医療に関する提言・レポートfrom MRIC by 医療ガバナンス学会(2011年5月2日) 「放射性核種による内部被爆について情報公開を」 山野辺滋晴 共立耳鼻咽喉科院長 より
今回の福島原発事故では、国際放射線防護委員会ICRPの提案に従って、人の被爆限度量を年間1mSvから20mSvに緩和され、水道水中のヨードは300bq/Lに暫定的に引き上げられた。これらの措置は住民の避難移住を緩和するためであるが、外部被爆だけでなく、放射性核種による内部被爆についてはたして住民の安全を守っているのであろうか。平常時の環境モニターは指針が確立しているが、事故のような緊急時モニターではヨウ素、セシウム、ウラン、プルトニウムだけに限定され、ストロンチウムなど多くの放射性核種が測定対象になっていない。したがって大気や海中の放射性核種の情報は公開されていない。また一時緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(プルームモデル)が出されたが、場所によっては30kmを越える地域で影響が予測されたためか以降発表や情報提供は中止されたままである。医学的に内部被爆量を把握するために原発作業者には3ヶ月に一度「ホールボディカウンター」(全身測定)が実施されているが、今回の事故では住民にも実施すべきではないだろうか。国立ガンセンターの嘉山理事長は原発付近住民にもフィルムバッチ(積算被爆量測定感受性フィルム)を配布すべきであると提案しておられる。
今回の福島原発事故では、国際放射線防護委員会ICRPの提案に従って、人の被爆限度量を年間1mSvから20mSvに緩和され、水道水中のヨードは300bq/Lに暫定的に引き上げられた。これらの措置は住民の避難移住を緩和するためであるが、外部被爆だけでなく、放射性核種による内部被爆についてはたして住民の安全を守っているのであろうか。平常時の環境モニターは指針が確立しているが、事故のような緊急時モニターではヨウ素、セシウム、ウラン、プルトニウムだけに限定され、ストロンチウムなど多くの放射性核種が測定対象になっていない。したがって大気や海中の放射性核種の情報は公開されていない。また一時緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム(プルームモデル)が出されたが、場所によっては30kmを越える地域で影響が予測されたためか以降発表や情報提供は中止されたままである。医学的に内部被爆量を把握するために原発作業者には3ヶ月に一度「ホールボディカウンター」(全身測定)が実施されているが、今回の事故では住民にも実施すべきではないだろうか。国立ガンセンターの嘉山理事長は原発付近住民にもフィルムバッチ(積算被爆量測定感受性フィルム)を配布すべきであると提案しておられる。