嶋津隆文オフィシャルブログ

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「住基ネット」シンポで国立市の無法性を考える

2010年02月13日 | Weblog

写真: 国立 谷保天満宮

国立市が、住基ネットを切断したのは平成14年の12月のこと。そのため市民は大きな不便を強いられています。いい加減に接続すべきと13日の今夕、国立市の芸小ホールで「住基ネット」シンポが開かれます。そこで改めてこの問題点を整理しておきます。小難しい内容でしょうが、ちょっと我慢してお読み下さい。

住基ネットは国と自治体を専用回線で結び、行政事務の効率化や住民サービスの向上をめざすとして発足した制度です。全国の自治体で実施され、現在その接続を拒んでいるのは、全自治体1,774の内の、わずか2自治体(国立市、矢祭町)だけです。

ネット切断は市民に大きな犠牲を強いるものです。例えばパスポート申請時に住民票を、他の自治体と違ってわざわざ国立市役所に取りに行かねばなりません。国税の電子納税システム(e-Tax)による税額控除も受けられません。何よりも多くの高齢者にとって辛いことは、年金の現況確認書を、市役所まで届けに行かなくてはならないのです。その数、1昨年だけでもパスポートで住民票取得件数が5,355件、年金の現況届が2,680人にも上っているのです。              

住基ネットをめぐる状況は、この制度が発足した9年前と比べ大きく変わりました。平成17年には個人情報保護法が制定され、情報漏えいへの防止義務が課せられました。平成20年には最高裁が「情報が第三者に漏れる危険は生じておらず、プライバシー権は侵害しない」として「住基ネットは違憲ではない」と判決しました。国立市議会も平成20年に住基ネット接続せよとの決議を行い、さらに国と東京都はネット切断は違法状態にあるとしてその接続を求める是正要求を出しています。

マスコミもこの違法状態の国立市に不信を隠しません。読売新聞は、住基ネット切断で住民のメリットを崩しているとし、「違法状態は早期に解消せよ」(21年2月15日)と社説で指弾しました。日経新聞も、国から違法と指摘されたままで市が放置するのはおかしく、「(国立市長は)嫌だから嫌だとすねている子供にしか見えない」(21年3月2日)とまで酷評しました。ちなみにその論説委員が今夜のシンポの基調講演者です。

それにもかかわらず、国立市は一向に接続の姿勢を見せません。このように住民を無視し社会全体を敵に回して、つっぱる自治体とは一体何なのでしょう。立法(国会)にも司法(最高裁)にも行政(国や都)にも無視を続ける態様は、もはや法治国家としての体をなしません。無法地帯を生む自治体と称されても、これは仕方のないことなのです。

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