ディーン・クーンツ著、【オッド・トーマスの霊感】、読了。市立図書館蔵書。
一人の作家の才能が枯れていく様を見るのは、つまり、出す新刊、出す新刊、ことごとくこれまでの作品の出来を下回るということだが、ひどくつらいことだ。
具体的に作家名を挙げるとすれば、例えば、田中芳樹。
彼の代表作である【銀河英雄伝説】を初めて読んだとき、世の中にこんな面白い小説があったのか!!と驚愕したものだが、現在刊行中の【薬師寺涼子の怪奇事件簿】シリーズは本当にくだらないと思う(全巻を読んだわけではないが)。
あれほどの傑作を物にした作家がこうまでどうしようもなくつまらない小説を書くようになるのか、と悲しくなってしまう。
同じような作家には、ジェフリー・アーチャーやスティーブン・ハンター、リチャード・ノース・パタースンなどが挙げられる。
ディーン・クーンツもそんな生ける屍の小説家の一人だと思っていた。
クーンツの作品は一時期好んで読んでいた。
犬好きを自認する人は、彼の代表作である『ウォッチャーズ』を読んでみるといい。必ず気に入るから。
いつから彼の作品から距離を置くようになってしまったのか、正確なところはわかりかねるが、決定的だったのは、彼の作品が悪名高きアカデミー出版から刊行されたようになってからだ。
もう二度と彼の作品を読むこともないだろう、とさえ思っていた。
にも関わらずこうして彼の最新シリーズ第一作である【オッド・トーマスの霊感】を手に取ったのは、GW、他にやることもなく、どうしようもなく暇だったので読書にでも勤しむかと思ったはいいが、借りようと思っていた本命の本が貸し出し中だったからだ。
他に読みたい本が借りられれば、クーンツなんぞに手を出したりはしなかっただろう。
自分にとってクーンツは過去の人、過去の作家、リビング・デッドなのだから。
そして、本作を読み終えた今、自らの過ちを知ることになる。
クーンツは過去の人では全然なかった。
【オッド・トーマスの霊感】は彼の最高傑作だった。
最終章を読むに至ってグワッと涙が止まらなかった。
クーンツ、これはいくら何でも反則だよ、二重の意味で。
一つ目の反則はレトリック的な意味での反則、もう一つは、、、いや、これ以上語るまい。
何がどう反則なのかは、是非ご自身で確認してもらいたい。
一人の作家の才能が枯れていく様を見るのは、つまり、出す新刊、出す新刊、ことごとくこれまでの作品の出来を下回るということだが、ひどくつらいことだ。
具体的に作家名を挙げるとすれば、例えば、田中芳樹。
彼の代表作である【銀河英雄伝説】を初めて読んだとき、世の中にこんな面白い小説があったのか!!と驚愕したものだが、現在刊行中の【薬師寺涼子の怪奇事件簿】シリーズは本当にくだらないと思う(全巻を読んだわけではないが)。
あれほどの傑作を物にした作家がこうまでどうしようもなくつまらない小説を書くようになるのか、と悲しくなってしまう。
同じような作家には、ジェフリー・アーチャーやスティーブン・ハンター、リチャード・ノース・パタースンなどが挙げられる。
ディーン・クーンツもそんな生ける屍の小説家の一人だと思っていた。
クーンツの作品は一時期好んで読んでいた。
犬好きを自認する人は、彼の代表作である『ウォッチャーズ』を読んでみるといい。必ず気に入るから。
いつから彼の作品から距離を置くようになってしまったのか、正確なところはわかりかねるが、決定的だったのは、彼の作品が悪名高きアカデミー出版から刊行されたようになってからだ。
もう二度と彼の作品を読むこともないだろう、とさえ思っていた。
にも関わらずこうして彼の最新シリーズ第一作である【オッド・トーマスの霊感】を手に取ったのは、GW、他にやることもなく、どうしようもなく暇だったので読書にでも勤しむかと思ったはいいが、借りようと思っていた本命の本が貸し出し中だったからだ。
他に読みたい本が借りられれば、クーンツなんぞに手を出したりはしなかっただろう。
自分にとってクーンツは過去の人、過去の作家、リビング・デッドなのだから。
そして、本作を読み終えた今、自らの過ちを知ることになる。
クーンツは過去の人では全然なかった。
【オッド・トーマスの霊感】は彼の最高傑作だった。
最終章を読むに至ってグワッと涙が止まらなかった。
クーンツ、これはいくら何でも反則だよ、二重の意味で。
一つ目の反則はレトリック的な意味での反則、もう一つは、、、いや、これ以上語るまい。
何がどう反則なのかは、是非ご自身で確認してもらいたい。