癌春(がんばる)日記 by 花sakag

2008年と2011年の2回の大腸癌手術
   ・・・克服の先に広がる新たな春を生きがいに・・・

19日目〈民宿一里木〉~農祖峠遍路ルート~内子町〈松乃屋旅館〉〈38.6km〉〈合計581.4km〉

2018年03月29日 | 登山・旅行

6:00スタート~15:45ゴール(9時間45分)〈57053歩〉

◎午前中は山越え

 次の札所は、別格8十夜ヶ橋だが、50km近く先にあり、とても1日では歩ける距離ではない。今日は、今回の遍路で初の移動だけの日だった。

 久万高原町から内子町へ抜けるルートは、大きくは2本、それを繋ぐルートが2本あり、その組み合わせでいろいろなルート取りができる。

 前回は、最短距離である790mの鴇田峠を越えたが、今回は距離は長いが、アップダウンが緩いという650mの農祖峠コースを選んだ。

     
 朝コンビニで巻き寿司と野菜スープを買ってきたら、ご主人が「コンビニものだけなら味気ないでしょう」と、おかずを部屋に届けてくれた。連泊に対するお接待のサービスらしい。

 6:00、宿を出て、ひな祭りの展示で賑やかな旧街道を歩き、国道を横切って、農祖峠へ向かう。

     
 一部山道を抜けて、県道に合流するすると、朝日に輝く山村風景の中を進む。北海道では味わえない日本のふるさとといった感じの風景だ。

     
 再び深く掘れた山道となる。もともと遍路道は当時の主要道路だったわけで、車社会になって県道や国道が整備されるわずか130年ほど前までは、1100年以上も前から人馬が往来していたことになる。この深く掘れた道に、その歴史の重みや深さが残る。

     
 7:35、本日の最高地点農祖峠を通過。この標識も順打ち方向からでないと分からないので、振り返って撮影。

     
 この峠の前後は、最近伐採作業が盛んに行われているようで、道がよくわからないところもあった。古い踏み跡が残る下り道を選ぶようにした。

     
 8:15、県道へ出て、農祖峠越えは終了。山村にしては凄い塀を廻したお屋敷があった。
 このあとは、県道や国道、それらと並行する旧街道を進む。8:30を過ぎた辺りから、小田にある3軒の遍路宿宿に泊まったと思われる順打ちのお遍路さんがぽつぽつとやって来る。

     
 国道380号を登っていくと、真弓トンネルを潜る。昔はトンネルはなかったわけで、ここも当然峠越えだったわけである。地形図には、トンネルができる前の舗装された旧道が残っていて、その真弓峠は740mだった。ちなみに、このトンネルの入口は570mだった。
 トンネルを抜けると、内子町になり、あとはずっと下りが続く。

     
 国道を横切る地点には、順打ち用には、いろいろな標識が賑やかである。

     
 しかし、逆打ちの下り口には何もなく、上の標識の地点を振り返って、そこに続く遍路道だと判断するしかない。

◎小田からは、内子町市街地を目指して、国道と川を挟んで並行する旧街道を黙々と歩く。
    
 11:00、少し大きな小田の集落を通過。このあとも山間の国道を下るが、山越えのイメージはなくなる。
 小田の道の駅で休憩したが、そこの桜は見頃を迎えていた。

     
 国道沿いを流れる自然河川に錦鯉が泳いでいるのにも驚く。このあと金色の鯉もいた。

     
 国道の歩道の割れ目に咲く「根性すみれ」。葉の形からすると、冠のつかないただのスミレのようだ。

     
 昼食は、遍路休憩所で、急斜面にへばり着く家並みや段々畑を眺めながら、昨日買った饅頭の残りと菓子パンで済ませる。

     
 道の駅で450円だったイチゴが無人販売所で200円だったので、買って食べながら歩いた。
 小学高学年女の子二人がそれを見て「イチゴ美味しいですか?」と挨拶してきた。「美味しいよ。食べる?」と聞いたら、「うちでも作っているのでたくさんあります」とのこと。分かれ道で「がんばって歩いてください!じゃ~ね」と声をかけて別れていった。

     
 道端にたくさんの白花タンポポが咲いていた。先日は1株だけだったが、普通に咲いているのにも驚いた。

     
 同じ1本の幹から紅白と混じった花の咲いている梅の木。函館公園にもあるが、道中あちこちで見かけた。

     
 向かい側から10人ほどのお遍路さんの一行がやってきた。この人たちを含めると、20数人に出会った。外国人は3名いたが、横浜ホエールズのラミレス監督にそっくりな人がいた。

      
      
 内子町市街地の5kmほど手前に、前回、函館にも13年間住んだことのある北広島市の健脚大師こと竹さんと初めて出会い、一緒に泊まり、その後数日間同行した懐かしい無料遍路小屋がまだ残っていた。
 中は前回は2人しか泊まれなかったが、今回は広くなっていた。
 なお、竹さんは、現在85歳だが、まだクロカンスキーの大会で顔を合わせている。

     
 いよいよ、ゴールの「白壁のまち」内子町へと入っていく。

     
 15:45、松乃屋旅館に到着。旅館も、白壁造りだった。観光地なので、素泊まりで6000円だった。

◎重要歴史的建造物保存地区を中心に散策
 
 実は、前回この町を通った時に、次はぜひここに泊まりたいと思ったが、偶然その願いが叶った。
 宿に荷物を置いて、重要歴史的建造物保存地区を中心にざっと町並み散策をした。
 この内子町は、かつて大洲藩の産業木蝋で栄えた街とのこと。昔は蝋燭は生活必需品だっただけに、その繁栄の様子が良く分かる。

     

     
     
     
      
     
      

     
 夕食は隣のイタリアンレストランで、昨日の誕生祝いを兼ねて豪華にと思ったが、これだけ食べて飲んで2100円と安上がりだった。

 毎日しっかり食べているのに、昨日の段階で58kgと家を出たときより3kgも減っている。この体重は、大腸癌の術後以来だ。毎日、3500kcalくらい消費しているのではなかろうか?

 


6 コメント

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Taさん (法起坊見習い)
2018-03-29 21:09:27
本日は農祖峠ルート、それでは大洲は入れないねー

Taさん、竹さんでしたか85歳になられる 14年前は71歳だったんだ
三坂峠で一緒に弁当食べました懐かしいです
今でもお顔思い出しますょ。
クロカンやってる相変わらずお元気すねー(*^^*)
高カロリー高タンパク (oriai)
2018-03-29 23:19:51
真弓トンネルを山越え(道探し)した人の話を聞いたことがあり、おもしろそうだなと思いましたが、最近のブログでは散々だった!もう道はない!と。歩かないと道はなくなるのでしょうね。

体重3キロ減で思い出しましたが、以前会ったアスリート?遍路さん曰く「カロリー消費分以上に食事を摂らないと体重が落ちていく。体脂肪とともに筋トレしないので大切な筋肉量も減。何より免疫力が落ちるのが心配。だから食事をおろそかにしないようにしている」

たしかにお遍路で体重安定は難しいですね。大切な免疫力のためにバランス良く、高カロリー高タンパク、たくさん食べて下さい!
今日は気温が最高! (ライフ海野)
2018-03-30 00:20:33
今日は全国的に気温が最高に上がったようですが、体調は大丈夫でしたか?出発前より3㎏減ったとのこと、カロリーを十分とりスタミナをつけてお遍路してください。
法起坊見習さんへ (sakag )
2018-03-30 05:01:19
最初の三坂峠でのお接待のときも一緒でしたね。
あのときは、71歳でしたが、今の自分より体力があったかも?
85歳になってもちょっと太られましたが、元気です。ぜひあやかりたいものです。

oriaiさんへ (sakag )
2018-03-30 05:07:39
前回もどんどん体重が落ちていくのが分かりました。
意識して食べているのですが…。肉を意識的に食べなきゃ。

トンネルのところは昔はすべて上の峠を通っていた訳ですから、道はあったはずですよね。歩かなくなれば藪に帰るだけ。昨日の真弓峠は地形図には、道は記載されていました。
ライフ海野さんへ (sakag )
2018-03-30 05:10:19
うんちゃんもお遍路やると痩せれるよ!
まだ、汗を流して歩くだけ暑くはないです。
気持ちのよい春の暖かさです。