福井利佐blog

切り絵アーティストの日々

個展後の私 メンテナンス

2008年04月30日 | 過去のBLOG記事

個展が一先ず終了し、その後は何だか色々とありました。


パソコンが壊れたので修理することになってしまい、
復帰後第一号のブログということになります。


まず個展の後半ですが、歯痛で夜も寝られないような状態になりました。
最初は気のせいかと思っていましたが、夜になるとどうにもこうにも痛くなり、
1週間我慢して気のせいではない事を確信し歯医者へ直行しました。


次に眼鏡が壊れました。歩いていたら突然
「ブチッ!」という音ともに、柄の部分が折れました。
私の眼鏡は、フレームと柄の部分が特殊な繊維で繋がっているのですが、
どうやらその繊維の寿命だったようです。
眼鏡屋さんに持って行ったら、よく保っていたとのことでした。


次にパソコンが「キューン…。」という音とともに画面が真っ暗になりました。
ハードディスクが壊れたとのことでした。修理にだしました。


極めつけに、床に置いてある荷物に足の指をぶつけました。
腫れて痛かったのですが数日我慢してみました。足の指は踏ん張る所だから、
ちゃんと診てもらわないといけないと思い病院に行きました。
わからない程度ですが、少し骨が欠けてるようでした。


私の体調などは全く崩れる事が無いのが幸いですが、
知らない間にいろいろな所がマックス状態で頑張ってくれていたみたいです。
個展までみんな保ってくれていたので本当によかったと思いました。


歯痛も虫歯ではあったのですが、あまりの痛さに
そうなるまで気づかなかった自分が不思議です。
「疲れからも痛みがでるよ。」とお医者さんには言われました。
気が緩んだんでしょうね。


そんな事も気にせず、お誘いを頂き『能』を堪能してきました。
また、OKIさんのライブも行きました。


『能』は個展に来て頂いた国立能楽堂の川口さんにお誘い頂きました。
『薪能』は観たことのある私ですが、能楽堂での上演を観るのは初めてでした
(能面の展示だけを見に行った事はあります)。
観た演目は、能「加茂物狂(かもものくるい)」、
狂言「痩松(やせまつ)」、能「夜討曽我(ようちそが)」の3つです。
「加茂物狂」が夫婦再会を描く狂女物。恋愛物といった感じでしょうか。
幽玄の世界の静かな強さを感じました。
「痩松」は狂言らしいユーモアがありダイナミックな動きで、
「動(どう)」を感じさせてくれます。最後の「夜討曽我」は、
川口さん曰く”青春群像劇”といったところだそうです。
『能』には珍しく、出演人数も多く賑やかな感じです。お話的には悲しい内容です。


どのお話も面白かったです。わかりやすい解説も用意して頂き、
内容を把握しながら観る事ができました。能面好きな私にとっては、
「このお話はこのお面を使うんだー。」というお面との出会いも楽しめました。
能楽堂で響く鼓の音が心地よかったです。まだまだいろいろ観てみたいなと思いました。
川口さんありがとうございました。


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初めて行った、宝生能楽堂です。
宝生流という世阿弥の長兄「宝生大夫」が宗家だそうです。


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こちらは「夜討曽我」の台本です。お話ごとに台本があります。素敵な装丁です。


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中身はこんな感じです。文字が美しい。上に解説の絵が載っているのがかわいいです。


そして、私の映像「たらちね」でもお世話になったOKIさんが全国ツアー中で、
渋谷での公演があったので行かせていただきました!
いやいやよかったです!すばらしいです。
OKIさんの男気MCも効いていました。よかったです。


残すはOKIさんの地元北海道の公演のみになりましたが、
チャンスのある方は是非どこかで聞きに行ってみて下さい。渋谷では、
私の個展でOKIさんを知り、ライブに来て下さったという方にも会い嬉しいかぎりです。
確実に輪が広がっているのを感じました。OKIさん情報はこちら


