嶋津隆文オフィシャルブログ

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稀代の首長・黒澤丈夫上野村村長を哀悼する

2011年12月26日 | Weblog

写真:「上野村役場の前に立つ銅像」本人撮影

朝起きて新聞を開き、黒澤丈夫村長の訃報に接し(12月22日逝去)、思わず声を挙げてしましました。ああ、とうとう亡くなってしまわれてしまったと。

520人の犠牲者を出した日航墜落の現場で大混乱する中、優れた陣頭指揮を執り、遺族からも日航からも深く信頼されたといわれた人物です。海兵を出て零戦のパイロットとして終戦。戦後、全国で最長の10期40年を村長として過ごし、全国市町村会の会長にも就きました。

3年前の夏、御巣鷹山の慰霊の塔にお参りに出かけた際、アポも取らず、村のご自宅を訪問しました。墜落事故処理だけでなく、平成の合併時に、反対を声高に唱えていた黒澤村長の存在は強烈であり、その生の話しを何としても聞きたかったからなのです。

折悪しく風邪で伏しておられたのですが、わざわざ起きてこられ30分ほどお話しを伺うことが出来ました。はじめは心もち静かな会話でしたが、話題が合併に及ぶや、熱を帯びて政府批判を展開されました。

「こんな山村(人口1300人余)で合併したら、少子高齢化の中で住民はとても生活していけなくなる。近くで助けてくれる人がいなくなる。合併は、都市を中心とした投資効率に捉われた暴論であり、人口の少ない山村や離島は無視されることになる」。

お話しを聞きながら、ああ、もし可能であればこの人の伝記を書きたい。そう思わせる気迫と歴史が伝わってきたものでした。享年97歳。大往生とはいえ、やはり惜しい人を失ってしまったと嘆かずにはおられません。


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