福井利佐blog

切り絵アーティストの日々

お伊勢参り

2008年09月25日 | 過去のBLOG記事

三重県にある伊勢神宮へ参ってきました。
9月の頭まで絶え間なく仕事があり、ちっとも出かけられなかったものですから、
どうしても少し遠出をしたくてたまりませんでした。
やっと一段落し、無事に「お伊勢参り」してこれました。よかった。

なぜ伊勢に行ったかというと…、
本来は「伊勢型紙」に興味がありそちらを見に行くことから始まりました。
今年の個展を機に、伊勢型紙屋さんの紙をお取り寄せして、
作品を制作する事が多くなってきたので、
是非実際にお店を見たいと思っていたのです。聞きたい事もありましたし。

で、せっかく伊勢に行くのだから「一度は行ってみたい伊勢参り」ですよ。
朝の5時からお参りできるそうなのですが、
それはちょっと厳しいのでとりあえず6時に起きて、
前日入りした名古屋から近鉄線で伊勢へ向かいました。

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JR伊勢市駅。近鉄線とつながっています。
「お伊勢さん」には外宮(げくう)と内宮(ないくう)の2カ所があり、
小規模の外宮から参りました。


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早速素敵なお池。「勾玉池」です。この壇上の後ろに大きな池が広がっています。
6月は菖蒲がきれいだそうです。


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鴨。


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手水舎で清めたら、一の鳥居をくぐりお参り開始です。

外宮は衣食住の神「豊受大御神(とようけおおみかみ)」をご正宮として、
ほかに4つの別宮があるので順番にお参りします。
参道の中央は神様の通る道だそうで、みなさん端を歩きます。
衣食住の神だけあって、毎日のお供え物は全て神宮の自給自足の品です。
畑も田んぼも海の一部も所有しています。


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あ、途中、「亀石」が!本当に亀だ!(左側が頭)。
小川にかかる橋なのですが、近くに本当の亀もいました。


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コチラの先が正宮です。木の真っすぐで大きいこと!


自然に囲まれてまったりと歩き、お次はバスで5km離れた内宮へ。
外宮は人がまばらだったのですが、本命のこちらは賑わっておりました。
隣接した「おはらい町」や「おかげ横町」は
すでにお参りを終えた人達で道がいっぱいでした。
お参りはせず、ここだけに買い物や食事に来る人もいるそうです。

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さてさて、川にかかる約100mの橋。これを渡る事によって俗から聖に入ります。
なんだか浮世絵に出てくるような風景です。こちらの橋も20年に1回、架け替えるそうです。
お社だけではなくて、すべて変えるんですね。


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宇治橋の鳥居をくぐって、内宮に入ります。


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橋を渡ってしばらく歩くと川があります。
御手洗場(みたらし)だそうで手を洗って清めます。


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水がきれいで鯉もいました。


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内宮は太陽神「天照大御神(あまてらすのおおみかみ)」がご正宮でこの先です。
写真は階段の下からのみです。


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隣の敷地には3年後の式年遷宮を控えた場所が囲われています。
3年後はこちらになるのですね。


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内宮は外宮より規模が大きく、敷地内には様々な別宮や建物があります。
外宮もそうですが、それらの建物が3年後に移動すべく
まったく同じ大きさの敷地が隣にありました。


私、この後も色々な所で鯉や鶏などを必要以上に撮ってしまい、
カメラのバッテリーが切れてしまいました(笑)。
白鷺もいたし、遠くでかわせみも見ることができました。

「おはらい町」や「おかげ横町」にも行き、
内宮から少し離れたとこにある「猿田彦神社」にも参りました。

建物はそろそろ20年近くになり、屋根が苔むしたりして
いい感じに古くなってきていましたが、
3年後にはまた建て替えてつるっつるっのピッカピッカになるんでしょうね。
見たいなー。混みそー。

なんやかんやと時間がかかってしまい、
本来の目的である伊勢型紙屋さんには閉店ギリギリにたどり着きました。
(電車の特急でも1時間かかるところにありました。)
でも、いろいろお話も聞けたし、紙も見れたし、
様々な伊勢型紙を使った切り絵作品もみて満足しました。
本当は、同じ市に伊勢型紙の博物館もあるのだけど、
こちらはお店よりも閉館時間が早く断念しました。
次回に持ち越しです。

ちょっと1日に詰め込みすぎましたが、いい息抜きになりました。
ちょうど3連休の間に行ってしまったので混んでいて、
移動時間などにロスがあったので、次回は平日に来てゆっくりしたいなあと思いました。
最終近くには東京に戻り、あっという間に現実に引き戻されました。

* * * *


【関連記事】
息抜き




口琴Tシャツ

2008年09月19日 | 過去のBLOG記事

久々にTシャツを作らさせていただきました。
以前もブログでチラッとご紹介しましたが、「口琴」という楽器にまつわるものです。

10月12日と13日に「第一回国際口琴フェスティバル in 東京 月」なるものが
開催されます。こちらの関連グッズで、オフィシャルTシャツともいうべきものでしょうか?

