福井利佐blog

切り絵アーティストの日々

札幌巡回展2日目

2008年05月21日 | 過去のBLOG記事

5月10日。天気は晴れですが、やはり寒いです。
夕方からオープニングがあるので、それまでに設営を完全にしないと!

昨日の足りない物を、マネージャーの増賀さんが
午前中からハンズに買い出しに行ってくれました。その間に、昨日問題になっていた
「たらちね」の原画展示の配列をあらためて見直しました。

おしゃれなギャラリーなので、おしゃれなボサノバなどの曲が流れていて、
みんな夢うつつな状態でいまいち配置がピンときません。
そこで、音楽を変える事を提案したら70~80年代の洋楽ヒット曲が
たたみかけるように流れてきました。選曲の意外さに驚きつつ、
「懐かしいー!」と言いながらテンションが上がって来た市川さんと旦那。

おかげでそこからはさっきまで悩んでモタモタしていたのが
信じられないくらいのスピードで一気に設営完成しました!
ヴァン・ヘイレンの「ジャンプ」が流れたときなど、
危うくジャンプしそうな勢いでした(笑)。
後で、何のCDだったのかギャラリーのスタッフの方に聞いたら「R35」でした。
なるほど。本当にR35達が敏感に反応していました。「R35」ってすごい(笑)。

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大きさや色のもの、配列が一番悩まされたこちらの壁が無事完了。
ライトは控えめにしたので、浅草のときよりも色つきものの影が美しくみえると思います。


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(株)インプロバイドの方達が壁のパテ埋めをしくれています。


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こちらは『幽玄美of能』シリーズの展示。手前は「あじさい」。
季節を意識しました。札幌で初公開の作品です。私が大学出たての年に、
アルバイトで働いていた日本料理屋で展示させていただいた作品です。
あの頃は、バイトの帰りに港区の図書館によって資料を探したりしてました。懐かしい。


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左の「ヘビクイワシ」も札幌のみの展示になります。
この作品はスペースシャワーTVの酉年の年賀状用に制作された物です。
3年くらい前でしょうか。


今回、札幌のみの展示が新たに加わりました。ショップに展示してある
「January-February」(インコ)、「あじさい」「ヘビクイワシ」の3点です。
実は喜ばしい事なのですが、浅草の展示でほとんどの作品が売れてしまい、
札幌で販売のできる作品が限られてしまったのです。しかも、事前に、
画集の中から「あの作品は売っていないのか?」などの問い合わせがありました。

前回、4年前の個展でも札幌の方に結構買って頂いたので、申し訳ないなあと思い、
今回の他の作品との趣旨の合う作品を増やさせていただきました。
浅草の展示のときも「たらちね」の原画の方はまだ残っているし、
値段も低いのでそちらをお勧めしたりしたのですが、
みなさん「せっかく買うなら。」という気持ちから大物の方を希望されるんですねー。
嬉しいことです。ありがとうございます。

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そして、設営が完了したので昼ご飯。北海道といえばスープカレーです。
私、実は初めて食べます。辛さが10段階くらい選べましたが、
私はとりあえず一番辛くないのにしました。本当にスープなんですね。
飲めます。野菜もゴロっと入っていて美味しい事この上なかったです。


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残りの細々とした作業が残っているため、市川さんを始めスタッフは作業に戻りました。
夕方のレセプションまで私の強い希望で
アイヌ文化交流センター「札幌ピリカコタン」へ行く事になりました。
アテンドは昨日もお世話になった、高田さん。車をだして頂きました。


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展示の様子。ここでは触れるし写真撮影もOKということで、
実物が手に取れて感触を確かめられます。
奥の青いジャンパーの方がスタッフの方でわかりやすく説明してくれます。


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文様。同じアイヌでも住んでいる地域で文様が違うそうです。魔除けの意味もあります。


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鹿の膀胱。水筒や氷嚢などの役割です。熊や牛などより大きいそうです。


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アイヌの民族楽器トンコリ。すべての部位が女性の体になぞられています。


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野外の展示も。「チセ」とよばれる住居です。


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中にも入れて、イベントでここで料理をしたり体験するよう実際に使われています。
外見よりも広く感じます。床の間的な祭壇の空間もあります。


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熊を入れておく檻です。


時間がなかったので、全部をさらっと見る事しかできませんが、
とってもよかったです。高田さんありがとうございました。


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そしてオープニングがはじまります。このギャラリーはビルに入っているので、
ビルの入り口に素敵なポスターが登場しました。


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オープニングの様子。4年前、私がライブカットという無茶なパフォーマンスをした時に
撮影をしてくださった小池さん(左)。4時間くらいかかってしまい、
腕も痛くなり大変な事になりました。もうしません。


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大勢の方がきてくださいました。ありがとうございます。


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この日は特別に DJの方に音を流して頂きました。
hiroki onodera(NERVE)さんとsen'oryuta(provo/synapse)。売れっ子さんたちです。


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釣り下がっています。


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サインとか。


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お花やお手紙もいただきました。ありがとうございます。


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2004年の「平和の旗」プロジェクトでお世話になった上遠野先生もいらっしゃいました。
小田井さんもありがとうございました。私が札幌に呼ばれたはじめての企画展であり、
OKIさんとの出会いの場にもなりました。上遠野先生は彫刻家であり、
札幌市立高等専門学校の教授でもあります。ここの学校の生徒さん達はがんばっております。
今回の企画を担当してくれた猪熊さんも卒業生だし、
お手伝いしてくれたインターンの子達もそうです。先生がすばらしいからだと思います。


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その猪熊さん。4年前の個展のときもいらして下さったそうです。
その時はまだ学生さんだったということなのですが、今や立派に企画を運営されています。
今回は4年前の個展の時に来てくれた方も多く、とても嬉しく感じました。
高田さんもその一人です。前回観客として見に来て下さった方達が、
関係者として今回の私の個展を支えてくれたのです。本当に嬉しいです。感謝しています。


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DJの音が一旦止み、「たらちね」の映像が流れた後、
生け花のパフォーマンスが始まりました。M8M FLOWER の小倉隼人さんです。


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お皿がのせられ水が注がれます。


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事前に編んできた木のオブジェを設置します。


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そこに百合を生けて、できあがりです。素敵。かっこいいです。ちゃんと
「たらちね」を見た上で考えて来てくださったパフォーマンスです。ありがたいです。


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この日はスタッフの方みんなお団子ヘアに白シャツで揃えていました。


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小倉さん。パフォーマンスは色々な所でやっているらしく、
トークなんかも落ち着いていらっしゃいます。
やはり「たらちね」の中にも登場する「百合」が気になったようです。
聖母マリアの象徴だったり、「純潔」という花言葉だったりする事が
お話の中の「母」を意味しています。しかも明日が「母の日」だったということもあり、
絶妙のタイミングでした。花屋の小倉さんはこの後徹夜だったみたいで申し訳ないですが…。
お疲れさまでした。


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お花も展示に加わりさらに素敵な空間になりました。


この後、東京・中目黒にある卓球バーの札幌支店へ打ち上げに行きました。
札幌在住の切り絵を作られている方2人が参加されて、
いろいろな切り絵への動機や制作方法をお話ししました。
みなさん頑張られていてとても刺激になりました。

最終日へつづく…。


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