福井利佐blog

切り絵アーティストの日々

團菊祭

2007年05月28日 | 過去のBLOG記事

再び歌舞伎座へ行って参りました。
5月は市川團十郎と尾上菊五郎の 「團菊祭」 ということで、
パリ公演の記憶も新しい市川家と尾上家の公演です。
相変わらず大盛況でした。



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ご存知 「歌舞伎座」


歌舞伎鑑賞はなかなか忙しいのです。
開場は公演の30分前なのですが、入ったらとりあえずお弁当の予約して、
ガイド買って、イヤホンガイドも借りて、とやる事がいっぱいです。
そして今回は、特別メニューの 「團菊膳」 と 「花かご弁当」 というものにチャレンジしてみました。


こちらは1演目終了後、2演目までの間の30分間、地下の食堂にて平らげるのです。
4公演あり、他はもう少し短めの幕間になります。



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今回は母と二人でいきました。地下食堂 「花道」 にて。
「福井」 の札を発見。わーい!


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こちらは母が頼んだ 「團菊膳」。


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こちらは私が頼んだ 「花かご弁当」。美味!上品!


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お吸い物の湯葉に 「歌舞伎座」 マークの焼き印がはいっています。
「30分なんて食べきれないかもね。」 なんて母と心配していましたが、以外と食べれた事に2人して笑ってしまいました。


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幕間に緞帳の紹介があります。5枚重なっていて、次々に上がったり下がったり。それぞれ提供の会社がこしらえているものです。こちらは富士山。美しい。


そして、トイレは毎回長蛇の列。高齢者が多いため、介添えの人も一緒に入ってたりします。
杖率も高く、エレベーターの無い歌舞伎座を手すりや人につかまりながら階段で行き来します。
席も決してゆったりとしている訳ではなく、長時間は結構辛い人もいるのでは?
でも見たいって気持ちはすごいんだなあと毎回思います。
高齢者にとっては、かなり過密なスケジュールではないかと思うのですが、
逆に活き活きしてますよね。燃えてるもん。 「お江戸」 な感じです。



この日は外国の方の団体さんも来ていました (高齢なかんじでした)。
イヤホンガイドのところで 「エイゴノオネガイシマス。(英語のお願いします。)」
と言ってる方いらっしゃいました。



今回の公演は昼の部だったので 「泥棒と若殿」 「勧進帳」 「世話情浮名横櫛」
「女伊達」 の4話です。どれも本当におもしろかったです。
人情や笑いあり、涙あり、長唄や舞踊ありです。
團十朗さんと菊五郎さんの 「勧進帳」 がやはり見所ですかね。
市川家は 「荒事」 が得意らしいので。
「世話情浮世横櫛」 も、その息子同士の菊之助さんと海老蔵でしたが、
こちらはかなりギャグテイスト。 「どこの白粉かい?」 「資生堂よ。」
みたいなやりとりがあります。こづつみの音も心地よく、すごく楽しめました。



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昼の部演目のポスター。手書きです。


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今回の出演者。團十朗さん「睨み」きいてます。

昼の部は、観て出てくるとまだ明るいってのがいいですよね。
今度は夜の部にチャレンジしてみようかな。もっと神妙な話が多いっぽいです。
大がかりな舞台も見所です。
しかし、出演する方々は昼の部、夜の部合わせて1日3演目くらい出演します。
脇役の方はもっとです。これを1ヶ月くらい毎日。
かなり年配の方もたくさん出演なさってます。すごい体力と精神力だなと、
見た目の華やかさと裏腹な部分にも感心してしまいます。



* * * * * *


お知らせです。


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雑誌<Numero TOKYO>7月号 (発売中) に新作が掲載されています。
是非見て下さいね。185Pですので宜しくお願いします。







トらやん

2007年05月21日 | 過去のBLOG記事

先日、現代美術作家のヤノベケンジさんの「なにわのトらやん」を見に、
青山にあるビリケンギャラリーへ行ってきました。

以前から「トらやん」のフィギュアが限定発売されることになったのは薄々知っていましたが、
ビリケン商会さんからだとは知らなくて、知った時にはすでに遅く、完売していました(買う気でした)。

