嶋津隆文オフィシャルブログ

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国立市は“ならず者”の無法国家なのか?

2009年05月25日 | Weblog

写真:5000項目採録の「行政大辞典」

出版社の㈱ぎょうせいから執筆を依頼され、この半年の間、ひたすら作業を進めてきた「行政大辞典」の原稿が、今日脱稿しました。実に解放的な気分に浸っています。私の分担は250項目。「道州制」など手慣れた地方自治に関する事項が大半ですが、1項目を1000字弱でまとめるのですから、単純計算で25万字という相当の執筆量となりました。

この「行政大辞典」は全巻が6巻で5000項目も採録している、膨大な行政情報データ集です。そもそも霞が関の、各省庁の担当者が組織的に執筆していたものですが、今回はほぼ10年ぶりの改定で、地方自治体の視点からリニューアルしようというものでした。

それだけに中央集権の立場でなく、地域のことはその住民が決めるという地方自治こそ、これからの社会のメルクマールだとの観点から私も加筆したつもりです。しかしそうは言っても、国家=悪者、地方=正義といった単純な構図に拘泥している、例えば国立市のような自治体の存在に気付き、作業の手が思わず止まってしまうというものでした。

国立市長が、個人情報が漏えいし国民総背番号制にも結びつくとして、住基ネットを切断して既に8年。その間に国会は個人情報保護法を整備し、最高裁も昨年に「住民の情報は漏れてはいない」と判決しました。総務省も東京都も、住民に不便を強いるからと接続の勧告を再三出しました。それでも国立市長は地方自治を楯に拒否し続けているのです。

読売新聞も、年金の現況届提出やパスポート取得時の住民票添付不要といった住民のメリットを住基ネット切断で崩しているとし「違法状態は早期に解消せよ」(2月15日)と指摘しました。日経新聞も、「(国立市長は)嫌だから嫌だとすねている子供にしか見えない」(3月2日)と評しました。国立市議会ももちろん、接続すべしとの決議をしています。

かように社会全体を敵に回して、つっぱる革新自治体とは何のでしょう。こうした無法地帯を創出する自治体の例を見ると、国際社会の批判を無視して拉致問題もミサイル発射もよしとする、どこぞの“ならず者”国家と二重写しになると言っては過ぎるでしょうか。

そういえば数年前、国立市長は「無防備都市宣言」の採択を図り、議会で否決されるという事件もありました。この宣言をすれば、北朝鮮がわが国をミサイル攻撃しても、国立には攻撃しないということでした。まさに語るに落ちるというものです。

こう、あれこれ考えると、せっかくの脱稿の解放感も、たちまち踏みつぶされてしまうのですから、何とも釈然としないというものです。


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