さらにお仕事のお話です。
私の地元静岡の「静岡新聞広告賞2008」で審査員をやらせていただくことになりました。
とても名誉なお話です。ありがとうございます。
さてさて、こちらの公募展は一般の部もあり、4月末から募集が開始されます。
静岡にお住まいの方はもちろん、それ以外の県にお住まいの方でも参加できるとの事。
今年のテーマは静岡に空港ができることから「静岡の空」です。
奮ってご参加下さい。楽しみに待っています。
詳しくはこちらまで。


写真は、その打ち合わせの様子です。


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右は静岡新聞の池谷さん。


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撮影中の静岡新聞、佐藤さん。


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「静岡新聞広告賞2008」の公式ポスター



* * * *


【関連記事】
個展in浅草 終了
反響&「たらちね」
「おはよう日本」
事後報告
オープニング報告
個展オープン
個展準備




個展in浅草 終了

2008年04月22日 | 過去のBLOG記事

浅草ギャラリーefでの4年ぶりの個展、無事終了しました。


1ヶ月の個展というのは初めてでしたが、本当に毎日多くの方に足を運んでいただきました。
ありがとうございます。心から感謝します。


期間中はできるだけギャラリーに顔を出そうと決め(週に2度は行ったはず)、
可能な限り浅草に通ってみました。


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来て下さった方とお話。この日は最終日でフィルの市川さんもいました(左)。
これらの写真はマネージャーの増賀さんの撮影です。


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ギャラリーのオーナーのお母様にもサイン。
期間中本当に毎回心温まるおいしいご飯をありがとうございました。
お母様の後ろに見えるのが、娘のIzumiさん。
ギャラリーのキュレーションや運営をされています。
お二人で毎回美味しいご飯を作っていただいてます。ありがとうございます。


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画集にサイン。


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サイン。


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トーク。


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てぬぐいにもサイン。


おかげでたくさんの方とお会いすることができ、お話もできてよかったです。
芳名帳は5冊になり、入場者数はおおよそ4000人と聞きました。
物販物が飛ぶように売れてしまい、何度入荷したでしょうか。
ギャラリーに置いてあったDMが始めの1週間を待たずして無くなったので、
追加で数千枚再刷しましたがそれも無くなり、フィルの事務所からかき集めたりと、
どれだけ多くの方にあの「KI RI GA」のDMが手に渡ったのだろうかと思います。
本当に嬉しい限りです。販売していた作品もかなり売れ、
本当に購入していただいた皆様ありがとうございます。


みなさんのメッセージや感想をみると、
「NHKのトップランナーを見て」という方が多いのに驚かされます。
あの番組にでたのはかれこれ3年前になります。
私は勝手にきっとほとぼりも冷めているであろうと思っていたのですが、
みなさん待ってらっしゃったとは!


春休みという期間や浅草という土地柄もあって、北は北海道、南は沖縄まで
本当に日本各地からおこしいただきました。さすが全国ネット。ありがとうございます。
特に嬉しかったのは、こどもが来てくれた事です。
昨年の夏に地元静岡で切り絵行灯ワークショップを行った際に参加してくれた子ども。
私が切り絵を作っているという事を一切伝えていないとある造形教室の受講生。
今回の個展ももちろん言っていません。どこで情報を入手しているのでしょう?
先生びっくりしたよ、本当に! ありがとうございます。


取り上げて下さったメディアの皆様にも感謝します。


そして毎回家族のように温かく迎えてくれるギャラリーefの方々にも感謝します。


ありがとうございました。


最終日、搬出の様子をお伝えします。


まずは、21時の個展終了と共に、またまたオーナーのお母様のご飯でお食事。
ひとまず個展の成功を祝って乾杯!しかし、この後片付けがあるので、みなさんほどほどに。


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この日は手伝ってくれた成橋さんの誕生日ということで2度祝い。画像がぶれててすみません。


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さらに、Izumiさんが「Happy birthday」の曲をさっとかけてくれたのですが、
なんて素敵なアナログな音だろうかとうっとりしていると、
なんと蓄音機でレコードをかけてくれていました! びっくり! すごい!


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こちらはオープニング終了時の様子なのですが、
毎回こんな感じでみんなでご飯をいただいちゃってます。たーのしーい!
この日はライブをしてくれたOKIさんも家族に加わりました。


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お世話になったefさんに福井側からお渡ししたのは「とらや」の羊羹。
4、5月限定の菖蒲です。美しい! 美味しい!


