タンポポが咲き誇る季節になった・・・我々にとって一番身近な野の花といったら、このタンポポ(蒲公英)であろう。どんなところでもたくましさ咲く繁殖力の強さとその明るさにおいて、敵う花はないだろう。
身近ゆえに、子供の頃の思い出は多い・・・。
ままごとのご飯、首輪作り、茎での水車作り、お化けタンポポ(数本の花茎が癒合した「帯状奇型」)探し、綿毛を吹き飛ばす遊び・・・風の強い日に綿毛を飛ばして、どこまでも飛んでいく様子を眺めるのが、好きだった。
星野富弘さんは、タンポポの絵とともにこんな詩をつづっている。
いつだったか
きみたちが空をとんで行くのを見たよ
風に吹かれて
ただ一つのものを持って
旅する姿が うれしくてならなかったよ
人間だってどうしても必要なものは
ただひとつ
私も余分なものを捨てれば
空をとべるような気がしたよ
私も空を飛べる日がくるかな。
あと、一番不思議だったのが、小学生の運動会のときに脹ら脛にこの花を擦りつけて汁を塗ると、早く走れると言われ、みんな脹ら脛を黄色くしていたこと・・・あれは、一体何だったのだろう?あと、綿毛が耳に入ると中耳炎になると言われたこともある。
身近で見られるタンポポの殆どは外来種のセイヨウタンポポらしい。在来種もあるらしいが、よほどその気になって探さなくては、見つけることができないようだ。見分け方としては花の下の総苞片が反り返っているのが外来種で、反り返ってないのが在来種だそうだが・・・。
学生の頃、本州には白いタンポポがあると聞いて驚いたことがあるが、松前の龍雲寺の境内で見ることができる。関東以北ではここでしか見られないそうだ。(昨春撮影)