小泉首相改革の5年半 政権の功罪と歴史的意義 第2回
著者内山融氏は東大卒業後2年間だけ通産省に在席し、大学へ戻り現在東京大学総合文化研究科准教授で、専攻は日本政治・比較政治論である。政治学というものはまじめに勉強したことは無いが、本コーナーで飯尾潤著 「日本の統治構造」ー官僚内閣制から議院内閣制へーを取り上げたことがある。官僚内閣制と省庁代表性 、政府与党二元体制と政権交代なき政党政治ー55体制、議院内閣制の確立と政党政治の限界と意義といった話題を検証したが、小泉内閣については「小泉内閣では閣僚候補に関する派閥推薦を受けず首相専断とした。さらに経済財政諮問会議を多用して重要な課題に関しては首相の前で閣僚が会議を行い首相が裁断するという閣議の実質的な活性化を図った。」と評価している。また「さらに2000年に成立した「地方分権一括法」による地方自治体の自立は相対的に中央官庁の権力の地盤低下につながっている。こうして官僚による自己完結的な官僚内閣制的な運用は難しくなり、小泉内閣の下で議院内閣的運用が大きく進展した。」という官僚主導型政治からの脱却と議院内閣制の確立という点でも評価している。かっての自民党政冶の特徴は「政府与党二元体制と政権交代なき政党政治ー55体制」という章に詳しい。
内山融著 「小泉政権」は政治制度に限定せず、総合的な小泉内閣の総括となる史書(中国の王朝交代時に前王朝の史書が必ず編まれたのにちなんで)である。総合的なるがゆえに、是が学問かという疑問はついて回る。そこで著者は総合文化研究科国際社会科学専攻らしいので、学者としても許されるのかな。一政冶家の史書として読めばこれほど面白いものは無い。
著者内山融氏は東大卒業後2年間だけ通産省に在席し、大学へ戻り現在東京大学総合文化研究科准教授で、専攻は日本政治・比較政治論である。政治学というものはまじめに勉強したことは無いが、本コーナーで飯尾潤著 「日本の統治構造」ー官僚内閣制から議院内閣制へーを取り上げたことがある。官僚内閣制と省庁代表性 、政府与党二元体制と政権交代なき政党政治ー55体制、議院内閣制の確立と政党政治の限界と意義といった話題を検証したが、小泉内閣については「小泉内閣では閣僚候補に関する派閥推薦を受けず首相専断とした。さらに経済財政諮問会議を多用して重要な課題に関しては首相の前で閣僚が会議を行い首相が裁断するという閣議の実質的な活性化を図った。」と評価している。また「さらに2000年に成立した「地方分権一括法」による地方自治体の自立は相対的に中央官庁の権力の地盤低下につながっている。こうして官僚による自己完結的な官僚内閣制的な運用は難しくなり、小泉内閣の下で議院内閣的運用が大きく進展した。」という官僚主導型政治からの脱却と議院内閣制の確立という点でも評価している。かっての自民党政冶の特徴は「政府与党二元体制と政権交代なき政党政治ー55体制」という章に詳しい。
内山融著 「小泉政権」は政治制度に限定せず、総合的な小泉内閣の総括となる史書(中国の王朝交代時に前王朝の史書が必ず編まれたのにちなんで)である。総合的なるがゆえに、是が学問かという疑問はついて回る。そこで著者は総合文化研究科国際社会科学専攻らしいので、学者としても許されるのかな。一政冶家の史書として読めばこれほど面白いものは無い。