オルハン・パムク、『白い城』

 『白い城』の感想を少しばかり。

 素晴らしく、とても好きな作品である。
 17世紀後半のオスマン帝国で、双子かとも見紛う二人の男が相まみえることとなった。片やイスタンブルで奴隷となったヴェネツィア人の“わたし”、片やはその主人となるトルコ人学者の“師”である。
 酷似した二人が対峙する姿はただそれだけで、合わせ鏡を覗き込むようなめくるめく眩暈感をまき散らしていた。互いに抗いながらも境界を見失っていく、二つの自我。例えばそれは、己自身にそっくりな相手をもう一人の自分のように重ねていく同一化の感覚としてあらわれるかと思えば、そのもう一人の自分が己の核心まで侵しにくるような脅威の感覚をもたらすことも。まやかしと真実がない交ぜになって綾なす模様がそれはそれは美しく、えも言われぬ味わいの幻想性ともなっている。花火の打ち上げや二人で鏡に向かい並んで立つ箇所など、忘れがたい。

 人それぞれが他の誰でもない己自身であることの意味を、その存在の根底を突き詰めて考えてみること。本来であれば重くなりそうなテーマを扱っているにも関わらず、語り手である“わたし”が幼い皇帝のために創作した、夢のように愛らしい数々の物語(これらも作品の魅力の一つだった)が優しく包み込んいるかの如く、作品全体から感じられるのは明るい光だった。もちろんそれは、タイトルにもなっている“白い城”が放つ光でもあると思う。誰にもたどり着けないと知りながら憧れるように仰ぎ見る、白くて眩しい光を放つ場所。
 最後の最後にすとんと落とすラストが素晴らしかった。透徹した眼差しへと至るまでの、各々がたどった遥か遠い道に思いをはせる。

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3月1日(月)のつぶやき

06:45 from web
おはようございます。こーしーなう。はっ、今日から3月! カレンダーめくってない!
09:06 from web
朝食に、セロリの葉っぱをむしゃむしゃ食べる。香る草が好きなのだ。セロリのことをセルリと呼ぶのは、長野まゆみさんの「箪笥のなか」に出てくる大家さんだったと思う。セルリセルリ…セ・ルリ、ルリルリ…。
09:09 from web
さああ、片すぞー。ちゃちゃっと片して本を読もう。
17:17 from API
【白い城】を読んだ本に追加 http://book.akahoshitakuya.com/b/4894347180
17:37 from web
初めて読んだオルハン・パムク、とてもとても好きー!な作品だった。何と言ったらいいのか、私にとっては、おそらく物語の大枠の部分ですでにガツンと鷲掴みにしてくるものがあった。まやかしと真実がない交ぜになったまま、透徹した眼差しへと至るまでの遠い道。いつまでも思いをはせる。>「白い城」
18:58 from web (Re: @hanakochia
@hanakochia 握手、わーい♪ あ、私の場合ですと、「雪→政治小説」のイメージが先行していた間は敷居が高そうに思っていましたよ。でも、「白い城」や「紅」の内容紹介を目にすると、これがすっごく面白そうで!(笑) 次は「紅」に行きたいです~。わくわく!

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2月28日(日)のつぶやき(喫茶店でパスタ…)

07:03 from web
.@rinakkoさんが巻き込まれるサスペンスは「米沢牛しゃぶしゃぶ食べ放題殺人事件・蔵王温泉に秘められた白骨美人死体の謎・・・ 」です。チャチャチャチャッ、チャ~ラ~~。 http://king-soukutu.com/twit/?n=kasasu [火○サスペンス劇場ったー]
07:13 from web
おはようございます。こーしーなう。デパートみたいなところで働いていたらいつの間にかメイドになっていて、どこぞの御曹司と青年実業家から好意を寄せられているらしい…(ここで失恋から立ち直る)という夢は、私に何を教えているのか…(何も何も…)。
07:16 from web
白骨美人死体というのはつまり、骨格だけ見ると美人ということ? 骨が真っ白で美しいということ?
09:08 from web
今日のエキシビは、夕方の方を録画することにした。出かけるまでは中継も見たいけれど、そのまえにお風呂で本読みする。長風呂する。

 ☆    ☆    ☆    ☆

 お昼ご飯は、駅前の喫茶店「Pine」でいただいた。どうと言うこともない普通の喫茶店だが、駅の真ん前なので流行っている。かく言う私たちも二度目。

 ケチャップまみれになった、あらまほしき“喫茶店のナポリタン”をイメージしてナポリタンを頼んだら、普通のトマトソースがかかっていた。むむ、残念…。
 これでSサイズ。そんなに少なくない。
 昭和を懐かしむようなナポリタンが食べたい気分だったので、いささか憮然としつつ。ついでに言わせてもらうと、鉄板×玉子敷き(名古屋流)ならば尚よい…。まあ、トマトソースとしては普通に美味しかった…と思う。
 だーさんが頼んだのは、辛和風だったかな?
 これはLサイズ。
 少し味見をもらったけれど、見たまま通りの味だった。
 コーヒーのオーダーが入るとその都度豆を挽いているようで、香ばしい匂いが時々店内を漂い流れてくる。

20:56 from web
フィギュアに関心の薄い旦那さんに付き合ってもらって、エキシビションを鑑賞した。ヨナさんの演技中に彼がのたまった一言、「浅いイナバウアー!」。まあまあまあまあ……。
21:01 from web
そして。夫、「中国のペアが強いのは当たり前」。私、「は?」。「だってこれ、雑技団からすべってきてるんだもん」。…納得していいのかな……。
21:39 from web
今読みかけの物語がとても面白いのだ。いや面白いと言うか、ピタピタッと隅々まで自分の嗜好に合うので何だか嬉しくなってしまって、一文一文をねぶねぶとしゃぶるようにして読んでいる。…のだが、土日は本読みが捗らない。くうううう~っ、この緩急が堪らないよ。
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