ヤノベさんは横須賀美術館での展示があるので、
そちらの方でお売りになるのかと勘違いしていました。
現物は30cmくらいの高さの物なのですが、よく出来ていました。
300体すべてにヤノベさん直筆のシリアルナンバーとサインが書かれていました。
ヤノベさんのお父さんが使用していた「原型(腹話術人形)トらやん」もあり、
かわいかったし、とてもきれいでした。

その他、小型の木彫の象にフィギアのトらやんが乗っているもの、
トらやん関係の原画が展示されていましたがほとんど完売状態でした。
木彫の象に関しては初日に売れたそうで、ヤノベさんは大型の作品が多いので
小さい物は非常に珍しく、百万越えの値段にも「安い!」という声だったそうです。
なるほど、そう言われれば珍しいかも。ちなみに「トらやん」フィギアは
アートディーラー系の方にまとめ買いされてしまったようです。

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こちら、ビリケンギャラリーのDM。トらやん大行進。かわいい!

2年前になるでしょうか、愛知万博の開催時期に愛知県にある豊田市美術館にて
はじめて「なにわのトらやん」を見ました。
「トらやん」のいきさつがヤノベさんの直筆で書かれているものがありました。
それによると、以前から現代アートなる物をやっている息子(ヤノベさん)
堅物のお父さんは理解を示さず、あまり話をしたりすることはなく
反発しあっているような間柄だったそうです。

しかし、お父さんが会社を定年退職すると、
突如幼い男の子の腹話術人形を購入し腹話術をはじめだしました。
それを見せられたヤノベさんはびっくりしたのですが、
「お父さんのだみ声では、そのかわいらしい顔の人形に合わない」と
率直な感想をお父さんに言いました。しばらくして、またお父さんはヤノベさんに
「これならどうだ!」とばかりに腹話術を見せてきたのですが、
前見せられた男の子の人形にバーコードカツラ、ちょび髭に阪神タイガースのユニフォーム、
鉢巻きという「子どもおやじ」メイクに改造されていたそうです。

当初は「ケンちゃん」と呼ばれていましたが、後に「トらやん」に改名されました。
そして、ヤノベさんの展覧会のオープニングにて
ヤノベさんの作品であるミニアトムスーツを着た「トらやん」が
お父さんの腹話術で披露されるのです。
ある夜ヤノベさんは、こっそり「トらやん」の型取りをして複製していくのです。
これを読んで一気に「トらやん」のファンになってしまいました。
いい話じゃないですかー!

そして、オープンしたばかりの横須賀美術館にも行ってきて、
進化した「トらやん」にも会ってきました。
「トらやん」はフィギアのミニ「トらやん」200体をひきつれて、
ラッパなどを吹きながら楽しそうに行進していました。

1体1体の動きや持ち物の細部にこだわりが感じられ、丁寧な制作ぶりがうかがえます。
そして、今回のジャイアント「トらやん」は座っている状態で、
背後に天に向かったラッパをしょっています。子どもに大人気です。

突然動き出したりするので、こどもはなかなかその場から離れません。
これは楽しいですよね。大きいっていうのもそうです が、わかりやすいのが1番だと思います。
今回は火を噴く許可は下りていないようです。だって、「トらやん」座ってるから床が近い!
これは下りないです。横須賀美術館はとてもいいところでした。企画展もよかったです。

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ゴールデンウィークにオープンしたばかりの横須賀美術館。展示室のほとんどが地下になっています。

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美術館側から見ると、全面海!気持ちいいです!常に色々な船が行き来しています。

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美術館のレストランのテラスにて。大型の船が通って行きました。右の建物は「谷内六郎」館です。こちらもよかったです。

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美術館前の道路の先には灯台が!

