福井利佐blog

切り絵アーティストの日々

ワークショップ初日

2007年07月24日 | 過去のBLOG記事

静岡で今年秋に開催される「大御所四百年祭」の関連事業
「切り絵行灯ワークショップ」の初日を迎えました。

以前こちらのブログでも紹介したイベントの際、駿府公園に飾られるものです。
対象は小学校4年生~中学3年生までの子ども達で、50名募りました。
無料ということで当日欠員を懸念しましたが、予想以上に出席率がよく、
ほぼ募集人数の子ども達が来てくれて嬉しく思いました。

私は、子どもが対象でしかも行政関係のお仕事での講師は初めてだったので、
ちょっと緊張しましたが、何とか乗り切りました(トークは噛み噛みでしたが・・・笑)。

この日はあまりお天気が良くなく、予定していたフィールドワーク
(駿府公園の中で家康の功績を散策する)を心配しましたが、
その時間はうまい具合に雨があがっていて、スケジュール通りにすべて行う事ができました。

実はこのお天気があまり良くないというのも幸いしていて、
ワークショップの行われた巽櫓(たつみやぐら)のお部屋は空調がなく、
暑さ対策は扇風機数台のみだったんです。
助かった~という感じです。切り絵体験もあり、盛りだくさんでしたが
怪我とかトラブルも無く1日目を終えることができました。
ひとえに大勢のスタッフの献身的な力添えのおかげです。
というかむしろ私は何もしてなくて、みなさんがここまでもって来てくれたと言うべきだと思います。

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「大御所四百年祭」実行委員の三本松さんのご挨拶で始まりました。
ワークショップリーダーの高岸さん(この写真ではパソコンで映像作業している方です)の説明の後、
私の噛み噛みトークがスタート。何となく静岡の思い出話をした後、切り絵の説明へ。
中国の剪紙(せんし)を映像で見せつつポイント解説。

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参加の子ども達。

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地元の型絵染め師、芹沢銈介さんの紹介も交えました。
見せているのは、私の私物で市販の物です。
芹沢さんは静岡の呉服商の御生まれということですが、静岡の町名には呉服町、
紺屋町などがあり、おそらくこの辺りの出身かと思います。
この町名も、家康の功績の一つなんですねえ。あっ! そこら辺いい忘れた。
でも、きっと駿府ウエイブさん達(今回の名所案内のボランティアさん)が言ってくれたはず。
多分…。まあ、いっかな。

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こんな感じの行灯になりますよー。

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人数が多いので5チームに分れて、フィールドワーク、巽櫓展示見学、切り絵体験を
ローテーションで巡ります。それぞれのチームには、駿府ウエイブさんのガイド、
担当代理店さんから班のまとめ役、そしてアシスタントとして県立大学の学生さんなどがご一緒します。

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そして私は、切り絵コーナー担当。自身の書いてきた金魚で切り絵説明(一番左)。

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私の書いてきた図柄で子どもたちが切り絵体験。紙は本番と同じ渋紙を使用。

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切り絵が初めての子、もしくはカッターが初めての子もいるのでカッターの使い方、
刃の向きなどからマンツーマンで指導してみたり。

うーん。なかなか、予想どおり! とはいかず色々勉強になりました。
特にカッター使いは個人で大きく差があり、
この日に試作をしてもらった事でこちらも状況が掴めました。
なかには、すでにハマりだす子なんかもいたけど、カッターが初めての子は難しかったかも。
みんな黙々とやってくれていたけど、本当は困っていた子とかいたんじゃないかと不安。
「ワークショップは生ものだから」とよく言われる通り、やってみないとわかりません。
対話を大事にしたいと思います。そして、楽しまなきゃね。

この日は長丁場をみんな何とか乗り切り、1つクリアになりました。
みなさん次回も頑張りましょう!
そして、この日だけの駿府ウエイブさん、アシスタントの後藤さん、ありがとうございました。

