千早茜さん、『おとぎのかけら』

　楽しみに待っていた千早さんの二冊目の本は、童話を元に語り直した作品集だった。趣向自体はさほど珍しいものでもないので（個人的には好きだけれど）、いったいどんな切り口を見せてくれるのだろう…？と、どきどきしながら手にとった。『おとぎのかけら』の感想を少しばかり。

　なるほど“おとぎのかけら”とは、よく言ったものである。意識の水底に沈んでしまっても、いつまでも冴え冴えと冷たく光り続ける。そんな“おとぎのかけら”を久しぶりに取り出して、ためつすがめつ眺めている心地になった。
　どれも子供の頃に親しんだ記憶のある童話たちばかりが、話の筋を殆ど変えられることもなく、それでいてちゃんと現代のお話として私を待ち兼ねていたかのようにそこにあった。斬りつけてくる、妖しい魅力を新たに纏って。もう、魔法の鏡も優しい魔女も怖い魔女もそこにはいない。欺瞞の顔をうつすただの鏡があり、たぶん何処にでもいるのであろう怖い女の嫉妬があり、ずるくて愚かしい人たちがさ迷っていたりするだけだ。魔法なんてなくても、不思議なことの起こる世界じゃなくても、童話に描かれていることは確かにここで繰り返されているのだ。残酷なことも、愚かで愛おしいことも。
　おとぎ話にお決まりのモチーフがちりばめられていく中に、本来の童話にこめられていた核のようなものは、更にぎゅぎゅっと凝縮されて鋭い光を一矢放っている。研ぎ澄まされた“おとぎのかけら”。それは例えば、誰かの息の根を止める致命傷をもたらす刃にも、誰かの愚昧や怯懦を穿つ楔にもなるだろうし、そして誰かにはかすかな希望の光…にだって、見えることもあるのだろう。

　おとぎ話には終わりがあるけれど、本当は人生に終わりなんてない。「迷子のきまり」の兄妹が、固唾を呑んで明日を待っているのと同じだ。昔の童話が切り取っているのは物事のホンの一面に過ぎないし、ハッピーエンドで“めでたしめでたし”のおとぎ話がぽろぽろと取りこぼしてしまっている事柄は沢山ある。そういう意味で特に幾つかの作品は、元々あった童話の内容を補完している関係としても読めてくる。従来の童話が白い壺なら、それらの作品たちは向かい合う人の横顔…とでも言おうか。そんなところも面白いと思った。

　ひりひりと突き刺さるような独白にひきこまれた「カドミウム・レッド」、本来の童話のハッピーエンドを逆手に取っているみたいで、思わずにやりとしてしまった「金の指輪」、陰惨さから目が離せなくなった「凍りついた眼」…あたりが好きだった。あと、「白梅虫」の夕。

9月21日(火)のつぶやき

05:12 from web
炊き込みご飯の水加減が心配なう……。ちょっと多かったかも。具は舞茸と鶏。
06:25 from web
おはようございます。炊き込みご飯いい感じ、つまり硬めの炊き上がり。二人ともご飯は硬いのが好きなのであるー。
12:18 from 読書メーター
【おとぎのかけら　新釈西洋童話集】を読んだ本に追加 http://book.akahoshitakuya.com/b/4087713709 #bookmeter

9月20日(月)のつぶやき（「ＴＥＡＴＲＯ（テアトロ）」でパスタ その４）

08:31 from web
おはようございます。これからお風呂♪　読み終えるのがもったいない～と思ってしまう、大変に好みな本を連れていく。溺れそう…。
08:34 from web （Re: @catscradle80）
@catscradle80 「白檀の刑」！！　ニャオニャオニャオーーは、すっごくいいですよ！　魂消るくらい怖くて素晴らしい作品です～。是非に、うふん♪
09:43 from web （Re: @catscradle80）
@catscradle80 そ、そう言えば私も最初、「中国？歴史物？　本当に面白いのぉ？」と、結構疑いの眼でしたわ（笑）。でも、南米のマジックリアリズムに通じるものがあると言うか、ガルシア＝マルケスの影響を受けていると言う話ですし。きっと大丈夫ですよ＾＾
13:31 from web
イタリアンなお店でワイン付きの昼食をしたためた復路、タクシーの女性運転手さんに「美味しいんですか？」と訊かれて、「普通です！」と即答した夫。何度も利用しているのになぁ……。てか、カルボナーラとか茄子とトマトのスパゲティなんて、普通に美味しい！と言っておけば間違いないでしょ。