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船をバックに美術館の屋上庭園にて“喧嘩上等”的なメンチを切っている様子(横須賀を意識)。
ウソです。眩しいんです。この屋上、後ろの観音崎公園に続いていて、とっても開放的。
展示箇所以外は行き来が自由。海の方の猿島へは船で行けます。




砂曼荼羅

2007年05月17日 | 過去のBLOG記事

ゴールデンウィークの最終日に「砂曼荼羅」を見てきました。
“スピリチュアル”ブームだからでしょうか?
チベット・スピリチュアル・フェスティバル2007」(主催 ダライ・ラマ法王日本代表部事務所)
なるものが、文京区の護国寺にてゴールデンウィーク中に開催されていました。
“2007”がついてるから毎年開催されているのでしょうか?
“スピリチュアル”をつける意味があるのでしょうか?

よく知りませんが、日本とチベットの文化交流を目的に開催されていました。
今年は10名のチベット僧をお招きして実際に「砂曼荼羅」を制作していただくとの事で、
是非実物を見たいと思い行って参りました。

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大本山 護国寺の入り口。仁王門。

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護国寺的にはやはり、ご本尊の御開帳がメイン。その横に小さく「チベット・スピリチュアル・フェスティバル2007」と書かれています。

この日はあいにくの雨でしたが、結構な人が来ていました。
しかもこの日はお昼までで「砂曼荼羅」拝観終了ということで、到着してから知った人もいたはず。
私もそのクチでした。早めに出ておいてよかった。
本堂に展示されていて、本堂の外廊下を正面向かって左側からぐるっと回って本堂の中に入りました。
そうすることが縁起が良いとされているそうです。

雨がシトシトと降る中、静かに廊下で列に並んでるわけなんですが、
その行為が非常に心地よい気持ちになりました(普段は列に並んで待つとかできないタチ。貧血持ちだし)。
本堂の裏側は緑豊かな墓所になっていて、目の前に聖観世音菩薩の霊廟が雨に濡れて何とも艶っぽいんです。
カメラを向ける事がはばかれたので写真はありません。緑の木々も水を得て活き活きしている様子。
ただ静かに静かに雨の音を聞いて待っていました。

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本堂の様子。

いよいよ本堂に入りました。とても厳かで清らかな空間でした。
この本堂は江戸時代、五代将軍徳川綱吉公の命令によって建てられ、
震災、戦災などの大災害に襲われつつも姿を変えなかったという、本当に神がかった建物です。
何だか本当にすごいとしか言いようがないです。

中には色々な仏像がありました。その前方に、本来の目的物「砂曼荼羅」がありました。
極彩色で描かれた小宇宙がそこにありました。
この「砂曼荼羅」は、ひと目みるだけで悪業さえも清める事ができると言われています。
仏の住む宇宙が描かれています。
今回は護国寺の中にある薬師堂の「薬師如来」の砂曼荼羅が制作されました。
薬師如来の御開帳&灌頂(かんじょう:仏と縁を結ぶ儀式)があったためです。

直径は1.5メートルということですが、とりあえず細かい!
その細かさに、以前にも「砂曼荼羅」を見た事があったことを思い出しました。
どこで見たのかテレビで見たのか?
その時も想像以上の細かさにびっくりした事を鮮明におぼえていました。どこだろう?
さっぱり思い出せないんです。何せ、この日初めて「砂曼荼羅」を見れる! 
なんて思っていたのですから、以前見た事があるっていう事実を忘れていてびっくりしました
(多分、学生時代に曼荼羅にはまっている友人がいてその関連で目にしていたっぽい)。

改めて「細かい!」と思いました。多分描かれている線は「ミリ」レベルです。
それぞれの色が違う砂だから、失敗は許されないし大変な労力だなと感心しました。

8日間の会期中、実際にチベット僧の方々が描かれていたようですが、
この日は最終日だったため完成していて、僧侶の姿は見受けられませんでした。
カタ(祝福の白い布)を納め、目的物の「砂曼荼羅」を堪能し、
しばらく本堂の中でぼーとしていたのですが、袈裟を着た女性の僧侶が
「如意観世音菩薩」の説明をはじめたので、今回この護国寺のご本尊が御開帳なんだと気づきました
(←失礼ですよね。本当に頭の中には「砂曼荼羅」を見る事しか無かった…)。