日本口琴協会の会長、直川(ただがわ)さんと以前から顔見知りだったため、
絵柄を切り絵で作らさせていただきました。こちらのイベントは渋谷O-nestで開催され、
主宰は高円寺のライブハウス「円盤」さんです。
日本口琴協会の定例会コンサートが毎月行われている
「円盤」さんの5周年企画でもあります。おめでとうございます。
Tシャツは当日現地にて発売されますが、事前予約をすると少しお安いようです。

2種類あります。白地に紺の絵柄と赤地に黒の絵柄です。

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こちらが私が制作した現物写真。
伊勢和紙を使用していて、アイヌの着衣や日本の藍染めの色「紺」で制作しました。

世界には色々な口琴があり、毎年「世界口琴フェスティバル」が
口琴の盛んな地にて開催されています。
そこで、その国独特の口琴表現がされたTシャツが売られており、
直川さんは口琴グッズは何でもコレクションしていて、Tシャツも数多く所有しています。
そんな中、「是非『日本の口琴』というテーマで制作したい。」とのご意向で、
こちらのデザインになりました。

このデザインの源は、氷川神社で発掘された平安時代の鉄口琴です。
それ自体は錆びていて音を出す事はできないのですが、江戸時代には大流行し、
幕府から禁止令がでたほど人々を魅了する音色。
しかももっと遡り平安時代にもあったという口琴。どんなだったんでしょうねえ。
そんな思いをはせて作りました。

口琴の音は鳥や熊の鳴き声、風や水の音を表現したり、
恋愛のことを奏でたりしているそうです。
そういった音色の部分と日本に存在するアイヌのムックリや鉄口琴の「びやぼん」、
鍛冶屋さんの制作風景、ムックリの演奏風景を織り込みました。
絵柄は実在の人物をモデルにしています。たくさんの資料を送って下さったり、
鍛冶屋さんに写真を撮りに直川さんが行って下さったりして、
直川さんがとても協力してくださいました。ありがとうございます。

詳しくはこちら

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そして、バックの首元にはこちらの文字と、発掘口琴の写真が入っています。
文字は口琴の音色をイメージしデザインしました。

ライブに行けそうな方は是非記念にどうぞ!

* * * *

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口琴
札幌巡回展2日目
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初審査員

2008年09月16日 | 過去のBLOG記事

何年前でしょうか。6~7年くらい前に知り合ってから大変お世話になっている
フォトグラファーの笹口さんからお声がかかり、
ファッション誌「Harper's BAZAAR」(日本版)の撮影に緊急参戦してまいりました。
笹口さんとは、作品撮りなどで(能をテーマに6作品制作)
ご一緒させていただいていましたが、そういえばまだお仕事はご一緒していませんでした。
夏前くらいからご一緒出来そうな雰囲気があり、ついに実現しました。
しかし日にちがなかったので量よりも質に重点を置き、制作させていただきました。
(要するに数を少なくしたという事です。)
だってなんてったって「Harper's BAZAAR」ですもん。

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撮影風景。バックの時計は私の切り絵を投影しているもの。
この日の朝に切り上がった作品をお渡しし、午後のモデルさん撮影までに、
笹口さんは私の切り絵を撮影しておいてくださいました。
ビューティーのページなので、モデルさんのバストアップの後ろにチラリと見える予定。
しかし、外人のモデルさん美しいー。お人形さんみたいです。
私の作品が使えてもらえて本当に嬉しいです。出来上がりが楽しみです。


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笹口さん(右)と。
かっこよくて美しい写真をお撮りになり、広告、雑誌を中心に活躍されています。
笹口さんに指摘はされましたが実感がなく、
夏中インドアだった私の色の白さをこの写真で知りました(笑)。
笹口さんは沖縄焼けです。

私は2カット目が終了した所(全部で6カットあるとか)で
スタジオを後にして新幹線で静岡へ。


翌日は、こちらでも告知させていただいた「静岡新聞広告賞2008」の審査の日でした。

審査される側から、審査する側になったのです。驚き!私が審査員になるのです。
私以外の審査員の方々は毎年審査している方達で、
審査委員長のコピーライターの眞木準さんを始め、
静岡新聞社の常務とか局長とかトップクラスの方たちばかりです。

