この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

レッドクリフPart2。

2009-04-10 21:16:38 | 新作映画
 ジョン・ウー監督、トニー・レオン主演、『レッドクリフ PartⅡ 未来への最終決戦』、4/9、Tジョイ久留米での試写会にて鑑賞。2009年15本目。

 ここだけの話、自分は前作『レッドクリフ PartⅠ』を観て物足りないな、と思ったんですよね。
 前作の何が不満だったのか。
 まず、周喩と小喬の絡みのシーン。
 あんな中途半端な絡みだったら、いっそいらんわ!って思いました。
 あと戦闘シーンがね、、、どうもしっくりこなかったんです。
 自分の中のイメージとはちょっと違う。
 それなりに見せ場はあるし、迫力もあるとは思うんですけど、それでも何かが足りない。
 何が足りないのか、、、しばらく考えて気づきました。
 “血”の量が絶対的に足りない。
 趙雲にしろ、関羽にしろ、敵兵をバッタバッタとなぎ倒すからにはそれなりに返り血を浴びてなきゃならないはずなんです。
 倒すにしても胸を一刺しするか、すれ違い様に一瞬で斬り捨てるかで終わり。
 頭を脳天から真っ二つ、なんてシーンもなければ、首を刎ね飛ばすシーンもない。
 あまりにも綺麗に、そしてあっさりと倒している。
 パート1を観て、結局ジョン・ウーは『三国志』を題材にした家族向け映画を作りたかったんだな、と自分には思えたんです。
 それは例えどれほどよく出来てはいても自分の求める『三国志』とはちょっと違う。
 なので続編もそれほど観たいとは思えず、売り券も買いませんでした。
 たまたま試写会に当たったから観に行きましたが、外れてたら観なかったかもしれません。

 しかし今、本作を観終えて思います。
 これこそが自分の観たかった『三国志』なのだと。
 もう流れる血の量が半端じゃない。
 連合軍、曹操軍、共に夥しい血が流れます。
 年齢制限が課せられていないことが奇跡に思えるほどスクリーンは血に塗れていました。
 さらにすごいのは撮影に使われた火薬の量。
 爆発、炎上、猛火、そして大爆発、いやすごい。
 映画史上もっとも多く火薬が使用された作品ではないだろうか、と思えましたね。

 まぁツッコミどころはそれなりにあります。
 魚油を用いて作られた手製の火炎瓶にそんな強力な爆発力はないだろうとか(三国志の時代に火薬はない)、濃霧の中でそんなに正確に矢は撃てないだろうとか、いくらなんでもそんなに一度に団子は食えないだろうとか、些細なことですが。笑。
 そういった瑣末な瑕が観ている間はほとんど気にならないほど個人的には熱く燃えることが出来た作品でした。

 ただ作品的に一つだけ気に入らないことがあって、それは何かというと最後の最後である人物が死なないんですよねぇ。
 自分が監督だったら絶対殺すけどな。
 まぁパート1の流れを汲む以上それは無理か。

 それと作品の内容とは関係ないけど、エィベックスのダサいセンスが伺える副題は如何なものかと思います。
 ダサすぎるよねぇ。
 
 お気に入り度は★★★★、お薦め度は★★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。

 次回鑑賞は『スラムドッグ$ミリオネア』
(4/18)の予定。
 四月、五月は結構観たい作品が詰まってるなぁ…。
コメント (3)
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