嶋津隆文オフィシャルブログ

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渥美線、渥美半島と外界をつなぐ鉄路の物語

2015年01月09日 | Weblog

【田原市博物館】

豊橋鉄道の渥美線は豊橋と田原を結ぶ18kmの鉄道路線です。大正13年(1924)に開業してから今日まで、渥美半島と豊橋、さらに遠くの地域(外界)を結ぶ基幹のパイプとして、その役割を果たしてきています。

今年が開業90年となることを機に、この渥美線の企画展を田原市博物館が開催しました(12月6日~2月1日)。もちろん一年前に完成した田原の新駅舎がかの安藤忠雄のデザインで大いに話題になったことも開催の理由です。

それはともあれこの渥美線には戦前、半島の先端・伊良湖岬まで20km余が引かれる「まぼろしの渥美線」が予定されていました。昭和11年に閣議決定され昭和16年の完成目途でした。しかし昭和16年には太平洋戦争が勃発し、資材確保が困難となって挫折してしまうのです。

この延伸の理由は3つです。一つは先端にあった陸軍の伊良湖試射場への物資輸送を図ること、二つは渥美半島の地域振興を進めること、そして三つは何と伊勢神宮参拝への連絡が謳われたのです。

戦後70年経ちました。この渥美半島の先端の地域の衰退を考えるとき、かえすがえすも惜しまれてならない「まぼろしの渥美線」というものです。

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