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翌日、朝6時くらいに父から「新聞に載っているぞ!」と起こされました。
カラーだ、大きい、すごーい! 静岡新聞さんありがとうございます。

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その後、例のごとく芹沢銈介美術館に行き、またまた作品に感動。

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芹沢美術館の展示室の間にあるお部屋。すごい好きな空間なんです。
お庭に枝垂れ桜やちょっとした水の流れがあって、尾形光琳の紅白梅図屏風っぽくなってるんです。
8月にお茶会があるみたいです。このお部屋でやるのかなあ。いいなあ。
ということで、午後には東京に戻りお仕事。来週またワークショップ続きです。




犬同行

2007年07月17日 | 過去のBLOG記事

最近は梅雨まっただ中でジメジメした日が続いていますね。
今月で10ヶ月を迎える我が家のヨーキーは、散歩が出来ない日が続いています。
最初は散歩が苦手のようでしたが、体がしっかりしてくると散歩好きになりました。
この日は2日ほど私が朝早く出てって夜遅くに帰る日が続き、
その間ゲージに入っていたので、今日は散歩させてあげたいなあと思うも外は雨。
また今日もゲージに入れておくのがかわいそうだったので、
外の空気を吸わせてあげようと事務所に連れて行く事にしました。
今までに2回ほど連れて行ってます。 
この日は、事務所で3件の仕事がありました。
1件目は作品納品。
2件目は取材。
3件目は打ち合わせでした。



1件目の時は違う部屋に来たということで、とりあえず臭いをかいだり
適当にウロウロして確認作業に集中していておとなしかたのですが、
2件目からは我が物顔に豹変しました。
家でもそうなんですが、突然スイッチが入るというか、興奮しだすと止まりません。
新しく入ってくる人に吠えてみたらテンションがあがったらしく、そこから走りまくり噛みまくりでした。
まだ幼いからだと思うのですが、嬉しいという表現が噛むことになってしまっていてタチが悪いです。



反復横跳びみたいなステップで行ったりきたり、ジャンピング噛みとか、
ここ数日のうっぷんだったんでしょうね、2件目はずっとその状態でした。
すごいすまないなあと思いつつ止められないので、私の手が噛まれ、服がひっぱられ状態で
周りでバタバタしている中、質問に答えてみました。事務所にいた市川さんが
一番ハラハラしていたようですが、取材チームは全員が女性だったのでみなさん寛容で、
こんな暴れ犬をむしろ 「かわいい」 と言ってくれて本当に助かりました。
排泄物も大も小も済ませ (ちゃんとトイレシートにしてた。) 大騒ぎで2件目を終えると、
やり切った感があったらしく、3件目は私の後ろでガン寝です。
おかげでじっくり打ち合わせできました (本当にいないかのようでした)。
すべてが終わると市川さんはぐったりしたようです。
数枚しか写真が撮れなかったのがそれを物語っています (笑)。
もう少し大人になったら大人しくなってくれるのだろうか?



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グラムがカメラ目線。


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グラム:何か落としました? 噛んでもいいですか?


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グラム: それなんですか? 噛んでもいいですか?


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グラム: 机の上のもの噛んでもいいですか?
わたし: ダメ!






ロケハン

2007年07月06日 | 過去のBLOG記事

今年の秋、静岡で 「大御所四百年祭」 というイベントがあります。
このイベントは、駿府城に徳川家康が入城してから400年を記念して行われ、
その関連事業として、私は行灯を作るワークショップの講師をすることになりました。
対象は小学校4年生から中学3年生までの子どもたちです。
このワークショップは夏休みに行われ、その子ども達が作った行灯が
「大御所四百年祭」 の際に駿府公園を彩るのです。



