2名を除いて全員60~70代の昨日の登山メンバー
この標題は、現在副会長を仰せつかっている北海道退職組織の機関誌に4回にわたる連載を依頼され、自分で決めたものである。すでに、登山のことは原稿を提出済みであるが、残りの3回は、歩き旅、スキー、ジョギングで執筆する予定だ。
以前に、百歳を超えてもなお元気だった双子姉妹の妹のぎんさんは「人は足から死ぬ」と話されていて、そうならないように自分も元気で歩き、自分の子供たちにもそれを促していたそうだ。
周りにいるお年寄りを見ても、元気な人は足が丈夫で、外を出歩いている人が多い。自分の趣味である上記の4項目は、いずれも足腰が丈夫であるがゆえに続けられることであり、その世界で出合う高齢者には認知症の人は見たことがない。
昨日の登山会で同行させていただいた20人のうち、18人は60~70代だった。しかも女性が半分の9名。自分が紹介したルートではあったが、特に弥五兵衛岳から二股岳への東尾根は、登ったという人はネット上では目にしたことがない。自分も下っているだけである。そこを含めて、アップダウンを繰り返すハードなロングコースを9時間も歩き続け、誰も遅れることなく踏破できたことに感激した。
今までにいろいろなスーパー高齢者を見てきたが、昨日、いまだかつて見たことのない類の怪物さんに出会った。上掲の写真の前列左端の男性を見ていただきたい。ほぼ全員が毛糸の帽子の上からヤッケのフードをかぶった完全武装なのに、ただ一人無帽で、しかもヤッケの前を開けている。この格好で、雪混じりの強風の中を最後まで歩き続けた。しかも、つぼ足で、手にはストックではなく、片手にプラスチックのスコップを持ち、手こずる急斜面でステップを刻んだり、皆さんの面倒を見ながら歩かれていた。この方が74歳というのだから驚いた。冬山山行ではいつもこのスタイルとのこと・・・。自分ならとっくに凍傷になるか低体温症で死んでいる。
自分も「健脚」だとか「鉄人」などと言われることは多いが、自分の趣味の世界で出会う怪物さんと比べたらまだまだヒヨコである。
三浦雄一郎さんのようにエベレストには登らなくても、80歳を超えてもなおかくしゃくと登り続けている人が多い。自分が創設に関わったHYML(北海道山のメーリングリスト)にも、体力やバランスが必要な沢登りをまだみんなと一緒に続け、見た目も体つきも絶対60代後半で通用する80歳になる室蘭の愛称「山じい」がいる。この4/1に有志がニセコの山荘に集まって傘寿の祝いをすることになっている。
スキーの世界でも、ゲレンデスキーでは、自分もコーチを務める函館ライフスポーツのメンバーも凄い。平均年齢は71歳だが、最高齢84歳が数名いて、毎回講習会に参加している。
そのスキー場でいつも出合う元同職でスキー指導員の大先輩、89歳のHa氏はまさに怪物さんだ。シーズン券を買って、ほぼ毎日車を運転してスキー場に通っている。「ゴンドラの階段を登るのが一番辛い。ここを登れるうちは滑れる。車の運転だって、スキー場へこうして来ているから続けられる」と言いながら、颯爽とほとんどノンストップで滑り下りている。
クロカンスキーで出合う怪物さんは、国内最長85kmに90歳で参加している旭川スキー連盟副会長のSi氏だ。今年と昨年は完走は叶わなかったが、88歳の一昨年までは毎年完走し続けていた。来年は距離が少し短い60kmに参加するそうだ。
歩き旅で出会った怪物さんは、四国遍路の時に出会った85歳のお遍路の男性。「どこかにステーキを食べれる店がなかったですか?2日に1回はステーキを食べないと調子が悪い」と話されていた。なお、その時に数日間一緒に歩いたひと回り上の北広島のスーパー健脚大師ことTa氏も凄い。現在84歳だというのに、まだクロカンスキーの大会に出場して、毎年出会うことが励みになっている。これらのほかに、自分が参加する数回のマラソン大会でも80代はおろか90代の方を目にすることがある。
だいたい、この類の人は健啖家で、食欲が旺盛である。自分も食欲がなくなったときは死ぬ時だと思っている。せめて、好きなものを長く食べ続けるためにも元気で長生きしたいものである。