今回は制作に1ヶ月以上かかってしまいました。
といっても1点ではなく、10数点といったところでしょうか。
気合いが入りすぎたのか下書きだけで手が痛くなりました(笑)。
こちらは出版物に使用されます。また詳しい事がわかりましたらお知らせします。
終わりがなかなか見えませんでしたが、何とか無事終了することができました。
ギリギリで納品すると、その日のうちにシンポジウムに参加すべく静岡県立大学に行きました。
こちらが素敵な静岡県立大学。
今回、私が参加する事になったシンポジウムは、
静岡県立大学の20周年記念イベントとして開催されました。
静岡県立大学は緑豊かな丘にあり、隣に静岡県立中央図書館、
またすぐ隣に静岡県立美術館があります。
さらに丘の入り口には静岡県埋蔵文化財調査研究所なるものがあります。
この4機関は近い場所にありながら何も接点を持とうとしていなかったようで、
それではいけない! ということでこの丘を「文化の丘」と設定して、
何回か集まって話し合う機会を設けるようになったそうです。
今回は大々的に、静岡県立大学の大講堂にて
【皆でつくろう“文化の丘”シンポジウム】となったわけなんです。
そこで静岡出身の切り絵作家である私に声がかかったのです。
事前に関係者の方に東京までお越しいただいて打ち合わせもしたのですが、
前日まで制作の事で頭がいっぱいだったため、控え室で次々に紹介される学長、美術館長、
図書館長、研究所次長という顔ぶれににわかに緊張してきました。
挙げ句の果てに、静岡県知事の石川嘉延さんまでいらっしゃり、緊張はピークに。
しかし、みなさん気さくな方々で気軽に話しかけて下さり、
控え室は出演者が揃って和やかなムードになりました。
特に県立大学の西垣学長は
「ぎちぎちな台本にとらわれてはおもしろいディスカッションにはならない。
それでは学生の耳には届かないから、台本など気にせずざっくばらんに話しましょう!」と
開けた感じの方なので、とても安心しました。
静岡県立大学は前身が静岡薬科大学という薬学を専門としている大学なので、
いわゆる理数系、理詰めなイメージがあったので堅苦しいディスカッションを想像していました。
しかし、学長さんのこのお言葉で「県大も大丈夫だ!」と
勝手に県大の行く末さえも見えたような気がしました(←大げさ&余計なお世話)。
そして、開学記念シンポジウムが開催されました。
今回は、何と初の試み!私の切り絵とチェロのコラボです。
チェリストである青嶋直樹さんが私の作品からイメージした曲を選曲して下さり、
生演奏が行われたのです。2曲演奏していただきました。
マイクなしでも響き渡る哀愁のある音色が、不思議と私の切り絵とマッチして
とても素敵な時間でした。選曲していただいた曲は何百年も前のものだったりしたのですが、
私の切り絵がそれっぽく見えてくるので不思議です。
青嶋さん本当に短い時間での制作ありがとうございました(しかも私の出身校の先輩でした)。
演奏の様子。バックに何枚かの作品をプロジェクターで映しました。
操作していただいた学生さんお疲れさまです。ありがとうございました。
その後、地元の風土記を研究されている高木桂三先生のユーモアのあるお話と、
再び青嶋さんの共演。高木桂三先生は静岡の「茶摘み歌」をたくさん調べていて、
青嶋さんとともに披露して下さりました。とても興味深いお話でした。
その後石川県知事のお話。石川さんが県知事になる前に関わった4機関での思い出話や、
文化の丘への期待をお話し下さいました。
石川県知事です。
その後、最後にパネルディスカッションとなりました。
全体の様子。
進行は西垣学長です。トップバッターで私に質問がきたので最初は緊張してしまったのですが、
その後は他の方の興味深いお話も聞けて落ち着いてお話できました。
学長は臨機応変にお話をまとめ、次の方にお話をふり、
それをまた別の方に投げるといった進行で、とても柔軟に対応して下さいました。
