6:45スタート~15:15ゴール(8時間30分)〈51796歩〉
◎前回最も強烈な印象として残っている空海の世界の国道歩き
前回も同じ区間を反対から歩いている。「修行の道場」とされる土佐路へ入っての初日。とにかく印象に残っているのが、特に見所もなく、人家もない海岸線の国道をただひたすら黙々と歩く。目に入るのは、水平線を境に接する空と海のみ。
空海でなくても悟りの境地になり、修行とは精神的な鍛練なり…と思ったものだ。
今日は夕方から雨予報だった。遅くとも16:00までには宿に着きたかった。
ハイペースで歩くには、最高の区間である。峠越えはなし、分かれ道もなし、迷う心配もなし、寄り道するところもなし、よって、地図を開いてにらめっこする必要もない。
いつも歩くときは時速5kmで歩いている。それを維持して歩き続ける最高のコースである。
結果、休んだり、トイレに寄ったりしたが、38kmを8時間半でゴールした。平均時速4.5kmで、記録更新となった。
◎まずは、室戸岬遊歩道を抜けて、中間地点の佐喜浜まで。
朝食を食べ、お接待でお守りをいただき、6:45スタート。
国道までの遍路道は、非常に急で、最初から最後まで、石畳と石段の道だった。
国道に出た所から、海岸に続く乱礁遊歩道を進む。前回は、もっと岬近くにある観光化した遊歩道を楽しんでから、最御崎寺へ上がっている。
この岩は「エボシ岩」。納得の形である。
道端に咲く、見たことのない木の花
昨日までも海岸で良く目にした花
「ヒシャゴ岩」~マグマが地層に水平に貫入して固まっものがその後の地殻変動により、ほぼ垂直に回転したもの。
この岩には「おさご」という絶世の美女にまつわる悲しい伝説もある。しかし、名前の由来は、ネットで調べてみたが分からなかった。
2011年に室戸岬世界ジオパークに指定されているので、いろいろな説明板があちこちにある。
遊歩道を出た所に立つ大きな青年大師像
朝の内は、太陽が顔を出し、曇り空ながらも海がキラキラ光っていた。
国道から海が見えない所は、堤防の上を歩いた。
鹿岡鼻に立つ夫婦岩
途中の砂浜にサーフィン場があり、土曜日なので賑わっていた。
10:30、ほぼ中間地点の佐喜浜の集落に入る。今日唯一、国道と別れて旧街道へ。
漁港の先には、旧街道の雰囲気を残す家並みが続いていた。
しかし、その先の佐喜浜川に架かる橋が老朽化のために通行止めになっていた。国道へ出て、ガソリンスタンドでトイレを借りた。
◎そのあとは、野根の集落まで人家もない中、ちょっと遊びも入れて、黙々歩く
佐喜浜を抜けて、少しして地図を見たら、その先には、集落もなく店すらない。佐喜浜の国道には、コンビニと食堂もあったようだが、戻るのも億劫なので前進。
ひたすら空海の世界を黙々と歩く。向かい側から来る歩き遍路さんとの出会いが楽しみ。暇なので数えてみたら、24名に会った。その内外国人は5名だった。外国人は女性の独り歩きが多い。
12:05、高知県最東端の東洋町に入る。
数年前に核廃棄物処理場に手を挙げて、町長がリコールされたことで有名になった町である。
前回も海に降りて休み、貝殻拾いをした砂浜への降り口を見つけた。
砂浜には、前回同様、いろいろな貝殻がたくさん落ちている。今回も一種類ずつ拾ってカメラに収めて遊んだ。
しばらく進むと、法起坊見習いさんがコメントに書かれていたゴロゴロ石休憩所に到着。
この地名は、海岸にゴロゴロした石が多く、昔のお遍路さんが歩きづらくて、とても苦労したところに由来するらしい。
法起坊見習いさんお勧めの海岸に降りてみた。確かに、波に洗われて、非常に円磨度の高い丸い石が多かった。
14:10、野根大橋の向こうに佐喜浜以来の野根の集落が見える。
へんろセンターの売店で売っていた「土佐名物、天皇陛下献上品・野根まんぢゅう」総本家があった。まさか、こんな小さな集落で作られているとは思いもしなかった。
一番小さな8個入り(435円)を買った。へんろセンターで買わないで良かった。
すぐそばの海への斜路で、遅い昼食代わりに一気に食べた。
今日泊まる東洋町は、大きなサーフィン場で有名なところである。だから宿が多い。
土曜日なので、今日の宿にサーファーのグループが泊まっていないことを祈った。
宿の手前の駐車場はサーファーで賑わっていた。
雨が振り出したばかりの15:15、民宿谷口に到着。サーフィン場から一番離れている宿のせいか、泊まり客は、他にお遍路さん1名だけだった。今回初めてのパジャマというのもうれしかった。
夕食は、ブログもほぼ打ち終わっていたので、もう一人のお遍路さんと女将と3人でお喋りしながらゆっくり食べた。初めて耳にしたグレの湯通しした刺身が出た。2食付きで6000円。
今強く降っている雨は、朝には止むらしい。