この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

しゃべれども しゃべれども

2008-01-29 22:55:48 | 旧作映画
 佐藤多佳子原作、平山秀幸監督、国分太一主演、『しゃべれども しゃべれども』、DVDにて鑑賞。

 本作を鑑賞する気になったのは映画秘宝三月号の『快楽亭ブラック師匠が選ぶ2007年日本映画ベスト10』で本作が第一位に選ばれていたからです。
 まぁ三月号は選者70名超によるベスト10&トホホ10も特集されていて、そこで紹介されている作品を一作も見ないというのも如何なものかと思った、というのもあります。

《ストーリー》芸に行き詰まり、目的を見失いかけていた落語家今昔亭三つ葉がひょんなことから落語教室を開くことになる。生徒は、無愛想な美人十河、関西弁のせいでクラスに溶け込めない少年村林、口下手な野球解説者湯河原の三人。最初は言い争いの絶えない彼らだが、やがて落語を通じてそれぞれの欠点を克服していく。そして三つ葉は一門会という大舞台を迎えることになり・・・。
 まず疑問に思ったのは、どういった形であれ、プロの落語家が落語教室を開くことになったのであれば、その旨師匠に報告をしなければいけないんじゃないかってことです。そういったシーンはなかったですよね?
 まぁ自分は落語に関しては門外漢なので、落語の世界では素人に落語を教えることになっても一々上のものに伺いを立てる必要はない、そういった慣習はないといわれればそれまでですが。
 またいきなりラストに飛びますが、三つ葉が十河に「うちにくるか」と誘うのも唐突過ぎて吃驚しました。まだようやくお互いに好意を抱いていることを確認したばかりの二人なのに!?手も握ったことのないのにもう同居???手順を踏まないにも程があるってもんじゃない?それとも単にうちで夕食を食べないかと誘っただけなのか・・・?
 自分だったらラストは三つ葉が十河に「よし、蕎麦でも食いに行くか」と誘って、十河がそれに対して小さく頷いて微笑む、というふうにするけどなぁ。その方がはるかに自然だし、それに前半で十河が蕎麦に手をつけなかったエピソードにも繋がると思うのだけれど。

 ともかく、落語を題材にしている割にはオチが上手く決まっていないように思えました。
 などといきなり辛辣なコメントをしてしまいましたが、本作は通して見るととてもよく出来ています。
 役者も皆はまり役で、特に主人公の三つ葉を演じたTOKIOの国分太一は、これまで自分はてっきりぐるナイの『ゴチになります』の(つまんない)ボケ担当なのかと思ってたんですけど、違うんですねぇ。芸達者で感心しました。
 本作は2007年の邦画最高傑作ではありませんが、鑑賞後、いい映画を見たなぁと思うこと必至の佳作です。
 一週間レンタルでなら鑑賞する価値は十分あると思います。
コメント (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする