癌春(がんばる)日記 by 花sakag

2008年と2011年の2回の大腸癌手術
   ・・・克服の先に広がる新たな春を生きがいに・・・

夕張小天狗~夕張中岳(1泊2日)

2012年05月20日 | 登山・旅行

<翌日登った鋭く聳える夕張中岳をバックに~小天狗岳南峰より>

5/19~20の2日間、藪山仲間の誘いを受けて、自分ひとりでは登れないと思っていた夕張小天狗(北峰1263m・南峰1272m)と夕張中岳(1493m)に登ってきた。

夕張山系の芦別岳の北側、惣芦別川の源流部に鋭く聳える奥深い山だが、この両山を知っている人はかなりの山の通である。なぜならば、どちらも地形図に山名が掲載されておらず、中岳に至っては、非常に目立つ北海道有数の尖峰であるにもかかわらず、標高すらも掲載されていない。その姿は見たことがあっても、地形図でその位置を即座に見つけるのは難しい。しかも、両山とも見るからに峻険な山で、そう簡単には人を寄せ付けない奥深い山である。


<十八線川源流沿いの雪渓を登る>


その存在は知ってはいたが、この山を意識したのは、3年前のGWに同じ山域に聳える松らい山~御茶々岳~槙柏山に登ったときである。その峻険さに自分には登れる山ではないと思って眺めていた。そのときご一緒したすでに夕張中岳には登っている「地図がガイドの山歩き」のsaijyoさんから「そのうちにお付き合いしますよ」と言われていた。彼の経験から、この両山に登るのは、アプローチに雪があって、最後の急な詰めの部分の雪の藪が顔を出すこの時期が一番との判断からこの時期が設定された。

1日目(5/19)<夕張小天狗>
前夜のうちに富良野市の太陽の里キャンプ場に入る。早朝にメンバーが揃い、入山口となる十八番線川から縦走装備で出発。メンバーは、これまで何度もご一緒したことがある藪山仲間の札幌のsaijyoさん、チロロ2さん、チロロ3さん、Ko玉さん、名寄のEIZIさん、旭川のOgiさんと気心の知れた心強い顔ぶればかりである。


<両方ともそのピークを踏んだ小天狗岳の南峰と北峰>


槙柏山と御茶々岳のコルにテントを張って、全員未登頂の小天狗へ。つぼ足で3年前に歩いた極楽平から二つの峰を持つこの山の分岐を目指す。先ずは北峰へ。こちらは割りと簡単な薮漕ぎでゲット。次にコルまで下って、細く急で且つ途中に遮るような岩場もある薮尾根に苦労したが、こちらもゲット。こちらは雪が付いていたら、とても登れる山ではない。まさに薮のお陰である。


<右手前はこの後正面の尾根を登った小天狗南峰、左奥はヒマラヤのアブラマダムのような山容で聳える夕張中岳・・・・小天狗南北峰より>

行動時間12時間弱のハードな1日目は、北見山岳会の熊ぷ~さん以下4名と合流して焚き火を囲んで懇親を深めて終了。

2日目(5/20)<中岳>
一度登っているのでテン場で待つというチロロ2さんとチロロ3さんを以外の9名で登頂済みのsaijyoさんとEIZIさんの案内で夕張中岳へ。


<無風快晴の湿原の先に見える夕張中岳>


自分にとっての核心部は、果たして登れるだろうかと心配していた中岳の斜面より、その取り付き地点に行き着く手前の細い稜線であった。幅が20cmほどしかないナイフリッジの上にハイマツの枝が入り組んでいるだけの上をへっぴり腰の綱渡り状態でようやく越えた。

中岳の斜面は、的確なリードのもと、ピッケルなしにはとても登れない45度以上はある急な雪渓とハイマツ主体の薮を繋いで心配していたよりは楽に登頂。自分にはとても立つことはできないと思っていた頂上から、無風快晴の下に広がる夕張山系や遠く大雪山系や増毛山系などの大展望に酔った。


<みなさんの快心の笑顔・・・夕張中岳頂上にて>


下りの雪渓はやはり怖い・・・仲間の助言をもとに慎重に下る。登りで怖い思いをしたナイフリッジの稜線は大きく下を巻いてパス。無事にテン場へ戻り、重いリュックを背負って、この日も11時間に及ぶ、間違いなく「今年の一名山」になるであろうハードな思い出深い2日間の行程を終了。



<夕張中岳頂上から夕張岳方向の大展望・・・また年甲斐もなく登りたい山が増えてきた>


2日間の汚れと疲れを落としたふらのラベンダーの湯で解散。当初は、翌日は大雪の白雲岳にこの時期にだけ現れるという「幻の湖」の予定だったが、さすが疲れが強い。休息日にすべく、旭川の道の駅へ落ち着いた。

HPへの詳しい山行記録は、帰宅後の5/23の予定。

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
昨日はお疲れさまでした (saijyo@地図がガイドの山歩き)
2012-05-21 19:33:47
昨日はお疲れさまでした。
何事もなく無事に全員が下山できたのは何よりでした。真っ青になる場面も多い山行でしたが、それだけ思い出深い二日間となるでしょう。二度目の中岳ですが、私も間違いなく今年の一名山になるでしょう。すべては皆さんのおかげと、感謝しております。また、藪山仲間の素晴らしさをつくづく感じさせられました。大雪の山行、ぜひとも気をつけて行って下さい。帰着後のUP、楽しみにしています。
返信する
saijyoさんへ (sakag )
2012-05-21 19:57:47
この度もですが、大変お世話になりました。お陰様で貴重な2山ゲットすることができました。
30分で目が覚めることのできた悪夢も含めて、改めて全道を股に掛けた薮山メンバーの素晴らしさに感動しました。
今日は市根井さんの大雪山写真ミュージアムへの表敬訪問で1時間半もの歓待を受け、明日予定の「幻の湖」が消えてしまったことも知りました。
そこで、予定を切り上げて帰路に就き、今は長沼の道の駅です。明日の午前中に帰宅して直ぐにホームページへのアップ作業にかかります。
返信する

コメントを投稿