Yuhiの読書日記+α

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黒影の館 建築探偵桜井京介の事件簿

2009年04月07日 00時23分46秒 | 小説
篠田真由美著「黒影の館 建築探偵桜井京介の事件簿」を読了しました!本作は、建築探偵シリーズの本編では第14作目となります。作者さまは、当初からこのシリーズは全15巻であると明言されていますので、残るところはあと1冊というわけですねー。わくわく。

確かに本作を読むと、ラストに向かって、これまでにばら蒔かれた様々な伏線を回収し、シリーズ最大の謎である「桜井京介」の過去についてもとうとう明らかになりはじめました。(でも全部ではないので、残念・・・)
まだお読みでない方のために、詳しくは書きませんが、桜井京介の本名や、彼の実家、親・兄弟・親戚縁者などなどが登場します。
また、神代さんと京介との出会いや、門野氏との関わりも明らかになってくるので、シリーズを読んでいる人にとっては、必読の書となっています。
また、これまでの作品の場合、シリーズものとは言え、順番をバラバラに読んだり、その1冊だけを読んでしまっても、とりあえず内容にはついていけたと思いますが、本作だけはそうはいきません。まあ、この作品だけを読む人というのはそうはいないと思いますが、万が一、たまたま手に取ってしまった人がいた場合、ちんぷんかんぷんな内容になってしまっているでしょうね。
それくらい、過去の作品との絡みが多いので、できれば一度復習してから読んだ方が楽しめると思います。実際、私もかなり忘れてる所があって、思い出しながら読んでいたので・・・。

で、今回の作品を読んで思ったのは、篠田さんはゴシックロマンっぽいものが合ってるなーということ。暗くて厳めしく曰くありげな旧家に、怪しげな登場人物たち・・・と、ごく普通の現代ものを描くよりもずっとイメージが湧いて、雰囲気が出ていたと思います。今作も推理ものとしてはイマイチぴんと来なかったけど、作品としては、なかなか楽しめました。

何はともあれ、このシリーズもあと1冊。京介の謎も、明らかになったように見せて、まだもう一段あるようですし、すっごく気になりますが、ずっと待ってやっと辿り着いたわけだし、あと1年程、頑張って待ちたいと思います。