写真:「国譲りをした大国主が祭神の出雲大社」
連日の酷暑にネをあげ、ぼんやりとテレビに目をやると「ケンミンショウ」が放映されていました。お国自慢をネタとする、なかなかの人気番組のようです。
それを見て、島根県出身の知人とビールを飲みながらの先日の話をふと思い出しました。島根の県民性を示して何とも微笑ましいもので、一人で楽しむには惜しいと思い、ここに載せることとします。
20年ほど前の10月、全国の神様が集まる出雲で、全国のまちづくりの神様を集めるという全国大会が開かれました。それに参加した夜、居酒屋で地元の男たちが次のように大声で語っていたのです。いやあ驚きましたよと、私はその知人に話しました。
「この前の戦争で戦艦大和が沈んだ時、出雲では、大和が負けた、大和が負けたと人々は大いに喜んだというのです。1000年、2000年来の怨念がいつまでも消えることはない。そう親たちが言っていたと」。
ハハ、そんなバカなことはありませんよねと言うと、くだんの知人は笑いもせず、何とこうノタもうたのです。
「それは当然です。竹下登が総理大臣になった時などは、何で今さら国譲りをした大和の国の、しかもその首相なんかに出雲の人間がなるんだ。大和の総理なんか辞めてしまえ。地元では出雲人の誇りを捨てた竹下登に対し、非難轟々だったのですよ」。
思わずのけぞって、大笑いしてしまいました。一体どこまで続いているんだ、出雲の国と大和の国の戦いはと。それから再び出雲自慢に花が咲き、時空を超えたエピソードを幾つも楽しんだ次第です。県民性とは文句なく魅力的なもののようです。