Yuhiの読書日記+α

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被害者は誰?

2007年09月07日 00時28分22秒 | 小説
貫井徳郎氏の推理もので、短編4編からなる作品です。
 ・「被害者は誰?」
 ・「目撃者は誰?」
 ・「探偵は誰?」
 ・「名探偵は誰?」

タイトルを見てもわかるように、普通の推理小説とは一風変わった作品です。
どこが違うかというと、通常であれば、探偵(あるいは警察)が犯人を探します。
が、この作品では、普通の作品であれば、最初から明らかな「被害者」や「目撃者」あるいは「探偵」を探すのです。

こういうパターンの作品は、あとがきにも書いてありましたが、パット・マガーという人の作品に多く見受けられます。
有名な作品では「探偵を探せ!」や「被害者を探せ!」「七人のおば」などがあります。(タイトルも似てますよねー)
私はこれらの作品を昔読んだことがありましたけど、それでもやっぱり「えー!」と驚かされるところが結構ありました。
(何となく分かってしまった話もありますけどね)

そして、この作品は、登場人物もまた個性的で面白いんです。
4編とも、警視庁捜査一課の桂島刑事と、その学生時代の先輩で、ミステリー作家である吉祥院慶彦が登場します。この作品の中では、桂島刑事がワトソン役で、吉祥院が名探偵役となるわけですが、この吉祥院がかなり規格外の性格で面白い。
眉目秀麗・頭脳明晰でずば抜けたカリスマ性を持った人物・・・なんだけど、性格は悪いし態度はデカい。身の回りの整理整頓は全くできず、後輩である桂島を呼び出して、掃除させたりして、思い切りこき使うという、とんでもない人物なのです。
この二人のやり取りが面白いのと、文体も平易で読みやすいので、最近あまり本を読んでない私でも、スイスイと読み進みました。

普通の推理小説に飽きた方や、一度も「探偵を探せ!」のような作品を読んだことのない方は、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか?