(その4からのつづきです。でも未読の方はよかったらその1から読んでください。)
ガツッという鈍い音を立て、その一撃は私の身体から全ての力を奪い去った。
一瞬のうちに視界が朱に染まり、口いっぱいに錆びた鉄の味が広がる。
私の身体は糸が切れた操り人形のように崩れ落ちた。
なぜ・・・?どうして?
痛みが共鳴してまともにものを考えられない頭の中に疑問符ばかりが浮かぶ。
平手打ちしたことが男の逆鱗に触れたのか、それとも男が幽霊であると自称したことをあまりに深く追及しすぎたのか。
どちらにしろほんの今さっきまで話していたときの男は、とてもこのように激昂するタイプには見えなかった。
つまりは私に人を見る目がなかったということだろう。
そしてこれは同時に、思いがけず話相手を得てわずかでも心を許してしまった私の愚かさに対する神様が与えた罰なのかもしれない。
地に伏した私に男は持っていた角材でさらに容赦なく二撃、三撃を加えた。
少しでも身を守ろうと右手をかざしたが、男は構わずその上から角材を叩きつけた。
パキッという枯れ木が折れるような音を立てて、右手がありえざる方向に折れ曲がる。
「誰か・・・、誰か、助けて、誰か・・・」
助けを求める声はつぶやきにさえもならず、空しく消えていった。そもそもこの岬に男と私以外の誰かがいるとも思えなかったけれど、それでも私は救いの手を求めずにはいられなかった。
助けて、誰か、助けて・・・、お父さん・・・、お母さん・・・。
男に打ち据えられ、芋虫のように丸まりながら、そして私は今さらながら皮肉にも気がついた。
私は本当は死にたくなどなかったのだ、ということに。
この岬には死を覚悟して来たはずだったのに・・・。
途切れ途切れの意識の中、不意に男の手が止まったことを不審に思い、私は何とか首をめぐらした。
半ばからポキリと折れた角材を放り投げ捨て、男は手近にあった石を両手で抱え上げた。かなりの大きさの石だった。
視界の隅に男の両眼に宿った静かな狂気が映った。
助けて・・・、スガノさん・・・。
そのつぶやきが実際口に出して言えたものなのか、それとも心の中で言えただけだったのか、もう私にはわからなかった。
男が私に最後の一撃を加えるのと私が目を閉じたのは同時だった。
そして私の意識は昏い、昏い、奈落の底へと落ちていった。
つづく。
ガツッという鈍い音を立て、その一撃は私の身体から全ての力を奪い去った。
一瞬のうちに視界が朱に染まり、口いっぱいに錆びた鉄の味が広がる。
私の身体は糸が切れた操り人形のように崩れ落ちた。
なぜ・・・?どうして?
痛みが共鳴してまともにものを考えられない頭の中に疑問符ばかりが浮かぶ。
平手打ちしたことが男の逆鱗に触れたのか、それとも男が幽霊であると自称したことをあまりに深く追及しすぎたのか。
どちらにしろほんの今さっきまで話していたときの男は、とてもこのように激昂するタイプには見えなかった。
つまりは私に人を見る目がなかったということだろう。
そしてこれは同時に、思いがけず話相手を得てわずかでも心を許してしまった私の愚かさに対する神様が与えた罰なのかもしれない。
地に伏した私に男は持っていた角材でさらに容赦なく二撃、三撃を加えた。
少しでも身を守ろうと右手をかざしたが、男は構わずその上から角材を叩きつけた。
パキッという枯れ木が折れるような音を立てて、右手がありえざる方向に折れ曲がる。
「誰か・・・、誰か、助けて、誰か・・・」
助けを求める声はつぶやきにさえもならず、空しく消えていった。そもそもこの岬に男と私以外の誰かがいるとも思えなかったけれど、それでも私は救いの手を求めずにはいられなかった。
助けて、誰か、助けて・・・、お父さん・・・、お母さん・・・。
男に打ち据えられ、芋虫のように丸まりながら、そして私は今さらながら皮肉にも気がついた。
私は本当は死にたくなどなかったのだ、ということに。
この岬には死を覚悟して来たはずだったのに・・・。
途切れ途切れの意識の中、不意に男の手が止まったことを不審に思い、私は何とか首をめぐらした。
半ばからポキリと折れた角材を放り投げ捨て、男は手近にあった石を両手で抱え上げた。かなりの大きさの石だった。
視界の隅に男の両眼に宿った静かな狂気が映った。
助けて・・・、スガノさん・・・。
そのつぶやきが実際口に出して言えたものなのか、それとも心の中で言えただけだったのか、もう私にはわからなかった。
男が私に最後の一撃を加えるのと私が目を閉じたのは同時だった。
そして私の意識は昏い、昏い、奈落の底へと落ちていった。
つづく。
でもちょっとだけ暴行されるシーンがあるけど、体当たり演技でよろしくね♪笑。
あと、スガノっていうのはちょうど名前を何にしよーかなーと思ってて、スガシカオの話題になったから、スガノにしたんだよ。
あんまりありふれた名前でも困るし、かといって聞いたこともない名前でもダメだから、まぁちょうどいいかな、と思って。
・・・・・。
といいたいところだけど、『断崖にて』はすでに最終話を書き終えてるので、残念ながらそのアイディアは不採用ってことで。
次回作に協力よろしく!笑。
『たいこの達人』で765連コンボを出すまで成仏できない地獄のゲーマー、スカオ君。
7話あたりに出してください!
