ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

メディア(テレビ・新聞など)の取り上げる題材に振り回されたくない

2007年02月20日 | 時事問題
私はこのブログを始めてはや9ヶ月ほどになります。そもそもメディアから社会政治世相を見ることが目的であったのですが、最近馬鹿馬鹿しくなった。なぜかというと、メディアが投げつける題材そのものが誰かがたくらんだ餌にすぎないことがわかってきたからだ。メデァ自体が誰かが投げつけた餌を喰っているに過ぎないからだ。自分の足で国際問題や政治問題を取材している人は極少ない。記者の数が少ないという理由で米国系メディアの支配下にある。殆どが外信や記者クラブのネタを料理しているに過ぎない。

そんな題材をこのブログで議論しても、敵の思う壺(お釈迦様の手の内)だ。そこで考えた。メディアなしでは一市民が取材できるわけではないことは自明なのだから、出来る限りメディアの意図が感じられない題材すなわち市井の下世話話などの極身近な話題をじっくり考えて、遠巻きながら政治経済社会の実相に迫る手法を取りたい。第一、二面をやめて、第三面と地方版から世界を眺めてみよう。

知的障害者作業場は訓練の場

2007年02月20日 | 時事問題
asahi.com 2007年02月20日01時01分
知的障害者に時給150円 3作業所に改善指導へ 神戸
 社会福祉法人「神戸育成会」(小林八郎理事長)が神戸市内で運営する知的障害者の作業所3カ所に対し、神戸東労働基準監督署は、最低賃金法などに違反しているとして改善指導する方針を固めた。3作業所では、障害者が「訓練」として時給150円程度でクリーニングなどの作業をしている。作業所は一定の要件を満たせば労働関係法規の適用が除外されるが、同署は、遅刻すると賃金を減額しているなどの点から、除外の要件を満たしていないと判断した。
 作業所については、作業員の出欠や作業時間などは自由で、工賃は減額されない、作業収入は全額を作業員に支払うなどの条件をすべて満たせば、労働関係法規は適用されない。
 同会の小林理事長は「子どものために親がお金を積み立てて作った作業所で、訓練の場。タイムカードも訓練の一環だ。」

知的障害者の社会参加の訓練の場に、最低賃金法を適用するのは遺憾
難しい問題ですね。タイムカードを押すのも遅刻したら賃金をカットするのも規律と労働の意味を理解してもらうための方便でしょう。指導を受けたなら改善策は一切の規約を撤去することになる。そして運営費や指導員の給与は作業収入を当てにせず全額神戸市が負担しなければならない。作業収入は出来高払いにして知的障害者に全額還元するのが理想的だ。


文藝書評 小林秀雄全集第22巻「近代絵画」より「ゴッホ」

2007年02月20日 | 書評
ゴッホ

この小文は三章からなる。第1章はゴッホの病気についてである。これは次の文でも詳細に取り上げているので省略する。第二章はゴッホの人生についてであるが、これも第20巻「ゴッホの手紙」で詳細に取り上げているので省略する。第三章は短いが、ゴッホの色彩を述べているので紹介したい。
「ゴッホが大色彩家として現れるのはアルル以降である。アルルの焼け付くような黄色の高い色調には、あれは黄金色の緊張を必要としこれに達し得たというのも、心が狂わなければ不可能な事だったのであろう。」また最後の「麦畑」の絵のカンバスの裏側にはゴッホの手紙に文句が記されているという。「絵の中で、僕の理性は半ば崩壊した。」つまりゴッホの色彩には精神病という彼の個性が無ければ理解しえない。