Yuhiの読書日記+α

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ガリレオの苦悩

2009年04月11日 00時16分48秒 | 小説
東野圭吾著「ガリレオの苦悩」を読了しました。探偵ガリレオシリーズの第4弾で、先日読了したばかりの「聖女の救済」とは同時刊行されたものです。ただ、「聖女~」とは違い、こちらは短編集となっています。何となく懐かしさを感じたのですが、それは初期の頃の作品とパターンが似通ってるからだったのですね。
初期の頃のこのシリーズは、短編で、物理学者の湯川が、物理学に基づいた知識を使って難事件を解決するというパターンでした。今回、まさにそれが戻ってきたんだなーと思うと、ちょっと感慨深いものがありましたね。

とは言え、以前と全く同じというわけではありません。本書では、湯川自身や学生時代の恩師、友人たちに降りかかってくる事件が多く、その影響で少しずつ湯川の人間性や内面が見えてきました。
以前は、物理の事にしか興味がなく、人づきあいも苦手な変人で、友人と言えば草薙刑事しかいないんだろうなーと思っていたのですが、本書を読んで、ちょっとイメージが変わりましたね。
彼だって、ごく普通の人間であり、逡巡したり悩んだり苦しかったりするわけです。それが本書のタイトルにもつながってるんだろうなーと思います。
湯川のそういう一面が明らかにされることによって、ますますガリレオシリーズは人気出るでしょうね。

で、肝心の内容ですが、5つの短編から成り立っています。
どれも湯川の才能がいかんなく発揮されていて面白かったのですが、私が一番面白かったのは、「攪乱す」というお話。いつもは警察から依頼されてしぶしぶ動くというパターンの湯川自身が、犯人からターゲットにされてしまうというのが見ものです。

それと、今回は草薙刑事よりも内海刑事の方が目立ってる感じがしました。というか、湯川の相棒は内海刑事になりつつあるような・・・。これってやっぱりドラマの影響でしょうねぇ・・・。ドラマ化される前は内海刑事なんて、影も形もなかったわけですから。女性刑事がいた方が女性ならではの視点で見ると違ったものが見えることも多いので、面白いのは事実ですが、草薙さんがちょっと可哀そうな気もしました。