えっどこだろう? とよくみてみると、祭壇の中央に金地の布が半分開いてる所がっ!
いらっしゃいました!「如意観世音菩薩」様が!
周りの大きめ仏像に目を奪われていて、奥でチラッとこちらを見ている彼女に気がつきませんでした。
重ね重ね失礼しました。立て膝の上にひじをついて、その腕に頬をついて、
こちらを斜め見されているのですが、その姿が本当に神々しくてこれまたびっくりしてしまいました。
ラフな姿勢に余裕が感じられ(笑)、何だかこちらも微笑してました。
「砂曼荼羅」も良かったのですが、こちらもお会いできて本当に良かったです。
造形物としてとても良い物を見させていただきました。何だかとっても心安らぐ空間でした。

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奥が本堂です。行く先々で手前左に見える素敵な仏像とか大仏とか色々いらっしゃいます。

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護国寺の中は至所でこちらの布でカラフルに彩られていました。


このフェスティバルでは、その他本格的なチベット仏教を体験していただくため
「仮面舞踏(チャム)」「灌頂(かんじょう)」「護摩」、瞑想セッション、写真展、映画上映会がありました。
高僧チャド・リンポチェによる法話もあったようです。
最終日だし、雨ということで様々なイベントはやっていませんでした。
外に青空カフェがありチベットのバター茶、お菓子の“カプセ”などが味わえるのですが、
この日は雨という事で、写真展、映画上映の開催されている桂昌殿に移行されていました。

みんながこちらの建物の中に集中してしまい、かなりの混雑具合。
ドキュメント好きな私にとっては、映画も興味ありましたが、とりあえず混雑が苦手。
1人でなければバター茶の一杯くらい飲んでたのかもしれませんが、女1人で来ていたので、
薬師堂、写真展、チベットショップをざっと見て護国寺を後にしました。

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ダライ・ラマ法王14世のカード。
「ご自由にどうぞ」ということで1枚いただきました。
日本人に近くて、親しみやすいお顔だちですよねー。
以前、女衆で「ダライ・ラマはセクシーよねー。」という談義で
花が咲いた会話を思い出しました。



その午後は神泉にある「ギャラリーTOM」でこちらの展示を観に行きました。

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「ギャラリーTOM」も雨の日には心地よい落ち着いた空間。
何となく雨の日に訪れる事が多いような気がします。
本来は「目の不自由な方のため」のギャラリーなので、音への配慮がされてるのだと思います。

雨の日は、外へ出かけるのは億劫な気持ちになりますが、この日は良いチョイスでした。




「BOX ART」展

2007年05月12日 | 過去のBLOG記事

テレビ出演のため静岡入りした次第なのですが、
番組は夕方ということで午前中は静岡県立美術館の「BOX ART」展を見てきました。



「BOX ART」とはいわゆる「箱絵」、プラモデルの箱の絵の事です。
模型業界ではプラモデルの箱絵を「ボックスアート」と呼んでいるそうです。
静岡には模型で有名な(株)タミヤがあり、ガンプラで有名な(株)バンダイもあるので
静岡らしい企画展だなと思いました。

しかもお堅いイメージのあった県立美術館での企画だったので、
どういう落とし込みなのか興味がありました。
前回館長さんとお会いしながらも見に行けませんでしたので、
今回の帰省では絶対行こうと決めてました。



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静岡県立美術館入り口。この日は遠足の子ども達がいっぱいいました。



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後方のドーム型の建物はロダン館です。豊富なロダンの彫刻展示は一見の価値ありです。
もと静岡県知事の斉藤さんのコレクションなんです。