ワークショップを今月末に控え、静岡市にある駿府公園にロケハンに行ってきました。
このワークショップは3日間あり、行灯の切り絵にする題材を静岡や
家康ゆかりのものを探すところから始まります。
当日お世話になる観光ボランティアガイド団体、駿府ウエイブさんに実際案内していただいて、
ポイントを絞って行きます。



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まずは、駿府ウエイブさんのご案内で駿府城の中にある 「東御門」 と 「巽櫓 (たつみやぐら)」 の
中にある、駿府城に関する展示をみました。ここ10年くらいにできたものらしく、
私は見た事ありませんでした。


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ご存知!葵の御紋。


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駿府城、イメージ模型。「東御門」 と 「巽櫓」 は設計図が残っていて復元出来たのですが、
駿府城は残っていないので、あくまでも色々な文献からの憶測しかたてられないそうです。
ので、復元はできないんですねえ。



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さすが! 茶の国、静岡。お茶壺道中です。



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その建物の中にある、ワークショップ初日の会場。畳のお部屋がいいですね!
普段何に使う訳でもなく空いているそう。それはもったいない!今回のようなワークショップに
限らず、いろいろ使っていただきたいです。寺子屋風です。



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そして、今度は、紅葉山庭園へ。いつのまにこんな庭園が! 小静岡ができてました。
奥に見えるは、もちろん富士山、その下が茶畑、駿河湾となるわけです。



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ちょっと海の庭におりてみました。下に白い玉石が敷いてあるのですが、藻が生えていて
緑色になっていました。実は、私の兄は造園屋さんに勤めているので、ここの手入れにも入っていました。
その時、この石を一個ずつ洗ったそうです。
でも、本当に静岡の川? 海? (はっきり覚えてなくてごめんなさい) からお水を引いていて、
とっても栄養分が豊富なので藻がついてしまうそうです。
また、イベントに向けて業者さんが洗うのだろうか? 大変だなあ。
私も小さい頃、庭に池があって兄とよく洗ったものです。藻って滑るから結構危険なんですよね。



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その庭園のなかにある茶室。天井が美しい!
竹と障子でできていて、光が柔らかいんです。



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こちらは城内にある家康像。鷹狩りがご趣味だったそうで。



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タチアオイ。本当に立っています。静岡の県花だそうで、葵の御紋のモデルです。



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お世話になった駿府ウエイブ会長 折山さん。とってもわかりやすく親切です。
そしてお元気! 暑い中みなさんシャンとしてらして素晴らしいです。
ここまで自転車で来ていました。いいですねー! 当日もよろしくお願いします!



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公園内に実際に行灯サンプルをたてて、大きさ、高さ、間隔の調整をしました。
業者のシミズオクトさんがわざわざ東京から車で運んで下さいました。ありがとうございます。
そして、後ろ姿ですが、今回のワークショップの実行委員の方々。
左から、子育て支援の野村さん、電通の小森さん、ウインズ・インターナショナルの高岸さん。
シミズオクトの方 (名前わからず すみません)、私。



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日が暮れてから再度検証。明かりの調節もしました。今回は渋紙を使うのですが、
厚さによって色が変わって見えます。そこらへんも検証。



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最後に、葵区役所 (旧静岡市役所) の天井に芹沢銈介のタペストリー。大きい!
緞帳レベルです。閉館後だったので照明が落ちていたのに職員の方の
ご好意で見せていただきました。ありがとうございます。
ちなみに・・・、私は20歳の時に住民票を東京に移すため、
こちらで手続きをしました (本当にこの真下)。
その際1年間の浪人生活で体力ガタ落ちして、並んでるうちに貧血で倒れてしまいました
(正確には、絶対倒れたくない! と思い、気力で記入カウンターにへばりついた)。
で、一緒に来ていた父に帰りの車の中で 「明日から走れ!」 と怒られたのを思い出しました (笑)。



いままで何回か打ち合わせてきましたが、今回実際に行ってみて見えなかった部分が
クリアになりました。当日が楽しみになってきました。子ども達が集まるといいなー。