ブログ 「ごまめの歯軋り」

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北朝鮮 6カ国協議を脱退し また瀬戸際外交へ

2009年04月14日 | 時事問題
朝日新聞 2009年4月14日13時28分
北朝鮮、「6者脱退」と表明 安保理議長声明に反発
 【ニューヨーク=松下佳世、ソウル=箱田哲也】北朝鮮は14日、外務省声明を出して核問題をめぐる6者協議に「再び絶対に参加しない」と脱退を表明。さらに「自衛的核抑止力の強化」を進めると宣言し、核開発の再開を示唆した。
 そのうえで6者協議について、「協議のいかなる合意にも拘束されない」と強調した。また「主体的な原子力エネルギー工業構造を完備するため、軽水炉発電所建設を積極的に検討する」とした。
 さらに、「自衛的核抑止力を強化していく」と宣言。「6者協議の合意に基づいて無能力化した核施設を原状復旧させ、正常稼働させる。使用済み燃料棒はきれいに再処理されるだろう」として、寧辺の核施設の無能力化措置を中断して核兵器に転用可能なプルトニウムの取り出すことを示唆した。

北朝鮮の核外交戦術

 北朝鮮は冷戦終結後はロシアの支援がなくなり中国の支援が縮小されて以来「瀬戸際外交」を基本にしてきた。瀬戸際外交にとってミサイル発射するといっては、核開発をするといっては譲歩を引き出してきた。ところが2006年6月5日ミサイルを発射し、10月9日の核実験に事態は大きく制裁へ踏み出した。これは譲歩を外交目的とする「瀬戸際外交」の大きな失敗である。西側の譲歩がなくなり制裁が行われたのである。それほど金政権は国内で追い詰められていたのである。そして6カ国協議のテーブルに乗った。核施設無力化と援助を天秤にかけた。無条件に援助をしてくれるノムヒョン政権がいなくなり、確実な無力化の検証方法を巡って協議は中断したままに、2009年4月初めミサイル?が打ち上げられ、今回の国連安保理事会議長声明となった。1994年のクリントン合意を簡単に反故にした北朝鮮が、また2009年にヒル合意を踏みにじろうとしている。北朝鮮はお付き合いしたくない隣人ですな。

中国工業生産 回復の兆し

2009年04月14日 | 時事問題
朝日新聞 2009年4月14日0時11分
中国の工業生産、3月8.3%増 回復の兆し
 【北京=琴寄辰男】中国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相は11日、3月の工業生産(年間営業収入500万元=約7300万円=以上の企業)が前年同月より8.3%増えたことを明らかにした。1~2月は前年同期比3.8%増と伸び率が過去最低水準に落ち込んでいたが、3月に入って企業の生産活動に回復の兆しが出ている。

アメリカ輸出依存度の高い中国に工業生産回復の兆し どこへ輸出するのだろうか まだ一喜一憂すべき段階ではないのか それでも8.3%増加とはすばらしい

小沢潰しのメデイア論調に、田中康夫氏 冷や水 

2009年04月14日 | 時事問題
朝日新聞 2009年4月14日0時48分
田中康夫氏、小沢氏擁護論を寄稿 民主広報紙に
 新党日本の田中康夫代表が民主党広報紙「プレス民主」の17日号に寄稿し、違法献金事件で進退問題が浮上している小沢代表の擁護論を展開する。民主党内では「衆院選への影響次第」と、条件付きの続投容認論が主流だが、田中氏は「最終決戦に小沢代表とともに奮迅します」と全面支援の構えだ。
「人事と予算、法案のあり方を一新し得る小沢一郎が率いる政権交代は御用学者の学界、記者クラブの報界を含む『政官財学報』のムラ社会に恐怖だ」「オザワン(小沢氏)抜きの政権なら連中はほくそ笑む」と「ヤッシー節」全開だ。

自民党が本当に恐れるのは、小沢の政治手腕だ 自民党幹部と小沢氏では格が違う

読書ノート 古田隆彦著 「日本人はどこまで減るか」 幻冬舎新書

2009年04月14日 | 書評
人口減少社会のパラダイムシフト 日本の人口の反転は可能か 第5回

第一部:人口減少が始まった (2)

 一定空間と一定食糧になかで生物の増殖曲線を調べた実験には1920年ジョンホプキンス大学のR・パールのショウジョウバエの実験がある。助走期間があって対数増殖期になり次第に飽和するというS字飽和曲線或いはロジスティック曲線となる。フランスのモノーが大腸菌の増殖曲線を求めて数式化した。生物には環境を変える力や環境から逃げる路は残されていないから、飽和になった後は減少に転じる。当然過ぎるほどの結果である。動物社会での個体数抑制行動には①生殖・生存力抑制(個体死)、②生殖・生存介入(共食い)、③生殖生存力格差化(縄張り)、④集団離脱(逃避移動)である。マルサスの「人口論」は食糧と人口の増え方が違うため必然的に不均衡が発生し、それに対して能動的抑制(貧窮・戦争・餓死)と予防的抑制(結婚延期)、そして生活資料を増やすための人為的努力が発生する。人為的努力が実ると以前より高い水準で実現される。というものだが最期の④はいかにも希望的観測の付け足しである。歴史的に見ても人間は社会的動物であるから直接的な抑制よりも文化的な抑制で対処してきたようだ。そしていつも国家の介入は最悪の事態を招いた。
(続く)