あを雲の涯

「 二、二六事件て何や 」
親友・長野が問う
「 世直しや 」
私はそう答えた

後顧の憂い

2017年11月30日 14時54分28秒 | 後顧の憂い

「姉ハ・・・・・・」
ポツリ ポツリ家庭ノ事情ニツイテ物語ッテ居タ彼ハ、
此処デハタト口ヲツグンダ、
ソシテチラリト自分ノ顔ヲ見上ゲタガ、
直ニ伏セテシマッタ、
見上ゲタトキ彼ノ眼ニハ一パイ涙ガタマッテ居タ、
固ク膝ノ上ニ握ラレタ両コブシノ上ニハ、二ツ三ツノ涙ガ光ッテ居ル
モウヨイ、コレ以上聞ク必要ハナイ、

 

後顧の憂い

目次
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貧困のどん底 
靑年將校がみていた 當時の社會 「 兵隊に後顧の憂いがある 」 
・ 
後顧の憂い 「 姉は・・・」
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後顧の憂い 「 何とかしなけりゃいかんなァ 」
・ 
「何故に此の様な行動をする様な理由になったのか」 
・ 
昭和十一年正月 
・ 「 芋のつると麦こがすで飢えをすのいでおったです 」

後顧の憂い 「 お前は必ず死んで帰れ 」

・ 
凶作民 『 六萬余の窮民に衣類足袋を配給 』 
・ 
娘身賣り 1 『 賣られる最上娘 』 
・ 娘身賣り 2 『 娘を賣る 悲慘な二戸郡 』 
・ 東北大飢饉 (一) 「 子供たちは、とてもひどいボロを着ている 」
東北大飢饉 (二) 「 國のために勇敢に戰って、いさぎよく戰死しろ 」
東北大飢饉 (三) 「 切手の不足税6錢の金がないばかりに 」
・ 
東北大飢饉 (四) 「 人間を食うのは昔の人ばかりではない 」

わしも一人の息子を満洲の兵隊へ出しているだが、
こないだも手紙で言ってやっただ、
國のために勇敢に戰って、いさぎよく戰死をしろ、
とな。
そうすりゃ。
なア おかみさん、
なんぼか 一時金が下って、
わしらの一家も この冬ぐらいは生き伸びるだからな。
娘を持っているものは 娘を賣ることが出來るだが、
わしは、
息子しか持たねえから、
そうして 息子を賣ろうと考えてるだよ・・・・


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