私は幼少の頃プラモデルを作った経験はありませんが、
兄がちょっと作っていたような気がします(自然派なのでプラモにははまらず)。
でも、静岡にいるとプラモデルショップはよく見かけ、身近な存在でした。
タミヤ模型の会社についているあの星マークもよく自転車や車で通るとき目に入っていました。



私が学生の頃(約10年前でしょうか)、たまたま表参道の同潤会アパートのギャラリーで
小松崎茂さんの原画展示を見た事があります。
その時は、小さい頃から当たり前のようにプラモの箱絵としてみていた何気なかった物が、
「アート作品なんだ!」と気づいたショックがありました。



詳しい事情はその頃知りませんでしたが、今回の展示をみたら
小松崎さんの自宅が全焼して数万点の原画、資料を焼失した後の再起展だったようです。


70歳を過ぎていたと思うのですが、大きいキャンバスにとっても活き活きとしたタッチで
戦闘機などが描かれていました。



本題の展示ですが、さすが美術館での企画と言った感じで、とても深い物でした。
戦前、戦後の日本文化を紹介し、どうしてプラモデル文化、
ボックスアートが生まれたのかをわかりやすく紹介していました。



それにはやはり戦争という二文字が大きく関わっているのですが、
平和ボケしている私達は改めて「そうだったのか」と知る事になりました。



まず、大正3年から発行されていた雑誌「少年倶楽部」の展示から始まります。
表紙はリアルな描写で昔話などのヒーローや少年が描かれているのですが、
昭和6年の満州事変以降、軍国的な象徴の表紙に変わって行きます。
「少年倶楽部」にはこの頃付録がつきだしたのですが、
これについた巨大なペーパークラフトあたりが後のプラモデルの目指した精神に共通してきます。



満州事変の時には、付録として戦争の様子が描かれた絵はがきセットがつきます。
どこでどう保存されていたのか、雑誌とか付録が本当によく残っていてびっくりしました
(50~60センチのエンパイヤビルとか戦艦ができてました)。



その後どっぷり戦争に浸かって行くのですが、数々の巨匠、藤田嗣治や小磯良平
戦争画を描いていた事はあまり知りませんでした。見てきて描いているのでしょうか?
本当に情景がリアルです。そして戦艦などの記録写真が撮られるのですが、
こちらの構図やアングルがそのままボックスアートへと生かされて行きます。



戦後、やはりこうした表現は一端封印されますが、
戦前に少年達をトキめかせた模型航空機は模型愛好家によって復活します。
実際に飛ぶ簡単な模型から、飛ばなくてもリアルな形を再現する
ソリッドモデルという方に人気が出てきます。
これが作り手の想像力をかき立てるための挿絵が必要となり、
ボックスアートへとなった訳なんです。と、まあざっくり紹介してみました。



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手書きですよ。



タミヤが静岡にあったのもあり、静岡の方が多く絵を描かれていました。
中でも印象的だったのは上田毅八郎さんという方で、実際に兵隊として激戦地を転戦されていました。



乗っていた戦艦が撃沈されて海に放り出された経験があり、
その経験から真っ黒な海の中を進む重い戦艦が描けるそうです。
ボックスアートの作品は本当に見てきたかのような作品ばかりで、
戦車が進むときの泥の飛び方、戦艦が進むときの海の様子、飛行最中の空の色など、
どうやって描いている のだろうと思いました。やはり、実際に経験されていたのですね。



しかも上田さんは戦争のせいで右手で描けなくなり、左手で描く訓練をしたそうです。
そして、戦死された遺族の方達にその方達が乗っていた軍艦や飛行機を描いたものを送り、
鎮魂としているのです。



この話は、この後出演したNHK静岡のディレクター神原さんが、
以前上田さんを取材されたそうで教えて下さいました。
帰ってから見たカタログにも書いてありました。
ちょっと感動してしまったので紹介させていただきました。




NHK静岡

2007年05月11日 | 過去のBLOG記事

前回の静岡県立大学のシンポジウムに続いて再び地元静岡でお仕事です。
今回は、NHK静岡の夕方ニュース番組「たっぷり静岡」へ生出演することになりました。
静岡県内のみに放映されます。毎週水曜日にゲスト枠があるらしく
そちらに呼んでいただきました。生でテレビに出演するのは初めてです。



