4:45スタート~16:05ゴール(11時間20分)〈65092歩〉
◎これまでで最もきつい行程で、3ヶ寺を打つ
明日の別格3慈眼寺に行くためには、その根城になる勝浦町の金子やに泊まる必要がある。この宿の手前20kmの間には宿はない。
昨夜の内に、予約を入れたら「相部屋で良ければ泊まれます」とのことだった。次の宿が離れているので、いつも混むらしい。
「薬王寺から行きます」と言ったら、「1日で来れますか?その区間を一気に歩く人はあまり聞いたことがないですよ。もし、6時までに着けないようであれば、電話ください。」と何度も言われた。
単純に40kmくらいという距離だけを考えて電話したが、そう言われて不安になり、地図を見た。なるほど、後半は、標高250の大根峠越え、標高520の21太龍寺、標高480の20鶴林寺と、平地まで下って登り返すので、獲得標高差が1000mほどもある。宿の主人が心配するわけが分かった。
これまででもっともきつい行程になると考えて、暗い内にスタートし、予定の3ヶ寺を打ち、思ったより早くゴールできた。
◎暗い内にスタートし、まずは、20数km先の22平等寺へ
今日のコースはコンビニも食べる所もないので、近くのコンビニで朝の昼のパンとおにぎりを買って、4:45、ヘッドランプを点けてスタート。
30分ほどでヘットランプは必要なくなる。
23薬王寺から22平等寺へのルートは、海岸を行く風光明媚な昔からのルートと、山中の国道55号を行くルートがある。前回はなぜか国道のルートを歩いているので、今回は海岸ルートを歩きたかった。しかし、距離が長いので、やむを得ず、また同じ単調で何も見所もない国道コースを歩いた。
グリーンラインが反対側に移る手前に、このようなお遍路さんを大切にする標識がある。
7:05、星越トンネルを抜けると、阿南市に入る。黙々と単調な国道歩きで、何気なく電子道標を見たら、平等寺への分岐を過ぎていた。戻る近道があったので、5分ほどのロスで済んだ。電子道標には助けられている。
橋を渡り、平等寺への道に入る。
平等寺近くの町の中で、タケノコを車に積んでいる所に遭遇。これらは、加工場の原料として出荷するらしい。キロ250円程度だそうだ。
9:30、23kmを5時間弱で、22番霊場平等寺に到着。
本堂の前から、眼下の市街地を眺める。
◎獲得標高差1000mほどの3回の登り下りの中で、21太龍寺と20鶴林寺を打つ
薬王寺を打ったあと、標高250の大根峠へ向かう。
石垣で土砂崩れを防いでいる。
きれいな竹林の中を通る。所々に猪がタケノコを食い荒らした跡があった。
大根峠には、ネパールで良く目にするタルチョが張られていた。
大根峠から下りて、阿瀬比の集落の遍路休憩所で、外国人の女性が休んでいた。「カメラOK ?」と聞いたら、ポーズを取って応えてくれた。
阿瀬比の交差点には、色々な札所へのコースの案内板が設置されていた。
このそばに14年前は坂口屋という民宿があったが、今は営業していなかった。
太龍寺にはロープウェーがあり、山の上にその山頂の搭が見える。あそこまで登らなければならない。
ずっと舗装された車道の登りだったので楽だった。
仁王門を潜って参道を進む途中にシャクナゲが咲いていた。
12:45、21番霊場太龍寺に到着。
太龍寺からの下りは自然道で非常に急だった。
太龍寺から下って、那賀川の永井橋を渡り、少しの間集落の中を通り、すぐに鶴林寺への道へ入る。
下の方は、農道として利用され、舗装されていた。それが終わってからは、1.3kmの道のりで標高差400m近い急登が続く。登山でもあまりない斜度である。ずっと土留めの階段や石段の道である。
鶴林寺への1km付近で宿から電話が入る。お客さんが来ているとのこと。お接待大師がまた登場したらしい。
直接電話をしたら、お弁当の差し入れを持って来たという。わざわざ松山からである。明日別格3慈眼寺へご一緒したいとのこと。
15:00、予定より早く、20番霊場鶴林寺に到着。
これで、12時間は掛からないで宿に到着てきるめどが立った。
下りは、まさに、表参道といった感じの石畳の道が続く。
下り始めてまもなく、右手眼下に太龍寺からの下りで、永井橋を渡ってきた那賀川のゆったりとした流れと通過してきた集落が見える。
下っていくと、今日のゴール、生名の町並みが見える。
下っていく途中に茅葺きの遍路小屋があった。
16:05、思ったより早く今日の宿、金子やに到着。相部屋と言っても、20畳間に2人だった。普段は4人部屋だそうだ。
お接待大師法起坊見習いさんに電話したら、やって来た。
差し入れのお弁当とは、函館五稜郭の寿司屋谷ふじの「津軽海峡春景色」という寿司弁当だった。
松山の高島屋の北海道うまいもの展で、出店していたので、作らせてきたという。実は、14年前の初対面のときのお接待も、この谷ふじの寿司弁当でビックリしたものだ。
明日、車で案内したいところがあるとのこと。彼は、私と同じでどこでもホテル派である。そばの道の駅で車中泊するという。
夕食~箸を付けてから撮影。8人の久しぶりに賑やかな夕食タイムだった。
明日は、慈眼寺を打ち戻ってゆっくりしたいので、連泊をお願いした。