つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

お客様のギャラリー

2022年11月13日 | 日記・エッセイ・コラム
昨日までの1週間もあっという間に過ぎました。



先日ご来店の際、「お納め致しました作品を飾ってくださっているご様子を是非拝見したい」と私がお伝えすると、お忙しい中、早速お仕事場の画像を撮影してくださったお客様がいらっしゃいます。

藤島武二のミニ作品と佐藤忠良のブロンズ。









山口薫作品と金山平三作品。

一つのお部屋の別別の壁にそれぞれの作品をお飾りくださり、その時々の成すべきお仕事の内容によってご覧になる壁、作品をかえているとも教えてくださいました。

緊張感を伴う朝にはキリッと金山を、少しホッとしてこの部屋に戻られた時には優しい山口薫を。。

そうしてお過ごしくださっているのだと思います。


お納め致しました作品が、それぞれの「場」を得て、その作品としての役目を果たしていること。

お客様それぞれの孤独を癒し、前へと進まれる元気をお届け出来ていることを知る事は、この仕事をする私どもには大きな励みになります。

このお客様がコレクターとしてとても素敵なのは、その作家にとって「良い作品」と今のご自身にとって「良いと思う作品」の色分けを瞬時になされ、その他のこと、つまり一緒に作品と暮らされるご家族のお気持ちやご予算のことを鑑み、「欲しい」という感動や衝動を大変理知的にコントロールされるところだと思います。



私達はただ安心して、作品をご覧に入れるだけで良いのです。
私達をさえも「大人」でいさせてくださいます。

金山平三の「柘榴」、あのキレキレの作品を毎日毎日こうしてご覧くださっているこの方が、「大石田の雪」を当店でご覧くださり「金山平三はこんなに優しい絵を描くんだ」とおっしゃってくださいました。

そして更にじっくりご覧くださり、「どこを見ても良い絵で、次々に感動の手がかりを探してしまう」とお褒めくださいました。

又、ご一緒にいらしてくださった奥さまが「こんなに雪が温かいなんて」とお伝えくださったことにも感動し、このお二人のお言葉はきっとずっと忘れる事はないだろうと佐橋としみじみと話合いました。





作品達だけでなく、当店にお通いくださるお客さま方の美術品に対する敬意と愛に多くを学び、私どもはまた店を開かせていただく力を得させていただきます。



先週ご来店、ご連絡、お便りをくださいました各お客様に心よりお礼を申し上げます。

まことにありがとう存じました。














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