つれづれ

名古屋市内の画廊・佐橋美術店のブログ

高山辰雄展

2018年06月20日 | おススメの展覧会、美術館訪問

17日の日曜日には、二人で上京し、世田谷区立美術館さんに伺って参りました。

人間・高山辰雄展 森羅万象への道。

先にお出かけになられたお客様がお勧めくださっていましたが、

なかなか予定が立たず、とうとう展覧会最終日になってしまいました。

展覧会の図録を頂いていましたので、大体の展示作品は把握していたつもりでしたが

やはり高山辰雄作品です。

絵葉書や図録では、まったく味わうことのできない独自の世界。

 

 90歳を過ぎても、その探求心と筆の力に衰えを見せず、

絶筆作品を含む、展示最後の室内では

この作家自身が以前から考えていたとおり

高山辰雄の魂がとうとう大いなる宇宙、自然と一体化し、空気中に浮遊しているように感じられました。

 

高山辰雄の作品は

この世は全て「動いている」「過ぎている」という感覚を一瞬に鑑賞者に与え

その生死の哀しみを、わずかな温もりで共有しようとする強さに満ちています。

古径のような厳しさでなく、土牛のような謙虚さでなく、高山は高山の強さで私達を抱いてくれるのです。

「自然を描く」から「自然と一体化する」道を、高山は人間として常に探り続けたのだろうと思います。

 

 

画家91歳の作品「雨」

雨が激しく降る一日に

この二つの傘は、今日の私には、私と妹。

そう感じられます。

 

 

 

 

 

 

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