嶋津隆文オフィシャルブログ

嶋津隆文オフィシャルブログ

道筋が間違っているのではないか

2007年09月02日 | Weblog

国立市政には驚くことばかりです。
行政としての議会手続きを知らないのではないかと愕然としています。
まちづくりを本気でやるつもりがないのではないかと暗然としています。

一昨日(8月31日)に突然、市から「基本方針案」なるペーパーが各市議に配られました。私は昨夜(9月1日)に見ました。「国立駅周辺まちづくり基本方針」(案)だというのです。A4ペーパーでたった4枚。

しかしもしそうだとすると、これは駅周辺整備で初めて公式に出される国立市の行政としての方針となります。こんな粗末な内容で、百年の大事業(上原前市長の表現)の基本を決めてしまうのは明らかに間違っています。あれは単なる作業指針メモでしたと撤回してくるのを祈りたいほどです。

(手順の2つの問題) まず手続き面での問題が2つあります。
第一にこの4枚のペーパーは、平成16年の北沢報告の表現がそのまま採録されています。これを市の方針とするということなのです。市長は、このたったの4ページものを本格的な議論もなく議員への手渡しか一方的報告だけで済まし、それで百年の計の基本方針をオーソライズしたというのでしたら、明らかに市民と議会を愚弄しています。

②駅周辺まちづくりについては、一方で基本計画案づくりを8月20日(議会の予算承認も受けず!)に北沢東大教授たちを集め依頼しました。数ヶ月かけて精力的に計画案をまとめて欲しいとのことでした。その一方で基本方針案なるものは市自身であっという間にメモ書き的にまとめてしまうというのです。この手軽な姿勢は明らかに協議会の作業を愚弄しているというべきではないでしょうか。

(内容の2つの問題) ついで内容面での問題が2つあります。
方針案の内容である事業6項目は追ってみて驚くというものです。南北道路は「整備します」といっています。当然のことです。南口の広場用地も総研線跡地の活用も「整備します」といっています。しかしポイントの南口公共施設用地の活用は「検討します」、高架下の活用では「西改札口は検討します」、何よりも一番大事な財政フレームも今後「検討します」というのです。一般的に行政の「検討します」表現は極めて後ろ向きのメッセージです。こうした大半が不作為的な方針をハナから認めよというのですから、市長も無思慮です。

幾度も言うように行政の計画というものにはスケジュールと財源は不可欠の要素です。それが明確でなければ市民も議会も事業の適否は判断できないからです。今回手渡された市の案には、基本方針とはいえその認識は全く示されていません。ポンチ絵以下というばかりです。あえて注目してよいのは、「(事業実現には)民間活力を導入し、投資額を事業効果全体で吸収することを前提に、基本計画で検討する」と記してあること位でしょうか。

何にしても駅周辺のまちづくりをいい加減に考えてはいけません。215億円の大事業です。道を間違えば国立は確実に第2の夕張です。議会や市民を侮ってはダメです。皆が心配するスケジュールや財政措置(事業費と財政スキーム)を誠実に示してこそ、責任ある首長といえるのです。作業メモのようなものを基本方針案として出してくるようでは危ういばかりです。

それにしても市議会にあっては、ここまで無視や軽視され続けながら、メモ書き的な基本方針案や事実先行した協議会予算案を無条件で認めてよいのでしょうか。国立の将来のためにも、議会の本来的役割を示す意味でも、ここはじっくりと議論をしてほしいものです。
この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« もう一度指摘しておきたい駅... | トップ | 国立の夏は朝顔の街にしよう »
最新の画像もっと見る

Weblog」カテゴリの最新記事