集合時間ぎりぎりに着いたものの、
タクシーの方が入り口につけてくれた建物は違うらしく、建物の周りをぐるぐる走り
2棟向こうの「防災センター」という入り口から入り、
わけがわからないまま微妙に遅刻の状態で会場入りしてしまいました。
す、すみません(汗)。みなさん、お待ちかねでした。
さらっと顔合わせをして、早速審査開始です。
まずはここ一年間の静岡新聞に掲載された企業の広告からです。
広い会議室にずらっと並べられた105点の広告からどんどん選んでいきます。
順々に数を絞って行くのですが、その都度、
審査委員長の眞木さんが的確な指示を出して下さり、
今回の傾向や感じた事、今求められるべき事を述べて下さり、とても勉強になりました。
その上でみんなで意見を出し合い、決戦は大接戦になりましたが、
みごと「浜松モザイカルチャー博2009」協会の告知広告が最優秀賞に輝きました。
おめでとうございます。

午後は一般公募作品です。昨年の応募作品は15点だったらしいのですが、
今年は68点と一気に増えました。しかも力作揃いで本当に悩みました。
テーマが来春の富士山静岡空港にちなんで「静岡県の空」だったので、
静岡ならではの事柄がふんだんに入っていて思わず興奮しました(笑)。
こちらも大接戦の末、「羽衣の時代から、空の玄関でした。」の
高橋敦さんに決定しました。おめでとうございます。
三保の羽衣伝説を取り入れていてなんだかロマンチックです。
一般公募作品の方はコピーライトが素晴らしいのに
ビジュアルがもう一歩、という作品が多かったように思いました。
本当に2つのバランスなんですねー。とても勉強になりました。

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審査員の方々と。
左からコピーライターの眞木準さん、私、静岡県広告業協会理事長の川原田喬さん、
静岡新聞社常務取締役の杉田至弘さん、あとここにはいらっしゃらないのですが
静岡新聞社営業局長の村田潔春さんの5人で審査しました。

新参者の私ですが、みなさん優しく接してくださり、無事に審査ができました。
そして私自身もとても勉強になりました。ありがとうございました。来月は授賞式です。
受賞された方にお会い出来るのが楽しみです。


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審査の後は、お盆に帰れなかったのでお墓参りへ。
近所のお花屋さんでお花を見繕ってもらい、お線香をあげてきました。
ずっと行きたかったので、すっきりしました。


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このまま東京に帰って作業をするよりも、
作業して明日の朝に帰った方が楽だなーと思い、切り絵道具を持参。


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作業をしていると、背後に視線を感じます。
入り口からこちらを見つめているのは、ミラちゃんです。
御歳13歳になりますが、まだまだ元気。
目が合うと激しく鳴いて「ボールを投げて欲しい」をアピール。
ボールと言うかコルクのおもちゃでとても小さいものです。お口のサイズに合うようです。

実はこれ、グラムにいただいた物なのですが、
彼女は体が大きく噛む力と破壊力が尋常ではないため、
あげた瞬間から噛み砕きだしたので却下し、ミラちゃんのものとなったのです。
いまでは一番お気に入りのようです。


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母が整理していて見つけたらしく、渡されました。
私の高校のバスケ部は歴史が古く、OBやOGの団結力が強く、
ずっと同じ先生だったので先生の教え子を綴った物が私の卒業2年後に出されました。
ごくごく内輪だけの物です。私の年には、女子部は別の監督になっていたため、
誰が書いたのか何だかあっさりしたコメントで綴られていました。
県でベスト4にまでなったことがあるのに、何となく残念な書き方がしてあったため、
私の記憶から抹消されていたようです(笑)。

しかしここで注目すべきは、誤字脱字の部分です。
私の名前「利佐」が「利伍」になっており、後ろの住所欄では名前はあっているものの、
住所の地名が「中田」が「石田」になっていて、
誰も私に郵便物が出せない状態になっていました(笑)。
私だけで2つもあるのですから、全体ではどんなでしょうね。
このテキトーな感じがつっこみどころ満載で、かなり集中して読んでしまいました。
懐かしかった。私は卒業後は、美大という真逆の世界にまっしぐらだったため、
卒業以来思い返す事がなく、はじめて読んだかのような気分でした。


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そして、さらに次の日、早速、昨日の静岡新聞広告賞の審査の様子が
静岡新聞の朝刊に掲載されました。
実家で確認し、駅のキオスクで買って東京へ帰りました。

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