頂上から黄瀬萢(おうせやち)湿原を見下ろす。右奥が最大の黄瀬沼。後ろの山は乗鞍岳。
今回の山旅の最後の山は、南八甲田の最高峰櫛ヶ峰。観光地化して、俗化の感をまぬがれない北八甲田に対して、自然豊かで静かな玄人好みの山行が楽しめるとのこと。確かに、長年、登山道の刈り払いや枝払いなどは一切されてなくて、登山道も実に自然豊かでワイルドだった。猿倉温泉から旧道コースを往復した。実に長い悪路のコースだった。
事前の情報で覚悟はしてが、前半はそれほどでもなかったが、後半は、登山道を覆う笹や木の枝や幹が顔の辺りでクロスしているので、それを手で除けたり、腰をかがめて歩いたりとストレスが大きい。藪漕ぎではなく、藪潜りの連続。ときおり現れる湿原で深呼吸をして、また、潜っていくといった感じの歩きが続く。
おまけに足元がぬかるんだり、水溜りがあったり、滑りやすかったりと悪路の連続。下を気にして歩いていると、斜めに伸びている木の幹に頭をぶつける。これほど木に頭をぶつけた山行はない。下に水溜りがあるところで、行きで、こめかみの辺りをしたたかぶつけた木の幹に、帰りも頭を強烈にぶつけた・・・悔ジイ!また、水溜りを避けようとしたが滑って、四つん這いの格好で水溜りの中に落ちた。カッパを着ていたので助かったが、悪戦苦闘の連続だった。一番快適に歩けたのは、3時間ほどして通過した黄瀬萢湿原の木道の上だった。急な登りは、最後の標高差150mくらいで、登ったというよりは辿り着いたという感じだった。
しかし、頂上からの展望は全方位が見渡せるすばらしいものだった。眼下に色がる黄瀬萢湿原、津軽のシンボル岩木山、十和田湖の向こうに岩手山、北八甲田の山々、青森湾と青森市街地、一昨日登った戸来岳と十和利山などなど。
5:15スタート、登り4時間15分、下り3時間50分、ゴール13:50。行動時間8時間35分の長丁場だった。
下山して、猿倉温泉に入る。ここのお湯が、昨日入った十和田湖温泉郷の湯元となっているとのこと。9kmのパイプで源泉80℃のお湯を送っているらしい。数軒の大きなホテルもあった。かなり多くの湯量が沸いているということだ。酸ヶ湯温泉で腹ごしらえをして、フェリーターミナルを目指した。18:00発、21:50着のフェリーが取れた。2週間ぶりの我が家はもうすぐ・・・。
木道の敷かれた黄瀬萢湿原から櫛ヶ峰を見上げる
途中の湿原越しに一昨日登った戸来岳と十和利山を眺める
津軽のシンボル岩木山と津軽平野
北八甲田の山々
十和田湖と岩手山
陸奥湾と青森市街地