同時に色々な話題に対応できる博学さにも感心しました。
みなさんがとてもいい方で、こんな小娘の話をちゃんと聞いて下さり、
作品の感想を言って下さって大変恐縮でした。話もそれぞれの体験談を交えながら
「文化の丘」に絡めてうまくまとまったような気がします。
パネルディスカッションというものに初めて参加しましたが、とても楽しく有意義な時間がおくれました。
今回は、私が出演していた番組をたまたま御覧になっていたという西垣学長が、
「私が学生の頃、美術館ばかり行っていた」という話を聞き、
「こんなに近いのに、学生生活4年間で県立美術館に一歩も足を踏み入れない生徒がほとんど。
内にこもりがちな学生にもっと外に目を向けてほしい!」との希望で、
自分たちがそれを説くよりも、学生の年齢に近く現在活躍されている方にお話ししていただく方が
聞き入れやすいのではないかとの期待を寄せていただき、参加させていただきました。
ご期待に添えられたのかどうかはわかりませんが、今回で私の事を知ったという方が多いと思うので、
私が話した言葉というのは今後私がもっと活躍する事で、
より一層の説得力を増すのだろうなと感じ、心が改まる気持ちになりました。
私の創作活動にもより励みになりました。学長をはじめ関係者の方々、本当にありがとうございました。
西垣学長。学生の事を本当に親身になってお考えです。
生意気盛りで喋っている様子。
右から、静岡県埋蔵文化財調査研究所次長 佐野五十三さん、
静岡県立中央図書館館長 天野忍さん(私の出身校の校長先生を勤めていた方でした。)、
静岡県立美術館館長 宮治昭さん、私。
楽しそう。
この日はシンポジウムが午後だったので、午前中は芹沢銈介美術館、
お昼は県立美術館でNHK静岡さんとの打ち合わせに行ってきました。
芹沢銈介美術館はロシア国立エルミタージュ美術館からの帰国展が開催されていました。
やはり世界に認められる芸術家だと改めて思いました。
生前パリでも大々的に展覧会を行った際、
芹沢先生は会場のミニチュアを作って全ての作品配置を構想し、
庭に展示場の壁を立て、部屋ごとの細かいレイアウトも
実際に布を並べながら何度も何度も行ったそうです。今回もミニチュアはありましたが、
芹沢先生が生きていらしたらどんな展示になっていただろうなあと思ってしまいました。
(管理していたご長男も最近お亡くなりになりました)。
なんせ、芹沢先生は世界各国の民芸品を蒐集していたのですが、
その日の気分によって夜中でも思い立ったら倉庫からひっぱりだしてきて
部屋の中のレイアウトを総入れ替えしたりする「超」こだわりの方なのです。
それも晩年の頃のお話で、すでに高齢だった頃。
つき合わされた奥様はとても大変だったとか…。
そんなこんなであっという間に楽しい静岡タイムが終わり、東京に戻りまして、
待っていただいていた次の雑誌用作品の制作。
西垣学長からいただいた茶香炉。常滑焼きです。
お香を焚く私には本当に嬉しいお土産です。
芹沢美術館でお買い物。また「福」の字のお買い物。
今回はテーブルクロス。代表作である縄紋のハンカチ。美術館DVD。
作家の個人美術館はその作家の精神が感じ取れるのでとても好きです。
24日の【DEBLI project】のオープニングにその編集者の方に来ていただき、無事納品となりました。
今回はかなり危ない橋を渡りましたが、やりきった感があってとてもすがすがしい気持ちです。
29日までの【DEBLI project】。195人の作家が参加している愛知万博の不要作品再生プロジェクトです。
私の作品は写真ではうまく写らなかったので現場でどうぞ。
とにかく多いのでみつけられるかな? オープニングは大混雑でした。
お知らせです。
4月23日売りの女性誌SPRINGにて私のインタビュー記事載っています。
今回は久々のブログでてんこ盛りでしたね(笑)。