忘れもの(20210921)
今日は中秋の名月らしい。
子供の頃、9月21日といえば白玉ダンゴだった。
砂糖+醤油/きなこだったり、とにかくススキをそえて縁側(庭に面した廊下)に供えた。
その前にならぶ私たちは「待て」といわれたイヌ状態で、唾を飲み込みソワソワし通し。
中秋の名月といえばそれがルーティンだった。
"白玉ダンゴつくらんの?"
奥は面倒臭そうだ。
"きなこまぶして喰えばいいやん"
そう勧めても奥の腰は重そう。
作るのは奥だから当然だ。
昨日の五ヶ瀬川、大事なものを忘れてしまっていた。
「極細チューブフライケース」と「アクションカム」だ。
しかし釣り場で気づいたのはアクションカムの忘れ物のみ。
身体に装着した電子機器をピピッと操作してこそプレデターなのに、ああ残念。
フロロ1.5号3本マルチは前日に組んでいたのでソレを使う。
午前7時頃、奥から連絡。
「忘れてるよー」
アクションカムはやはり自宅にあって、しかしこれまで自宅にあるとはっ!
今回のキモ中のキモ、極細チューブbox!
なぜそれがそこにある?!なぜだーっ!
もう終わったという気持ち、ええいやけくそだという開き直り、底層をねらう釣りはもう無理という現実感。
いまある極細チューブをロストした時点で今日が終わる。
ああ無念。
「家族を放って遊んでばっかり、当然の報いよ!」
奥の高笑いが聞こえてきそうだった。
不自由な釣りで疲弊し帰宅した私。
家にあがってからも疲労で弱気、奥のいいなり、まるで犬のよう。
それでも奥の入浴の一瞬のスキをついてタイイング、奥が風呂から出れば「わたし何もしてませんよー」そしらぬ顔。
その様子はほぼ駄犬。
寝るのも一番早かった。
その寝る直前、奥にちょっと一言。
"これから水木、土日、水木と五ヶ瀬が続くよ"
奥が少し怒りだしたようだが、私は駄犬だからそのまま布団かぶり寝てしまった。
その流れで今日、"中秋の名月の月見ダンゴ"を所望しても叶うはずなどない。
今日は奥が喜ぶ良さげなダンゴを買って帰ろう。
残りの五ヶ瀬はあと4−5回、駄犬でも何でもよいから奥に尾を振り続けるのだ。