5月に読んだ本

2016年5月の読書メーター
読んだ本の数:22冊
読んだページ数:7875ページ
ナイス数:165ナイス

偽りの書簡 (創元推理文庫)偽りの書簡 (創元推理文庫)の感想
面白かった。うおん。“文章、それは指紋に匹敵する手がかり”なんて言われたら読まずにおられぬ…と。独裁政権下のバルセロナで起きた殺人、社交欄を担当してきた新聞記者のアナはついに犯罪事件の記事を書くことになる。それは始め、窃盗目的によると見られていた…。文献学者ベアトリズの博学ぶり、アナとベアトリズのコンビぶりと2人のカタルーニャ気質も好ましくて引き込まれた。政府の認める記事しか書けない記者、亡命先から帰国後も大学に戻れない元教授。侭ならぬ境遇の2人が追い詰められても最後まで諦めない姿、はらはらしてぐっときた
読了日:5月31日 著者:ロサ・リーバス,ザビーネ・ホフマン
ルーフォック・オルメスの冒険 (創元推理文庫)ルーフォック・オルメスの冒険 (創元推理文庫)の感想
打ち震えるほどにあまりにも馬鹿馬鹿しく、満遍なく隅々までくだらなく、好きな人(あたしだ)には「こりゃ堪らん」の一冊だった。お馬鹿やり過ぎ駄洒落多すぎ、なにその突拍子もない無駄なスケールのでかさ。なにその飛躍。なにそのあり得なさ(エトセトラぶつぶつ)。なので、頁を繰っても繰っても「は…? はあああ…?」とひたすら笑うしかないのであったことよ。…と振り返りつつ、気の所為か爽快だ。ふ。とりわけ「奇妙な自殺」とか「証拠を残さぬ殺人」みたいな話、へなへな腰が抜けそうに好き。(そもこれホームズ・パロディなのよね。おお
読了日:5月30日 著者:カミ
死の迷路 (ハヤカワ文庫SF)死の迷路 (ハヤカワ文庫SF)の感想
ディック版、落伍者どもの“そして誰もいなくなった”みたいなことを勝手に想像していたけれど…。ふ。ディック中期の破綻少なめ作品。私は破綻も存外好きだが、ディックディックしていたのでまあ満足(登場人物たちの病みぶりとか、ワイナリその他を名乗るビルとか、神の存在が証明されている時代の神学とかw)。訳者あとがきが面白可笑しくて、にやにやしてしまった。
読了日:5月30日 著者:フィリップ・K・ディック
夢のなかの夢 (岩波文庫)夢のなかの夢 (岩波文庫)の感想
再読。
読了日:5月27日 著者:アントニオ・タブッキ
マルコーニ大通りにおけるイスラム式離婚狂想曲マルコーニ大通りにおけるイスラム式離婚狂想曲の感想
“狂想曲”というのがぴったり、こちらも面白かった! 舞台はローマ。チュニジア人になりすました実はシチリア生まれの男(スカウトされてスパイ活動中)と、ムスリム移民で秘かな夢を抱く既婚の女(元々夫を愛してはいない)とが、交互に語り手となる章立てだ。ソフィアの章で詳らかにされるムスリムの結婚の実態(純潔の重みとか、女性にとって監督権が父親から夫へ移行するだけ…エトセトラ)には憤ったが、物語全体は明るくて暗澹とさせられないところが好きだ。イーサーのシチリア弁が大阪弁に置き換えて訳されているのもいちいち可笑しい。
読了日:5月26日 著者:アマーララクース
ヴィットーリオ広場のエレベーターをめぐる文明の衝突ヴィットーリオ広場のエレベーターをめぐる文明の衝突の感想
アルジェリアからイタリアへ渡った作家の、アラビア語による小説『噛みつかれることなく雌狼に乳を飲ませてもらう方法』を、自身がイタリア語にリライト…という経緯の作品。多民族からなる移民とイタリア人、更には互いを見下して認め合わないイタリア人同士にも、頑迷な偏見と相互不信から勃発する“文明の衝突”は絶えない訳で、面白がっている場合ではないけれど面白かった(ピッツァへの憎しみw)。そして遣り切れないところ、まさに悲喜劇だ。“衝突”が起こる場の中心には、漂流者たちを乗せて揺らぐ舟の如きエレベーターが据えられている。
読了日:5月25日 著者:アマーララクース
レモン畑の吸血鬼レモン畑の吸血鬼の感想
好きだったのは、表題作と「お国のための糸繰り」。
読了日:5月24日 著者:カレン・ラッセル
山椒魚戦争 (岩波文庫)山椒魚戦争 (岩波文庫)
読了日:5月23日 著者:カレルチャペック
クロコダイル路地2クロコダイル路地2
読了日:5月21日 著者:皆川博子
そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)の感想
ふと読み返したくなって。再々読なのに色々忘れておった…。犯人の仕事の早さ、ためらいのない手際のよさがあらためて怖い。(『オリエント急行の殺人』と対をなす…という話にも頷ける。仕掛けだけじゃなく、犯行の動機や人が人を裁くことについて問う点でも。)
読了日:5月19日 著者:アガサクリスティー
クロコダイル路地1クロコダイル路地1
読了日:5月18日 著者:皆川博子
コスタグアナ秘史 (フィクションのエル・ドラード)コスタグアナ秘史 (フィクションのエル・ドラード)の感想
すこぶる面白く、ぐんぐん読めた。コロンビア史を題材とする点で『物が落ちる音』と共通しているが、曰く“見えない糸で結び付けられた” ジョゼフ・コンラッドと主人公の関係(2人の人生には奇妙に呼応する法則があった…)を小出しに仄めかす展開に、まんまと乗せられる。言葉の端々から滲み出す罪悪感と喪失の悲哀、そしてコンラッドへ向けた憤りの理由とは…。訳者あとがきによれば、『百年の孤独』に影響を受けつつ距離を置く…という姿勢の作家。きっちりコロンビア史を語りながら、主人公の行く末とその過酷な宿命からも気を逸らさせない。
読了日:5月17日 著者:フアン・ガブリエルバスケス
ある一族の物語の終わり (東欧の想像力)ある一族の物語の終わり (東欧の想像力)
読了日:5月16日 著者:ナーダシュペーテル
プラハの墓地 (海外文学セレクション)プラハの墓地 (海外文学セレクション)
読了日:5月13日 著者:ウンベルト・エーコ
黒い本黒い本感想
素晴らしい読み応え。
読了日:5月11日 著者:オルハン・パムク
試行錯誤 (創元推理文庫)試行錯誤 (創元推理文庫)
読了日:5月9日 著者:アントニイバークリー
死者の書(上) (ビームコミックス)死者の書(上) (ビームコミックス)
読了日:5月8日 著者:近藤ようこ
カンタヴィルの幽霊/スフィンクス (光文社古典新訳文庫)カンタヴィルの幽霊/スフィンクス (光文社古典新訳文庫)
読了日:5月7日 著者:ワイルド
四月怪談 (白泉社文庫)四月怪談 (白泉社文庫)
読了日:5月6日 著者:大島弓子
死の猟犬 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)死の猟犬 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
読了日:5月4日 著者:アガサ・クリスティー
後藤さんのこと (ハヤカワ文庫JA)後藤さんのこと (ハヤカワ文庫JA)
読了日:5月3日 著者:円城塔
サラジーヌ 他3篇 (岩波文庫)サラジーヌ 他3篇 (岩波文庫)
読了日:5月2日 著者:バルザック

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