この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

ネットの評判に反して面白かった『グラスホッパー』。

2015-12-05 21:48:35 | 新作映画
 伊坂幸太郎原作、瀧本智行監督、生田斗真主演、『グラスホッパー』、12/4、Tジョイ久留米でのナイトショーにて鑑賞。2015年46本目。


 金曜日の夜は久しぶりの久しぶりにナイトショーで映画を観てきました。
 ナイトショーというのはレイトショーのさらに後の上映のことで、九州ではTジョイでのみ採用されているようです。
 Tジョイはポイントによる割引がないですが、このサービスはありがたいなぁ。
 さて、ナイトショーで何を観たかというと伊坂幸太郎原作の『グラスホッパー』です。

 実はこの『グラスホッパー』、一度は劇場で観るのは止めておこうかと思ったんですよ。
 どうもネットでの評判が芳しいものではなかったので。
 自分は過去に同じ伊坂幸太郎原作の『陽気なギャングが地球を回す』を劇場で観て、そのあまりの不出来にブチ切れた経験があるので、あの轍は二度と踏みたくないなと思ったのです。
 ただ、今回はいろいろ事情があって結局観に行くことになりました。
 で、感想を先に述べておくと、、、充分面白いと思いましたよ。
 面白いというか、正確には画(絵)的にとても安定していて、それが観ていて心地よかったというか。

 画的に安定しているというのは冒頭からそうでしたね。
 ドラッグでラリった男が渋谷の交差点で人を引きまくるというシーンで物語は始まるのですが、このシーンが本当に渋谷の交差点で撮影しているように見えるんです。
 今の邦画でそういった撮影が可能なのか?あれだけ人が多い渋谷の交差点で?
 自分にはあのシーンが本当に渋谷で撮影しているのか、それとも合成なのか、まったくわかりませんでした。
 映画ってそういうふうにどのように撮影しているのか、まったくわからないというシーンが一つでもあれば、それだけで充分見る価値があるんじゃないかって思います。

 安定した画はその後も続き、構図はきちんと計算されているように見て取れ、美術や小道具にも手抜き感はなく、またアクションシーンも非常にクオリティが高いように思えました。
 痛いシーンが本当に痛そうに見えることって邦画では案外少ないのですが、この『グラスホッパー』ではアクションシーンもそうだし、拷問シーンでも本当に痛そうでしたよ。

 何だかべた褒めしているようですが、必ずしもそういうわけでなく、脚本は正直「う~~~ん」ってレベルではありました。
 冒頭の渋谷の暴走も、事件を起こすことで市場を混乱させ、ドラッグの流通をより簡単にするのが目的だそうで、、、ね、頭が悪い脚本でしょ?笑。
 本作で脚本を兼ねた瀧本智行監督は、脚本に恵まれれば、すごい傑作を物にするのでは?と思いました。
 瀧本監督には次回作を期待します。


 お気に入り度★★★☆、お薦め度★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)。
コメント (2)
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