おっと、これ以上はいえないいえない。笑。
なんだか学芸会みたいな雰囲気になってきましたね。笑。
無理矢理役を考えなければいけない幼稚園の先生の気分です。笑。
この先一体どうなるの?スガノさんて誰?
金曜日楽しみにしています。
みんな出演されるようなので、私は断崖に育ったたんぽぽの綿毛役でお願いします。
今回はスルーされるかと思ってたけど、多くの人がコメントしてくれて感謝です♪
まぁ夏を迎えるにあたり、幽霊(と称する男)が出てくる以上こういった展開も必要かと。笑。
佐々木蔵之助ですかぁ。確かに彼は狂気を演じることが出来る、それでいて性格もよさそうな俳優ですよね。
イメージ的にはもう少し若いつもりだったんだけど、仮に映像化されるときは彼に出演をオファーしてみますね。笑。
にこ、金曜日までにもしおねしょをしちゃったら、おわびとしてブランド物の下着をプレゼントするよ!(ブランド名はもちろん『パンパース』!!)
やまさん、たぶん、それであたり。笑。
でもずばりいっちゃあ嫌~よ♪
maさんも感謝です!
金曜日なんてすぐきますよ!
ただ続きが期待にそうようなものかはわからないけど。笑。
つばきさん、ホラー小説家って言われると、少し嬉しいかも。
このお話を書くにあたり、読んだ人をゾゾ~ッとさせるっていうのも目標でしたから。
続きを読んだらまたコメントお願いしますね!
っていうか、今回のすごくこわめですね・・・(==;
にこりん坊さんとおんなじで、わたしも夜中こそっと観に来ていたのですけど
怖すぎて何もかけずに今頃になりました(TT
ホラー小説家せぷさん(・・v
金曜日楽しみにしてます(><b
あぁ、続きが気になるぅぅぅ。
早くこいこい、金曜日
ところでスガノさん最近太ったよね?
(てきとーなカマかけんなっつうの!!)
おねしょしたら せぷのせいにしようと思ったけどセーフだったよ
マリーコさん、出演するんですね(決めてる)
私は...そうだなぁ、架空の羽虫でいいです
ドラマ化決定ですね
主人公は誰にしようかな~。
私はどこに出ようかな~♪(お前も出てるんか?!)
そこら辺のことも金曜日になればわかる!(はず。)
ところで、小夏さんの勘違い&発見っていうのがやっぱり気になります。
最終回が終わったら、どんなふうに予想していたか、教えてくださいね♪
この人、豹変し過ぎ!
ところで私、根本的なところ勘違いしてたかもしれません(恥)。
だから何って訳じゃないですけど、新たな発見ってちょっとワクワクしません?当たってるかは別にしてw
ところで、「スガノさん」って・・・誰???
というわけで次回はアンドロイドとなって蘇った主人公の復讐のお話です。(嘘。)
『断崖にて、その六』は金曜日掲載の予定です。
あと二回、よろしくお付き合いくださいませ♪