この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

【グリーン・ゾーン】、全米では大コケだそうですが・・・。

2010-05-15 23:56:33 | 新作映画
 ポール・グリーングラス監督、マット・ディモン主演、【グリーン・ゾーン】、5/15、ワーナー・マイカル・シネマズ筑紫野にて鑑賞。2010年22本目。


 本作は全米公開時には大コケしたそうです。
 制作費一億ドルに対し、全米での興収が3500万ドル、世界興収も累計8000万ドル未満に留まっているとのこと。

 観て納得しました。
 こりゃ、まぁコケるわ。

 本作は、イラク戦争とはどういう戦争だったのか?という観るものへの問いかけであり、そして同時に、こういう戦争だったのだ、という答えであり、また、この戦争に加担した者は責任を取らないでいいのか?という告発でもあります。

 イラク戦争なんて自国の歴史の汚点は一刻も早く頭の隅から追いやりたいアメリカ国民からすれば、観たくもない映画でしょうね。

 映像的にもちょっとねぇと言いたくなるものがありました。
 グリーングラスといえば、『ジェイソン・ボーン』シリーズでも多用された手持ちカメラによる迫力のある映像が売りだと思いますが、本作ではそれが逆効果というか、クライマックスの、真夜中のイラクのスラム街での追いかけっこは何が何やらわからないんですよね。
 撮影監督が『ジェイソン・ボーン』シリーズの人ではなかったらしく、そのことも関係しているのかもしれません。

 内容的には胃が重くなるものであり、映像的には目に優しくない。
 じゃあ本作は観る価値がないかというと、そんなことは決してありません。
 
 上述の通り、イラク戦争に加担した、すべての国の人々は本作を観るべきでしょう。
 言うまでもなく日本もそうです。

 イラク戦争における日本の役割は、強盗殺人で言えば、見張り役のようなもの、というのが自分の認識です。
 人は殺してないんだから、罪は犯してない、なんて理屈は成り立たない。
 人道的支援だの何だのいっても、結局はアメリカの言いなりになって戦争に加担したのは間違いのないところだと思います。
 イラク戦争がどういう戦争だったのか、我々は真相を知る義務があるはずです。
 観て楽しい映画ではありませんが、観なければいけない映画だと思います。
 
 お気に入り度は★★★☆、お薦め度は★★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
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