写真:「商店街に人の影も声もない」撮影本人(4月21日午後4時)
福島県の南相馬市の南、小高地区の放射能の警戒区域が1年ぶりに解除されたと聞き、居ても立ってもおられず、先週末の21日(土)に福島の浜通りへ車を走らせました。
1年間の立ち入り禁止の空白時間があっただけに、小高地区には震災時そのままの倒壊した家屋や、津波に押しつぶされた建物、車が随所に残されていました。地震の苛烈さに改めて胸が痛みました。
しかしこの写真に写る小高の商店街通りに立った時は、今まで味わったことのない緊張感で慄然としたものです。この長い商店街通りに人影がないのです。右左の建物も静まり返り人の気配が全くなかったのです。
崩壊した建物には目に見える怖さがあります。しかし放射能は目に見えないだけに、その恐怖は無限になります。小高地区の現地に立って、その地の空気を吸って、放置された軒先を見て、改めて原発災害の底なし地獄を味わうと言うものです。
滞在すること3時間。東京に帰宅して早速に被服と車を洗い流しました。しかし現地の人々は、簡単に放射能灰など洗い流せません。その絶望的な状況が容易に分かるだけに、人影の見えない通りには帰宅を迷う人々の怒りが充満していたとものと記さずにはおられません。