11月26日(火)のつぶやき(読んだ本、『ボリバル侯爵』)

@rinakko 11:49
【ボリバル侯爵/レオ・ペルッツ】を読んだ本に追加

 ひやあ面白かった! ナポレオン一世の遠征に参加した男の、信じがたい驚異に満ちた回想録とな! …とまあ、「まえがき」を読んだ時点で期待は高まり、のめりこみめりこみ頁を繰る繰る。そこで明るみにされていく、同盟軍の敗北への経緯。彼らは何故、まるで自滅の如くゲリラに壊滅される道を突き進んだのか…。
 知ってしまったことによって、言葉の呪いにみすみす捕らわれる。避けるべきことに、事態が引き寄せられていく。その鮮やかな絡繰りが、兎に角見事だった。そして解説でも触れられているように、この人たち本当にドイツ人…?と首を傾げたくなる、将校たちの迷妄っぷり、ぐだぐだっぷり(目先の女にめろめろ…とかw)が、可笑しいやら呆れるやらで、楽しかった。
 “さまよえるユダヤ人”の絡みもツボだったし、ボリバル侯爵(と、その影)が果たした役割りや、語り手が生き延びた事情…など、最後まで読みどころはみっちり。
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