この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

夢は信じていれば叶うってもんじゃないということを教えてくれる『ズートピア』。

2016-04-23 23:07:03 | 新作映画
 バイロン・ハワード&リッチ・ムーア監督『ズートピア』、4/23、イオンシネマ筑紫野にて鑑賞。2016年12本目。


 『アナと雪の女王』の大ヒットはまだ記憶に新しいことですが、実は自分はまだ未見です。
 なぜ未見なのか?
 理由は上手く説明できません。
 大ヒットしたから逆に見ていないというのはありますね。捻くれ者なのです。笑。
 ミュージカルが苦手だからというのもあるかな?
 全編がそうだというわけではないってことは知っているんですけどね。
 
 そんなディズニー信者ではない自分なのですが、この『ズートピア』はその前評判の高さにムビチケを買い、公開初日に観に行ってきました。
 非常によかったです。
 何て言うか、ケチのつけどころがない、卒のない映画でした。

 まず、キャラクターが可愛いですよね。
 ディズニーがこれまでに蓄えてきた、どうすれば可愛い動物のキャラクターを描けるのか、そのノウハウがこれでもか!と注ぎ込まれているように思えます。

 しかし、物語はそのキャラクターの可愛さに決して依存していません。
 シナリオが実に秀逸なのです。
 あのシーンのあれがここに繋がってくるのか!と何度も驚かされました。

 その上、一見すると子供向け映画のようでありながら、テーマは実にビターです。
 一つは夢は信じていれば叶うってもんじゃないということです。
 ときどき、「声優になりたい!」とか「小説家になりたい!」とか、ネット上で夢を語っている人を見かけます。
 夢を見るのはいい。語るのもいい。でも、自らの夢を語っておきながら、そのための努力をまったくしないというのは、如何なものか?見ていて本当にイライラさせられます。
 この映画は夢を見ることの大切さと、それを叶えるための努力の重要さを教えてくれます。

 そしてこの映画のもう一つのテーマはずばり差別について、ですね。
 人は知らないうちに誰かを差別することがある、そして差別される側だったものも差別する側に回ることがあるってことをまったく説教臭くなることなく教えてくれるのです。

 吹替えもよかったです。
 主人公のジュディの声を上戸彩が当てているのですが、彼女は『ATOM』に続いてよい仕事をしたと思います。
 とかく、芸能人が吹替えをすることにケチをつける人がいますが、そういう人にこそ吹替えで観て欲しいですね(だいたい全国どこのシネコンでも吹替え版ばかりですが)。

 老若男女にお薦め出来る映画ではありますが、テーマがテーマだけに小さい子にはちょっと難しい事柄もあるかもしれません。
 それでも観に行く価値は十分あると思います。


 お気に入り度★★★★、お薦め度★★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)。  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする