この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

ある意味理想的なホラー映画だった『サユリ』。

2024-09-07 20:54:44 | 新作映画
 白石晃士監督、南出凌嘉主演、『サユリ』、9/7、イオンシネマ福岡にて鑑賞(月イチクーポンにて鑑賞料金1200円)。2024年37本目。

 先日の記事でホラー映画は怖いだけではダメだ、プラスアルファがなければ、というようなことを書きました。
 その時は意識してなかったのですが、『サユリ』はまさにそういう映画でしたよ。
 本作のプラスアルファは何かというと、まず驚きですね。
 映画の前半は、念願のマイホームに引っ越してきた一家がその家に棲む悪霊の「サユリ」によって一人、また一人殺されていくという、ホラー映画としてはありがちなものです。
 そのまま一家全員がサユリに殺されてしまうのか、と思わせておいて、作品は驚くべきツイストを見せます。
 ネタバレになりますが、公開から二週間経つのでいいかな、無力なボケ老人と思われたおばあちゃんが実は太極拳の達人で、孫の則雄と太極拳で悪霊に対抗するという悪魔祓い映画になるのです。
 太極拳で悪霊に対抗するって!
 本人たちが真面目にやっている分、余計におかしかったです。

 ただ笑わせるだけでなく、なるほどな、と思わせるシーンもありました。
 おばあちゃんが孫の則雄を「どんな時も笑うことを忘れるな」というふうに叱咤するシーンがあるんですよ。
 今放映中の宮藤官九郎脚本のドラマ『新宿野戦病院』でも似たような台詞をヨウコが口にしてましたよね。
 笑いというものはそれだけで事態を好転させる力があるのかもしれません。

 さらに自分はこの作品で感動もしましたよ。
 サユリが浄化されるシーンはサユリに起きたことがあまりにもつらすぎるので、その分素直によかったと思いました。

 それからホラー映画って、悪霊は倒されたように見えて、実は、、、みたいな終わり方の作品も多いのですが、本作はきっちりと終わらせているのでそこも評価出来ました。
 まぁでもあのスーパーおばあちゃんの活躍はもっと見たい気がしないでもないですが。笑。
 
 お気に入り度★★★★、お薦め度★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。

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