　☆　　　　☆　　　　☆　　　　☆

　この日のお昼ごはんは、またまた「ＴＥＡＴＲＯ」。記事にするのは４度目だけれど、利用するのはもう五度目。カジュアルなお店で使いやすいんですもの。

　まずはビールで冷製前菜の盛り合わせ。
　蒸し鶏とか、ミニサイズの生ハムメロンとか。
　お酒を赤ワインに切り替えて、パスタを一品ずつ選んでシェア。だーさんが選んだのがこちら、「完熟トマトとなす」。
　こうしてみると、やっぱり多いな…。
　私はこちら、「おすすめカルボナーラ」。
　カルボナーラがとても久しぶりだったので、嬉しくいただいた。思っていたほど濃厚ではなかった…と思う。いただきやすいカルボナーラだった。
　普通に堅実に美味しいお店。たぶん、また行くと思う。二人でパスタメニューをコンプリートしてしまいそうだ。そんなに種類が多い訳でもないので。ご馳走さまでした♪　…ワインでほろ酔い。

19:42 from web
８０年代アイドル、みんななんて可愛いんだ。きらきらきらきら。
20:05 from web
Babeですか！そこにきますかぁ。あ～いどんのう♪ ロンリネス君の～ロンリネス かあっこ～つけた～ブロ～クンハ～♪　RT @lisky Babeが好きでした
20:49 from web
今夜のクリスティはとても好きな話。私って、“セピア色の殺人”（by恩田さん）がすっごく好きなんだー。

9月19日(日)のつぶやき

09:19 from web
朝ご飯に豊水を一個。残り五個。
11:43 from 読書メーター
【悪貨 (100周年書き下ろし)】を読んだ本に追加 http://book.akahoshitakuya.com/b/4062162482 #bookmeter
12:17 from web
「悪貨」、面白かった。全体的にすっきりと纏まった印象。ただ、くだくだと感想を書こうとまでは思わない。お金の話だけに、もっとえげつない部分があってもいいような？とは少し思った。 黒幕のこととか。すぐに洗浄されてしまう清潔な悪貨は限りなく真札…だから、どす黒い話にはならないのか。

9月18日(土)のつぶやき

06:52 from web
おはようございます。さ・わ・や・か。午前中に本の感想をやっつけて、掃除もしてパンを買いに行きたい。ぎゅるる～ん。
09:17 from 読書メーター
【天国の発見(上)】を読んだ本に追加 http://book.akahoshitakuya.com/b/4901784838 #bookmeter
09:27 from 読書メーター
【天国の発見(下)】を読んだ本に追加 http://book.akahoshitakuya.com/b/4901784846 #bookmeter
10:40 from web （Re: @AUPARAVANT）
@AUPARAVANT あっ、失礼しました！（笑）　そうそう、AUPARAVANTさんのツイートで「過程」のことを知りまして、じゃあ私もこっちから…と思って手にしておりました。面白かったですよ、最後まで！　「過程」も楽しみですね～。
12:15 from web
バゲット入りの袋片手に帰宅したらば、だーなさんが先方のお持たせの豊水とともに帰ってきた。豊水は嬉しいけれども、うちは果物がなかなか消化出来ないのよねー。私しか食べないし。てな訳で、オリーブオイル漬け牡蠣のバゲット乗せとか、ポンデケージョのお昼ごはんにする。豊水は、明日だな。
13:18 from web
再会の喜び（？）もそこそこに、だーなさんは地元へと旅立った（ええ、ホンの一泊）。もともと大してたたんでいないので、羽を伸ばすと言うほどのこともなく一人だ。

ハリー・ムリシュ、『天国の発見』

　素晴らしい読み応えだった。上下巻とあり二冊ともかなり分厚いのだが、面白くて気にならなかったほど。『天国の発見』の感想を少しばかり。

　天使に課せられた任務、モーゼの十戒の天上への奪還はいかにして果されたか――。
　オランダはハーグの街角で、二人の男が互いを見出すところから全てが始まる。片や言語学の陽気な天才オノ、片や女たらしの天文学者マックス。〈双子〉と呼び合う彼らが互いの存在にのめり込むことで、“二枚の鏡のような無限さ”がそこに生まれるのだった。よどみない理論、冗談と見解に溢れる理知的な会話の下で、二人は彼ら自身の話をしていた。そしてある日、チェロを弾く一人の若い娘アダに会う…。
　天上における天使の７０年にわたる巧緻な企みは、それを知る由もない地上においては運命の歯車がごとり、ごとり――と回る音そのもの。天使の待ち望む使者の誕生に漕ぎつけるだけでも、マックスとオノそしてアダの三人の関係は、揺らぎ変化しそれでも物語の中を突き進んでいく…そこに待ちかねる何をも知らず。

