癌春(がんばる)日記 by 花sakag

2008年と2011年の2回の大腸癌手術
   ・・・克服の先に広がる新たな春を生きがいに・・・

高野山町石道(高野山~九度山駅)〈27km〉

2014年05月28日 | 登山・旅行
《165町石近くの展望台から紀ノ川沿いに広がる九度山町などの広がり~ずっと山中ばかりだったので、思わず深呼吸をした》

高野山町石道(ちょういしみち)は、聖地高野山への表参道である。その道しるべとして建てられたのが町石で、高さ3mを超す五輪搭形の石柱が、根本大塔を起点として慈尊院まで180基、奥の院の弘法大師御廟まで36基建てられている。

当初は卒塔婆を立てたが、鎌倉時代に花崗岩で造ったらしい。現在は道も整備され、古道歩きのハイキングコースになっている。標高差はざっと700mである。

6:00、宿を出て、まず昨日歩いた奥の院までの町石道の並ぶメインストリートを歩く。


6:50、1町石の立つ根本大塔入口のそばから実質的なスタート。


7町石の立つ大門を潜って林の中の町石道を下る。初めの内はひとつひとつ町石を確認しながら下ったが、その内に気にしなくなった。ただ30町ごとのペースを計りなから下る。だいたい50分前後だった。

弘法大師にまつわる伝説のある「鏡石」「押上石」「袈裟掛石」などの説明板を読みながら下る。


8:45、60町石が立つ国道と交差する矢立集落へ下りて行く。ここには昔の茶屋があったらしいが、今もあった。しかし、営業時間が9:30からだった。

まさか登りがあるとは思わなかった。矢立から7kmほどはアップダウンを繰り返えしながらも概ね登りだった。


9:30を過ぎた辺りから下から登って来る人たちと出会うようになる。合計30人ほどもいた。帰りはケーブルカーやバスで下れるので、日帰りハイクに人気があるようだ。

笠木峠を越えて、ほぼ中間の90町石辺りから、左側にゴルフ場が広がる。古道歩きにはそぐわないロケーションだ。


10:10、神田地蔵堂に到着。ここにも悲恋伝説があるようだ。水田風景が広がる。


10:30、「二つ鳥居」に到着。丹生明神と高野明神の鳥居で、もともとは弘法大師が木で建てたものを改修して来たが、1649年に現在の石造りにしたらしい。

東屋があり、眼下に広がる天の里の田園風景を眺めながら、30分程の昼食タイム。ここが660mほどの最高地点であとは下りとなる。


みごとに掘れた道にも1200年の歴史を感じる。


やがて、柿畑の中の急な下りが続く。柿畑は初めて目にするような気がする。花が終わって小さな実ができ始めていた。

柿畑の中の一段と高い所に展望台があった。紀ノ川流域に広がる大展望が見事だ。

直射日光で35℃にもなっている暑さの中、膝が笑うような柿畑の中の急な下りに汗が吹き出る。


12:55、1町石からほぼ6時間で、180町石の立つ慈尊院に到着。


180町石をカメラに収めたあと、国宝になっている弥勒菩薩坐像が祀られている弥勒堂に、この旅で初めて手を合わせ、賽銭を入れて旅の無事を感謝した。
ギラギラと暑い中、九度山駅までの1.5kmの歩きが辛かった。途中の道の駅で町石道の展示などを見る。


13:45、10日間に渡る200kmの歩き旅のゴール、九度山駅に到着。

電車で、新今宮の馴染みの激安ホテルへ。まずは、着るものがなくなったのでホテルのコインランドリーで洗濯。その間にビールで安着祝い。一番風呂にも入ってさっぱりして、ブログを打つ。

これから、夕食を兼ねて天王子まで歩き、妻ご所望のお土産を買いに…。

熊野古道9日目(小辺路)・大股~水ヶ峰~高野山〈17km〉

2014年05月28日 | 登山・旅行
《熊野本宮からの小辺路のゴール、高野山の根本大塔付近》

いよいよこのたびの熊野古道(中辺路~小辺路)のラストウォークの17kmである。

今日も1150mの水ヶ峰と980mの薄峠を越えた。二つ登りの標高差の合計が900mほどと、小辺路に入って4日連続同じような登山モードが続いた。昔の人は凄いと改めて思わされた。

昨日の15時頃から降り続いた強い雨も、朝には上がった。


7:30、宿の車で昨日との古道の接続点となる大股バス停まで送ってもらった。ここからスタート。

県道から古道の入口へ取り付く。一気につづら折りの急登が続く。

8:30、平辻で舗装された広い林道に出る。その辻に、道標地蔵が立ち、本宮までの距離を14里半と書いてある。自分が歩いてきた距離だ。

そこから4kmほどは一部を除き、林道歩きが続く。林道造成で消えてしまったらしい。


途中から、右に水ヶ峰、左に三百名山巡りで登った護摩団山が見える。


林道から離れて古道を進むと左に墓、右に防風林だった杉の巨木が見えてくる。その先が、1150mの高さにある水ヶ峰集落跡だった。明治の中頃まで、8軒もの宿があり、非常に賑わったそうだ。

今日の最高地点の水ヶ峰を越えると標高差450m下って、薄峠への300mの登り返しとなる。


その下りの途中に小さな大滝集落がある。3日振りに携帯が繋がった。幸い東屋とトイレがあったので、休憩して、溜まっていた2日分のブログを送信した。

さらに下って、御殿川の橋を渡って薄峠への登りに掛かる。川の上には集落跡の遺構が残っていた。


その上には、「是よりかうや山エ四十丁 くまの本宮エ十七り」と刻まれた丁石道標が佇み、弘法大師坐像が浮き彫りにされている。


12:30、急な登りを終えると薄峠。あとは高野山を目指して平坦な道を行く。


道端には北海道の山では見られないツツジがずっと付き合ってくれる。


13:30、スタートしてちょうど6時間。ゴールの高野山へと入って行く。一番手前の金剛三昧院はシャクナゲで有名なところだが、残念ながらもう終わっていた。

メイン通りへ出て、今日の宿「高野山ゲストハウス」までバスに乗る。乗客は外国人ばかり。


昨年オープンしたばかりという今まで見たことのない中央両側に上下2段の小さな個室が並ぶアメリカンスタイル?の快適なカプセルホテルのような感じだった。部屋は寝るのには十分な広さで非常に落ち着く感じ。寝具が素晴らしく寝心地は最高だった。だだし、初めから外国人を対象にした宿のようで、泊まり客のほとんどは外国人ばかり。表示も英語はかり。

3800円という値段がうれしい。ほかの宿泊施設は宿坊ばかりで1万円以上する。

高野山は3回目だが、泊まるのは初めてだ。シャワーを浴びて、着替えをして、2時間以上掛けてあちこち見て歩いたが、とても廻りきれる広さではない。


まずは、宿の近くの奥の院へ。


杉の巨木の中の奥の院への両側には50万基以上の墓が並ぶという。全国の大名の墓がほとんどあるという。そのほとんどは巨大なものばかり。


総本山金剛峰寺。この高野山には117の寺院がある。


苅萱堂

ずっとあちこち見て廻り、宿へ戻って、お勧めの店で夕食を摂る。生ビール2杯飲んだら眠くなり、ブログは翌朝書くことにして、バタンキュー。