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そしていよいよお片づけ。2階からいきます。どんどん梱包していきます。
右がマネージャーの増賀さん。左が成橋さん。


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さすが浅草。浅草橋でエアパッキンのロールも容易に購入。


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そんな間に、再びいんちょうが到着。1階の作業もどんどん進みます。


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気づいたら「ない!」あの窓にあった作品がもう無くなっている。


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壁の作品も無い!


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2階も終了。無い! ギャラリーの山口さんが音源を片付けています。


はー。あっと言う間でしたねー。片付けはすぐですね。
蔵に1ヶ月ありがとうのお礼をして終了になりました。
たくさんの方がいらして、漆の床が増々ピカピカになりました。


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こんな素敵な蔵の維持には大変な資金が必要です。所有者の個人の力では限界があります。
是非募金してください! もちろん私もしました。カフェで払ったお金のおつりとか、
気がついたらこちらの募金箱へ。真ん中の茶色い箱です。
サイトでも振り込めます。 (土蔵修復の協賛金への呼びかけ
今回の私の作品が売れたお金も蔵の軍資金としてお役に立てると思うと嬉しい限りです。
左は東京大空襲の浅草の写真。こちらの蔵は焼け野原の中、建っております。
貴重な文化財をみんなで守っていきましょう!


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梱包終了後、Izumiさんの弟さんにバーの片付け中に撮って頂きました。
ありがとうございます。今回の面々。前列左から、ギャラリーefのIzumiさん、
私、マネージャーの増賀さん。後列左から、ハンチングをかぶっているのが
市川さん(フィル代表)の背後に成橋さん(フィル制作部門スタッフ)、
市川さんの隣がギャラリーefのスタッフ山口さん、そして「いんちょう」こと山崎さん。
搬入、搬出同じメンバーでした。おーつーかーれーさーまでしたー!


そしてありがとうございました!


5月は札幌に巡回です。こちらはホワイトキューブでの展示になり、
今回のような空間の雰囲気とは異なりますが、また違った形で展示出来ればと思っています。
お近くの方々是非いらしてください。
セミナー情報はこちら


そして…


今回、色々な方からお祝いをいただいたのですが、
やはり「まりも」が一番のヒットでしたね。
知人からだったのですが、さすがです。しかも大きい! 阿寒湖行きたい!


グラムさん! そちらは残念ながら飲み物でも食べ物でもありませんよ(笑)!


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反響&「たらちね」

2008年04月09日 | 過去のBLOG記事

前回のブログでお伝えした通り、4月6日(日)に
NHK「おはよう日本」にて個展の様子を紹介して頂きました。


日曜の朝早い時間だったので、だいたい高年齢層の視聴者であろうことは
予想していたのですが、本当にその通りだったようです。
当日だけでも色々な方が遠方から足を運んで下さいました。


今回は、TVでの紹介の中で、ギャラリーの事は「浅草」としか紹介がなく、
そのキーワードを頼りにみなさん色々調べてギャラリーefを探して下さいました。
多分、NHKさんにも問い合わせがあったと思いますが、
どうやらみなさんまず雷門前の観光センターに電話問い合わせをしたようです。
あまりに問い合わせが多かったので、観光センターの方が自らギャラリーefに出向いて、
何が起きているのかを確かめに来たそうです。台東区のお役人の方々まで動かしてしまいました。
年配の方々の好奇心パワーってすごいです。ありがとうございます。


ギャラリーにも多数の問い合わせがあったようで、
遠方からの電車の乗り継ぎ方法など色々な珍質問も多く、
おもしろい報告をギャラリーのIzumiさんからいただきました。


私はその日は来場する事ができなかったのですが、
ギャラリーを運営しているIzumiさんを私と勘違いして下さる方が数人いたらしく、
私的には「それは助かる!」的な感じでした(笑)。
Izumiさん、対応ありがとうございました。


