橡の木の下で

俳句と共に

「緑陰」令和4年「橡」7月号より

2022-06-28 12:03:54 | 俳句とエッセイ
  緑陰   亜紀子

頬白の樹上天辺まだ暮れず
飛び飛びの緑がつなぐ蝶の道
花は葉にけふもノルマの一万歩
ひもじいと泣いて子鴉達者なる
糸とんぼ浮葉かすめて離着陸
釣竿を振るや緑の森動く
夜のかはづ父母とほくなりしかな
緑陰に我いつの間に老いしかな
深山の響きありけり夜の添水
今日ひと日八女の新茶に始まりぬ
丈そろひいまだ蕾の百合の園
囀や出だしやや異な四十雀
夕焼けや犬友達の影も消え
夜々つどひ祭囃子をさらふ子ら
噴水やさらふダンスはボリウッド