当日は地元の静岡新聞の番組欄にも掲載され、
朝からNHKをつけていた祖母が「2回くらい今日の事宣伝してたよ」と言ってきたので
軽くプレッシャーだなーと思っていました。家の前で車に乗り込んで出発!という時も、
丁度向かいの方と隣の方が外に出てきたので「今日見るからねー!」と温かい声援を頂き、
みんなにお見送りされてしまいました(笑)。緊張するかなーと思ったりもしたのですが、
静岡のNHK局は趣のある、親しみやすい感じでしたので(収録スタジオは1室のみ)
とってもアットホームな雰囲気でリラックスしてお話しする事ができました。



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リハーサルの様子。バックには私の作品現物を飾りました。ゴールデンウィーク中だったので端午の節句にちなんだ「新聞兜」の作品を持って行きました(一番左)。


中央は昨年のNHKハート展に参加させていただいた時の作品。右は現在ユニクロで販売しているT-シャツのアトム作品(NHKなので本番ではメーカー名はふせました)。



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リハーサルにて、実際に切った物を掲げて行程を説明中。本番に向けてどう説明するか思案中。

向かって左の女性はキャスターの平山左知子さん。ぴしっとしたお綺麗な方でした。中央の男性はアナウンサー神門(かんど)光太郎さん。テレビで拝見するよりお若い感じでした。そして右は私。

出演時間は12分程度なので、短く簡潔にわかりやすい説明が必要です。



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控え室にてヘアメイク中。地元の美容師さんのようです。絵が好きな息子さんの進路が気になるようで色々お話ししました。私も祖母、母が美容師なのでわかるような気がしますが、それぞれ違いますからね。温かい目で見守ってあげることが一番だと思います。



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さてさて本番。先ほどのヘアメイクさんのおかげで髪の毛が素敵な事になっています。ヘアメイクさんがいないと思っていたので、普段しないメイクを家で母と相談しながら悪戦苦闘し、着替えの事を考えて髪の毛も何もしないで行ったので、画面に映った私の姿に母はびっくりしたようです(マネージャーの市川さんが機転を利かしてヘアメイクさんを前日につけてくれました)。

こちらは番組の始めに一人で登場する時の様子。やや緊張の面持ち?



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コーナーがはじまりました。スタジオもスタッフが2~3人と本当に少人数なのでカメラが回っている気がしないくらいリラックスできました。もっとも司会のお二人がリラックスした雰囲気を作って下さり、ちゃんと進行して下さるので安心できたのだと思います。



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楽しそうでしょ。神門さんが私の切り絵を持っていますが、この引きでは細すぎてわかりませんね。



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切り絵が私に移動。



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夏の静岡でのワークショップも告知できて私の出演時間は無事終了。この後も番組は続きます。
県内ニュースの他、この日は浜松市のお年寄りのハモニカ演奏グループの特集でした。



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放送終了後、気象予報士さんも入ってみなさんで記念撮影。左から気象予報士さん(お名前がわからずごめんなさい)、アナウンサーの神門さん、私、キャスターの平山さん。私は作品梱包のためさっさと着替えてラフな感じになってます。そして自分のデザインスニーカー履いてます。



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たっぷり静岡!


この後作品を梱包したのですが、アットホーム&少人数な静岡は
このキャスターの方達まで梱包のお手伝いしてくれました。
本当にありがとうございました!そしてお疲れさまでした!


静岡に長年住んでましたが、地元のテレビに出る事があるなんてそうそう無いと思います。本当に貴重な体験させていただきました。家族も大喜びです。声をかけていただいたNHK静岡のディレクター神原一光さんをはじめ
スタッフの方々ありがとうございました。



おじいちゃんにも「うまいことやってたぞ。(上手にしゃべれてたよ。)」と
褒められました。よかったー。