ホンダが2015年からのF1復帰を発表しました。マクラーレン・ホンダがサーキットに戻ってくる。わくわくするような朗報です。ものづくり日本の象徴となり、停滞する日本活性化の起爆剤にもなることでしょう。
さらに私にとっては息子がホンダの技術者で、米国ホンダに滞在しているだけに、息子のうれしそうな顔も目に浮かぶというものです。
ところでこの朗報は、私にもう一つの感慨を呼び起こしました。アイルトン・セナ。伝説のF1ドライバーです。彼は1991年の日本GPでは、ホンダのエンジンで年間個人総合優勝を決めました。しかし1994年の5月、レースで激突し死去。34歳。
そのセナの眠るブラジルはサンパウロの墓地を訪れたのは、まさに同じ1994年の5月のことです。芝生の広がる広場の中央の一本の木の下に、花束に埋もれてセナの墓がありました。間違いなくブラジル全国民の惜涙が滲み広がっている。そう感じたものでした。
それにしても英雄とは、常に悲劇と同居しているのかも知れない。そんな呟きを同行した同僚が口にしていました。もう20年も以前のことなのに、F1という言葉を聞くと、直ちに鮮烈に思い浮かばれる光景なのです。