなく気分が沈んで鬱になると思うので、見る気になれないんですよね。これを見るぐらいならまだ残虐なホラー映画を見た方がマシというか。
戦時下を舞台にした映画って当時の暮らしぶりをリアルに描こうとすればするほど、どうしたって展開が鬱にならざるを得ないですよね。
なのでこの『世界の片隅で』もあまり積極的に観ようという気にはならなかったのですが、前評判の高さに釣られて観てきてしまいました。
感想は、観てよかったです。ただ、もう一度観ようという気にはならないです。
でも一人でも多くの人に観て欲しいとは思いました。
いくつか、「え?」と思うシーンがありました。
主人公のすずは町で彼女を見初めた周作の元に嫁ぐことになります。周作の家は別に大金持ちというわけでもなければ大地主というわけでもありません。どちらかというと一般的な家柄だと思われます。
一般的な家柄の男性が町で見初めた女性を気に入り、嫁にする。現代ではちょっと考えられないですし、当時としてもそんなことが可能なのか、疑問に思ってしまいました。
また戦地に赴くことになったすずの幼馴染みの哲がすずの元にやってきます。ただ昔話をするためだけにやって来たのかと思いきや、周作は哲を納屋に泊め、あろうことかすずを一晩家から閉め出すんですよね。つまり、哲の夜伽の相手をさせるのです。
幸か不幸かすずと哲が男女の仲になることはないのですが、だからといってめでたしめでたしというわけではなく、いくら戦地に赴く兵隊さんとはいえ、自分の妻を差し出すのが当たり前という時代性は異常としか言いようがなく、当時を知る人に本当にそんなことがあり得たのか聞いてみたい気がしました。
もしあり得たのだとすれば、日本国内においてもそういった異常がまかり通っていた以上、遠い異国の地で軍人が属国の女性を人間扱いしないのはごく当然といえるでしょうね。
そんな感じで本作を観て、自分の常識はかなりぐらつかされました。そして何気ない日常が、平和が、平凡に生きることがとても尊いことなのだと気づかされました。
一人でも多くの人に観に行ってもらえたらと思います。
お気に入り度は★★★☆、お薦め度は★★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
女の子ってジブリ(のアニメ)が好きですよね。
好きですよね、って決めつけるのもどうかとは思いますが、ジブリが好きという女の子の方が多いのは間違いないでしょう。
ジブリが好きでも嫌いでも、それは個人の自由で勝手だと思うのですが、個人的に許せないのはジブリは好きだけど、『未来少年コナン』は見たことがないというという女の子ですね(ときどきその存在すら知らない子もいる)。
見ろよ!と強く言いたくなります。『未来少年コナン』こそが宮崎駿の、というか日本のテレビアニメの最高傑作なのですから。
さて、そんな『未来少年コナン』偏愛主義の自分の、ジブリに対する評価は必然的に低いものになってしまいます。
『ハウルの動く城』にしろ、『崖の上のポニョ」にしろ、『借りぐらしのアリエッティ』にしろ、脚本が褒めらる出来ではない、そう思っています。
宮崎駿御大が書いたからまだ世間的に認められていますが、無名の脚本家が同じものを書いていたら、間違いなくボツを喰らっていたでしょう。それぐらいひどい。
そんな具合でジブリに対する評価が恐ろしく低い自分は未鑑賞のジブリ作品も多いです。
例えば、『ゲド戦記』を始めとして、『思い出のマーニー』、『おもひでぽろぽろ』、『耳をすませば』などが未鑑賞です。
どれも別に「絶対に見ない!」と決めているわけではないので、暇であれば『ゲド戦記』だって見てもいいのですが、唯一『火垂るの墓』だけは絶対に見るまいと思っています。
未鑑賞ではあってもネタバレサイトなどは既読なので、あらすじはほぼ知っているのですが、『火垂るの墓』、見たら間違いなく気分が沈んで鬱になると思うので、見る気になれないんですよね。これを見るぐらいならまだ残虐なホラー映画を見た方がマシというか。
戦時下を舞台にした映画って当時の暮らしぶりをリアルに描こうとすればするほど、どうしたって展開が鬱にならざるを得ないですよね。
なのでこの『世界の片隅で』もあまり積極的に観ようという気にはならなかったのですが、前評判の高さに釣られて観てきてしまいました。
感想は、観てよかったです。ただ、もう一度観ようという気にはならないです。
でも一人でも多くの人に観て欲しいとは思いました。
いくつか、「え?」と思うシーンがありました。
主人公のすずは町で彼女を見初めた周作の元に嫁ぐことになります。周作の家は別に大金持ちというわけでもなければ大地主というわけでもありません。どちらかというと一般的な家柄だと思われます。
一般的な家柄の男性が町で見初めた女性を気に入り、嫁にする。現代ではちょっと考えられないですし、当時としてもそんなことが可能なのか、疑問に思ってしまいました。
また戦地に赴くことになったすずの幼馴染みの哲がすずの元にやってきます。ただ昔話をするためだけにやって来たのかと思いきや、周作は哲を納屋に泊め、あろうことかすずを一晩家から閉め出すんですよね。つまり、哲の夜伽の相手をさせるのです。
幸か不幸かすずと哲が男女の仲になることはないのですが、だからといってめでたしめでたしというわけではなく、いくら戦地に赴く兵隊さんとはいえ、自分の妻を差し出すのが当たり前という時代性は異常としか言いようがなく、当時を知る人に本当にそんなことがあり得たのか聞いてみたい気がしました。
もしあり得たのだとすれば、日本国内においてもそういった異常がまかり通っていた以上、遠い異国の地で軍人が属国の女性を人間扱いしないのはごく当然といえるでしょうね。
そんな感じで本作を観て、自分の常識はかなりぐらつかされました。そして何気ない日常が、平和が、平凡に生きることがとても尊いことなのだと気づかされました。
一人でも多くの人に観に行ってもらえたらと思います。
お気に入り度は★★★☆、お薦め度は★★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
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