嶋津隆文オフィシャルブログ

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幕末に米国に渡った渥美の漂流漁師たちと郷土史家

2013年06月10日 | Weblog

写真:「怒濤の果て」(山田哲夫著)挿絵

ふと時間の空いた8日土曜日の午後、田原市の生涯学習講座「古文書を読む」へ顔を出しました。崋山会館の一室。講師は山田哲夫。テキストは「漂流聞書」。

嘉永4年(1852年)に漂流し、米国の捕鯨船アイザック・ハウランド号(写真)に助けられ米国に渡った渥美半島は江比間の漁師たち。「漂流聞書」とは、その稀有な運命を帰国した彼ら漁師から聞き書きした田原藩の記録集です。

実は山田講師は、この記録集を基に、ジョン万次郎と同様な体験を持ったこの地元の漁師たちの足跡を、『風濤の果て』(門土社)というタイトルで数年前に出版しました。その本の密度の高さは圧倒的です。

彼らの足跡を追ってハワイに、ボストンに、そして対馬などへと懇切な調査を試みたこの著書には、往時の歴史と日本人が持った新鮮な驚きと苦渋が活写されているのです。

文化は継承されなくてはならず、またそのためにはしかるべき知的人物が居なくてはならない。そう感じ入って、郷土史家山田哲夫講師の熱のこもった講座を拝聴したものです。

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