そして、ちゃんと告知していなかったので
改めて「たらちね」の本&DVDのご紹介させて頂きます。
個展では3月13日から先行発売させていただいたのですが、
3月25日に本発売となり、書店に並んでるようです。多分。
(かなり個展会場に刷れた分ごとまわしたので店頭に置く事ができたのかどうか…。)
出版社はボーンデジタルさん。アートディレクションは前回の作品集同様、
スープデザインの尾原さんにお願いしました。


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こちらがその本です。本の帯にもあるように、STUDIO4℃さんとの映像を「動」とし、
私の原画のみを「静」として二つの面白さを味わっていただけたらと思いました。


本の裏表紙には封筒に包まれてDVDがついています。


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今回私がやりたかったのは、映像のために分割して切った、
切り絵を「そのまま載せたい」ということでした。
こちらは、手の中の雀を動かすために別に切っている様子。
この状態が私には非常におもしろく、美しく感じたので是非紹介したいと思いました。

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他も、どこで分割して切っていたのかがわかります。


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こちらも歩いている様子です。女の子は杖をついているため
足だけでなく、手、杖、それぞれを切り分けています。


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一応、ほぼほとんどの原画を網羅した状態でストーリーを追った展開になっています。
今回、色付けは全てCGでつけたので、原画は白黒のみになっています。だから本の装丁も白黒です。


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制作の様子も載っています。


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そして、STUDIO4℃の社長を含め、スタッフとの制作秘話なども。
こちらの写真で紹介している廣田さん、山田さんのお2人と、そして私のほぼ3人で作りました。
私が作品を切って、廣田さんがCG処理。
山田さんがスケジュール管理といった具合のシンプルなスタッフで進めていきました。
それがかえって最初の思いがブレずに進めていけれた要因となりました。

そして、映像最後のテロップを見て気づいた方も多いと思いますが、
かなり福井身内感が強くでています(笑)。山、川の風景が欲しいため、
それ系に強い父をロケ班として駆り出して地元静岡を撮影しました。
美容師である母は、着付けや髪の毛なんかをモデル撮影の際やってもらいました。
まあ「たらちね」本の中で、本人が堂々と言っているので「!?」と思いましたが、
廣田さんがまず身内ですから(笑)。「さん」づけするのが白々しいくらいの身内です(笑)。
そんなロケ撮影やモデル撮影もDVDには写真で入っています。


こうして振り返ると、個展前に怒濤の編集作業をしたのが思い出されます。
しかし、映像作品1作目にしてこんな1冊の本ができてしまうなんて本当にありがたい事です。
ボーンデジタルさんありがとう!そしてスープデザインの尾原さん、
米谷さん、マネージャーの増賀さん、フィルの市川さん、本当にありがとうござました。


是非、一家に一冊どうですか(笑)。




「おはよう日本」

2008年04月04日 | 過去のBLOG記事

すぐに放映なんですが、NHKの朝の番組「おはよう日本」で、
今回の個展の様子を取材していただきました。
放映日は4月6日(日)。
7:00~7:45の日曜版「おはよう日本」の中です。(「おはよう日本」は平日は4:30~8:15)



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ギャラリーエフの土蔵の中での取材の様子。右はNHKアナウンサーの森本健成(たけしげ)さん。



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森本さんはまさしくNHKの朝の顔。さわやかなお人柄でした。
今年の3月までは平日4時半からの担当だったのですが、4月から土日の担当になるそうです。
これからはスタジオを飛び出して取材などにも出られるそうで、
その第一弾という事だそうです。光栄なお話です。



個展の方は、春休みという期間のおかげなのか、
全国から足を運んでいただいているみたいで、本当に驚きです。
芳名帳に北海道から沖縄の方のお名前があり、
浅草という土地柄からか海外の方のお名前もあります。ありがとうございます。
いよいよ来週で最終週にはいります。



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そして。現在発売されている「THE BIG ISSUE」(ビッグイシュー日本版)にも
取材していただきました。
4月1日発売の92号です。
こちらの雑誌はホームレスの仕事をつくり自立を応援する雑誌です。
全国の色々な街角で、みなさん頑張って立ってらっしゃいます。そちらでご購入ください。