この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

おめでたいけれど、少し残念。

2019-02-25 23:45:52 | ゲーム
 本日沖縄県那覇市で行われた第68期王将戦七番勝負第4局において渡辺明棋王が勝利し、見事四連勝で王将の座を奪取しました。
 いや~、めでたい🎵
 一年前、名人戦の順位戦A級から降格したときは誰がこの快挙を予想したでしょうか。
 正直、自分はあの時将棋棋士渡辺明は終わった、そう思いました。

 将棋に興味のない方も話だけは聞いたことがあるのではないでしょうか、三年前、将棋界には激震が走りました。
 第29期竜王戦の挑戦を決めた三浦弘行九段が将棋ソフトの不正使用を疑われ、当時竜王であった渡辺棋王がこれを告発したのです。
 このとき、渡辺棋王には三浦九段が不正を働いたという確たる証拠はありませんでした。
 渡辺棋王の告発を受け、日本将棋連盟は十分な調査を行わないまま三浦九段を竜王戦の挑戦権を剥奪、しかし結局三浦九段が不正を働いていたという証拠は見つかりませんでした。

 証拠もなく三浦九段を告発した渡辺棋王は対応のまずさもあり、ずいぶんと責められました。
 A級からの降格がこの時のプレッシャーと無関係だとは思えません。

 ただ個人的に(対応のまずさはあったとしても)渡辺棋王が間違ったことをしたとは思っていません。
 ボクシングに例えればわかりやすいかな。
 ボクシングのチャンピオンが次の対戦相手がグローブに細工をしているという噂を耳にしたとします。
 このとき、チャンピオンが不正をするような相手とは試合は出来ないとコミッショナーに訴えたとしたら、そして確たる証拠がなかったとしたら、それは筋が通らないことでしょうか。
 そんなことはないですよね。
 不正をする相手と試合が出来ないと訴えるのはチャンピオンとして当然の権利だと思います。
 そしてそのとき証拠はいらないはずです。
 なぜならチャンピオンはあくまでボクシングのチャンピオンであり、別に不正を調査するプロというわけではないのですから。
 チャンピオンの訴えを聴いたコミッショナーは期限を設け、調査のプロに本当に不正があったのかどうか、期限内に不正の証拠が見つかれば対戦相手から挑戦権を剥奪し、別の対戦相手を見つけ、また証拠が見つからなければ今度はチャンピオンに対し、試合において決して不正が行われないことを確約した上で試合を行うようにする。
 これが不正が疑われた場合の試合開催の流れだと思います。

 将棋に話を戻せば、証拠なしに三浦九段を告発した渡辺棋王は決して間違ったことはしていない。
 ただ、渡辺棋王の告発を受け、充分な調査を行わないまま三浦九段から竜王戦の挑戦権を剥奪した連盟は間違っていた、そう思うのです。

 将棋のトップ棋士は実力が紙一重だと言われています。
 紙一重の実力差の中で結果を出すにはメンタルの部分が重要であるはずです。
 三浦九段を告発したことで責められた渡辺棋王はおそらく精神的に揺れたことでしょう。
 弱気な発言も耳にしましたしね。
 あのとき渡辺棋王は終わった、自分も含め多くの人がそう思ったはずです。

 しかしそこからの復活劇ですよ。
 自分は素直に感動しました。
 
 一つだけ残念なことがあるとしたら、今回の王将戦、第六局が佐賀の上峰町で行われる予定だったのです。
 当然自分は観に行くつもりでしたよ。
 カレンダーにも三月二十日、二十一日のところに大きく丸をつけました。
 しかしまさか第四局で決着がつくとは…。

 まぁそういうこともありますよね。
 渡辺棋王・王将、このままの勢いで来期は是非名人戦で挑戦者になってください!!
コメント
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