　訳者あとがきにもあるように上巻は、三人（マックス、オノ、アダ）が中心となる心理小説とも読め、下巻からが運命の美貌の少年クインテンの成長と冒険を描く流れとなっていく。そのいずれにしても、聖書がそもそもの題材となっているにも関わらず、宗教や信仰の話には偏らず、美術史や哲学、音楽理論などの話もふんだんに盛り込まれている。それに何より何と言っても！マックスとオノの深い友情、アダをめぐる各々の葛藤、アダの母親ソフィアの存在、不可解な少年クインテンの成長…と、物語の流れそのものがとても面白くて、天使たちの思惑などはどこかへ忘れ去りそうになってしまう。
　ユダヤ人の母親を持つマックスの、戦争とナチへの憎しみ。三人の間で起こる裏切りや別れ。そういった哀しみを悲哀たっぷりに描いたりしない、重たくて深刻な事柄をずっしりと圧し掛かるような重みでは扱わない、どこかに風穴が開いているみたいな独特な作風に、すっかり安心して身をゆだねるように読み進むことが出来た。

　この物語は、任務を果たし終えた天使が智天使（ケルビム）に向けての報告の為に延々物語っている、という構成になっている。その天使が上司に言った、「厳密に必要なこと意外、なに一つ起こらなかった――」という一言が忘れがたい。
　あと、いよいよ終盤に入ってからの思いがけない楽しさと言ったら！　快哉！

9月17日(金)のつぶやき

09:14 from web
おはようございますー。好きな顔……かあぁ。佐藤浩市とか、最近は伊勢谷友介かな。鋭角きついけれど。皺の似合う顔が好きかも。てか濃いか。
09:15 from web
明日からの三連休、半分は一人で過ごせると言うのが釈然としない。
09:17 from web （Re: @choroimo）
@choroimo イケメン好きのchoroimoさんに認められた！よかった～。
09:18 from web （Re: @choroimo）
@choroimo あ、あれ？ひさしぶり？　ぎゅっ！
09:19 from web （Re: @choroimo）
@choroimo 伊勢谷友介も見てくださいね。龍馬伝に出てくるから。
09:24 from web （Re: @catscradle80）
@catscradle80 私は断然そうです。大人の色気が必要だなー。あと、苦味ばしって欲しいです。
09:27 from web （Re: @choroimo）
@choroimo まだまだ先です…。高杉晋作ですから。頑張ってくださいっ。たぶんそろそろ死んでしまうから。
09:29 from web
髪型変だけれどね（ぼっそり）。＞高杉晋作
09:33 from web （Re: @choroimo）
@choroimo 沙悟浄のようなドングリのような。前髪ぱっつんです。
09:46 from web
冷蔵庫に、冬季限定のメルティーキッスがある。夏越えしてしまった。
15:04 from web
牡蠣のオリーブオイル漬けを仕込む。楽しみだ♪
17:02 from web
あと少しで読み終わってしまうのですが、めっちゃ面白いのですが！　だーなさん出張で今夜は一人だから、ラストはゆうるりと楽しもう。いひ。

9月16日(木)のつぶやき

07:16 from web
おはようございます。あいすこーしーなう。雨音はしないけれど、道行く人が傘をさしている。お尻を叩かないと動けない気分……。ぺしぺし。

9月15日(水)のつぶやき

09:03 from web （Re: @catscradle80）
@catscradle80 @naoko_1999 「原稿零枚」、私は好きですよ～。もやもやした気持ち悪いところとか、作家が急に不気味になるところとか（笑）。でも、ファンじゃないとこれは辛いかも…と少し思いました。地味だし、とりとめないし。
09:19 from web （Re: @catscradle80）
@catscradle80 おお、ツボだった人が！（嬉）　そう、もやもやと茫洋に漂い広がっていくものを感じるのだけれど、それを最後まであえて纏めない、みたいな。そんな感じの描き方だなーと思いました。だから、合わない人が多いのもむべなるかな…と。
09:23 from web
結構なヴォリュームの上下巻ものだけれど、字は大きいし二段組みじゃないし。「選ばれた女」に比べたら可愛いものさ。ふ。さて、今日はどこまで読めるか…。
10:54 from web
え、知らなかった。「白檀の刑」って文庫出るんだ…。

9月14日(火)のつぶやき

07:16 from web
おはようございます。今日も雨。もう秋霖じゃのう。
08:55 from 読書メーター
【琉璃玉の耳輪】を読んだ本に追加 http://book.akahoshitakuya.com/b/4309019943 #bookmeter
09:14 from web （Re: @naoko_1999）
@naoko_1999 おはようございます～。だって、楽しみにして待ってたのですもの。うっふっふ。お膳立てとかもう大好物ばっかりで、大満足でしたわよん♪
09:25 from web
そうそう、「琉璃玉の耳輪」のあとがきに思いがけない人の名前を見て吃驚した。そんな経緯かぁ…と。その女性に対しての思い入れは左程ないのだけれど（気になりつつ買わなかったからね…）。